新茅ノ沢
遡行図

プロフィール
 水無川流域の新茅ノ沢は水量が比較的少ないが、入渓点から手ごろな滝が連続する楽しい沢だ。初心者にとっては難しい滝もあるが、巻き道はしっかりしている。ただし、F5の巻き道は高度差があるので慎重に行きたい。随所で小滝、ナメ滝が見られ、明るいゴーロ歩きもできる。F8上で15分ほど水の涸れた沢を歩くことになり、難点といえばここだろう。水のない沢は退屈だ。再び水流が戻るとCS滝まで次々と手頃な滝が現れて遡行者を楽しませてくれる。烏尾山山頂は晴れていれば展望が開け相模灘、舞鶴半島、伊豆半島が見える。
ポイントガイド
 シーズン初めのF1の巻き道は、落ち葉がかぶりスタンスが良く見えない。高度差もあるので手を抜かないよう慎重に行く。F5は滝すぐ手前の左の土壁を木の幹と根をたよりに最上部のヒノキ林まで登る。この登りは難しくはないが高度差があるので細心の注意を要する。枯れ枝を掴まないように注意する。必要ならロープで確保することも。ヒノキ林と雑木林の境界を沢の方角へトラバースすると踏み跡を見つけることができる。途中ロープを出した方が良い場面もあるが、踏み跡を辿れば自然に沢に降りられる。
アクセス
 バス 小田急渋沢駅(バス15分)大倉(徒歩60分)新茅荘
 大倉バス停の周辺は県立秦野戸川公園になっている。水無川に掛かる風の吊橋を対岸に渡り、水無川の左岸に造られた戸川林道を左に折れて戸沢山荘方面に向う。途中、竜神の滝を過ぎて新茅荘までは1時間強の道のりだ。新茅ノ沢へは新茅荘から約5分だ。
 マイカー
 水無川左岸の戸沢林道に入るまでのアクセスは「源次郎沢左俣」を参照のこと。
 戸川林道を戸沢山荘方面に未舗装の道路をしばらく走ると、名水竜神の泉を経て新茅荘に出る。戸川林道は登山者が歩いているので車の走行には十分注意する。新茅荘の手前には20台ほど駐車できる広場がある。この駐車場はたいがい空きがあるので車を止められる。駐車場で入渓の準備をして新茅ノ沢まで約5分歩く。

入渓点
 新茅荘から戸沢山荘方面に林道を5分ほど歩くと水の流れる沢に橋が架かっている。橋の先には「新茅ノ沢」の標識が立っている。橋から沢を見下ろすと薄暗い沢に3mの滝が見える。この新茅橋を10mほど大倉側へ戻って左岸の踏み跡を追って沢へ降りる。橋のすぐ近くは傾斜が急で沢に降りられない。
コースガイド
 沢へ降り新茅橋を潜ると3m滝に当たる。ここからF4までは、両岸が切り立ったゴルジュが続く。3m滝は左のホールド豊富な壁を登る。水量が多いときは多少濡れるかもしれない。すぐに垂直の滝F1、7m滝が現れる。初心者は右を巻いた方が安全だ。巻き道も高度感があるので岩の斜面にスタンスを探しながら慎重に登る。落ち口へのト
 
F1‐7m 暗い感じがする

ラバースは足元に注意する。F1の上は1〜2mの滝が連続する三段滝になる。その上はF2、7m黒い滝だ。F1と同様垂直に近い滝で初心者が登るのは難しい。滝の右下にはルンゼが2本入っている。滝に近い一本目のルンゼを登り小さく巻くとF2の落ち口へ降りられる。落ち口へのトラバースは高度感があるので少し緊張する。しかし、スタンスは段々でしっかりしているので慎重に行けば問題ない。
 F2の上はF3、5m滝になる。ここは水流沿いを容易に登れる。F2手前二本目のルンゼをやや高めに巻けば、より安全にF2を越えられる。こちらはF3、5mも巻いてその上に出る。F3のすぐ上はF4、5m滝になる。ここは水流右のホールド豊富なところを登る。この上の2m滝を越えるとゴルジュが開けてゴーロになる。
 ゴーロになると右から6mほどの滝を持つ沢が出合い、本流前方には大きな滝が見えるようになる。この辺りは枯れ枝がかぶり沢を汚している。やがてF5、12m大棚が沢前方を塞ぐ。黒い滝でかなり高い。滝右にスリングが下がっているのが見える。ここは初心者には登れない。高巻きは大棚に近い左の土の斜面を登る。木の幹や根を頼りに登ることになるが、踏み跡を探しながら登ると楽だ。落ち口の高さまで登った後は巻き道が二手に分かれる。ひとつは落ち口方面へトラバースする踏み跡、もうひとつはさらに上へ登る踏み跡である。

