プロフィール
 セドノ沢は「背戸ノ沢」と書くらしい。セドノ沢は水無川本谷F1の上に出合う。セドノ沢右俣は大滝35mを擁する登攀向きの沢だが、左俣は、二俣の上から変化に富んだ小さな滝の連続する楽しい沢だ。連続する小滝の過ぎた後は、沢が開け明るいゴーロがF5大滝下まで続く。そしてF5上の6mほどの滝を二つ越えるとまた水量の豊富な美しいゴーロになる。ゴーロは、岩々の間に豊富な水流を落とし、多様な小滝と奔流を創り出している。天気がよければ、迸る流れが陽光を照り返し沢全体ににぎやかな輝きを見せる。この美しいゴーロは、丹沢の中でも特筆すべきものと思う。初心者にはF5大滝やF8、8m滝の直登は難しいが、巻き道があるので行き詰ることはない。だだし、雨が降って日が経たないなど、水量の多いときは難しくなるので初心者は避けた方が良い。
ポイントガイド

 セドノ沢F1は水流左のホールドを拾っていけば難しくない。水量の多いときは、F2とも結構難しくなるので状況を見て右岸の鎖を利用するようにしたい。初心者にはF5大滝の登攀は難しい。F4、CS滝下の右岸の涸沢に入ってF5との間の支尾根に取り付く。踏み跡は明瞭でないが支尾根中央をスラブを越えて登り、滝音のする落ち口ではなくその上流を目指してトラバースする。F8の巻き道は、三俣の左の沢を遡るのが最も良い。2mの滝を越えた上で書策新道へ出たら右へ入る。自然に沢へ降りられる。F9は左を小さく巻ける。
アクセス
 源次郎沢と同じ。

入渓点
 県立戸沢休憩所で登山届けを出してから源次郎沢の入渓と同じコースで進む。途中、書策新道の入り口にある「源次郎沢入り口、本谷F5近道」の看板を左