  F5大棚12m 巻き道は左                  F9上のトウゴクミツバツツジ 4月下旬

 トラバースを選ぶとすぐに岩壁になる。巻き道はこの岩壁を登ることになる。木の根や岩のホールドを拾いながらの登りになる。途中ハーケンが一本ある。高度もあるので慎重に行きたい。ここを登りきってからは、踏み跡は緩やかにトラバースして沢へ降りている。滝の落ち口を目差すと急斜面の下降となりロープが必要になるので、自然に沢へ下がる踏み跡を選んで降りて行く。
 落ち口へのトラバースではなく、土壁を最上部のヒノキの植林帯まで登る巻き道のほうが初心者には登りやすいと思う。しかし、高度があるので巻き道の登りでは細心の注意が必要だ。踏み跡を木の幹と根を頼りに植林帯まで登り切る。ヒノキの林と雑木林の境界を登りながら踏み跡を探すと、沢へトラバースする踏み跡を見つけることができる。トラバースは途中不安定なところもあるので必要であればお助けヒモを出して確保しながら降りる。踏み跡を辿れば自然に沢へ降りられる。
 大棚の上は明るいゴーロになり、1〜2mの小さなナメ滝やゴロタ滝が連続して楽しい沢歩きができる。長いトイ状の段々滝や2mトイ状滝を過ぎると、左から涸沢が出合う。この辺りからゴルジュになり、3m滝、そして三条の小滝を過ぎるとF6、F7が連続して現れる。F6、4mは水流沿いが登れる。F7、3m滝も水流沿いが登れる。F7の上は沢が開け、一枚岩の三段滝になる。どの滝も2mほどで岩床を嘗めるように水が流れている。流れに陽が射してキラキラ輝いて見える。さらに歩くと、右側が切り立ったF9、8m滝が見えるようになる。ここは水流沿いの登りは難しいが、左の乾いた岩を登ることができ難しいところはない。F9すぐ手前にF8,8mの滝が有ったようだが今は埋まっていて、その姿は見えない。F9の上は再びゴーロとなる。
 F9の上は石積みの堰堤が続く。4m、2m、2mでいずれも簡単に巻くことができる。堰堤を過ぎると水がなくなり、15分ほど単調な涸沢を歩くことになる。途中左右に大岩が座った箇所と壊れた堰堤を越える。相変わらず涸れた沢が延々と続く。水の無い沢は退屈だ。左右の大岩から10ほど歩くと水が再び現れる。次第に水が多くなりF10の看板がある4m滝が現れる。
 F10、4m滝はゴツゴツした滝の表面を水が舐めるように落ちている。ここはホールドを拾いながら水流沿いを登る。この上ではさらに水が多くなり、前方左に段々に落ちるトイ状滝が見えてくる。この滝の手前右からはわずかに水が流れる沢が出合う。トイ状段々滝は10mぐらいだ。滝は5m、5mの二段になっている。ここは水流沿いが問題なく登れる。この上すぐに5m滝が現れる。ここは水流左を登る。ここも段々になっているので難しいところはない。この上で左から涸沢が出合い、本流は右に4mほどの滝を掛けている。ここは右からバンド伝いに簡単に登れる。ここから沢がやや狭くなりゴルジュとなる。右から水のある沢が出合う所に、本流は三条の5m滝を落としている。ここは水流沿いをホールドを拾いながら登る。この上の3m滝の上で水が完全に涸れる。さらに登ると大岩が二個挟まったチョックストンの涸滝に行く手を阻まれる。途中スリングが下がっているが垂直に近い傾斜だ。ここは10mほど戻って左岸に踏み跡を探して取り付き、チョックストンの右を巻いて落ち口にでる。そう難しいところはないが、落ち口へのトラバースは足元に気を付けたい。

 
詰め

 CS滝を過ぎると、沢は狭いルンゼになる。この先で大岩が沢を塞いでいるが左右どちらも越せる。ルンゼは急傾斜になり両岸は深くなる。ゴツゴツした岩の6mの涸滝が現れる。簡単に登れそうだが意外にエネルギーを使う。ルンゼはさらに急になる。ルンゼの右が開けると樹木に赤いテープなど目印が下がっているのが見える。ここはCS滝上から15分ほど登ったところだ。ここを踏み跡に従って右の支尾根に上がるとすぐヒノキ林になる。ヒノキの林に入ったら下がり気味にトラバースすればすぐ登山道だ。登山道に出てから15分ほどで烏尾山の山頂に着く。沢を登ってきた脚にはつらい最後の登りだ。

 烏尾山頂上からの展望         (2004年7月中旬)

下山ルート
 烏尾山から烏尾尾根を下り新茅荘に出る  1時間
データ
所要時間    3時間15分(新茅橋〜烏尾山)
・地図      大山(1:2.5万)
適期      4月下旬〜11
コースタイム
新茅橋(30分)F5大棚下(35分)F5大棚上(15分)F6(10分)F8(5分)4m堰堤(20分)F10(5分)二俣、10m段々滝(25分)CS涸滝(30分)右支尾根入り口(5分)登山道(15分)烏尾山

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 F10‐4m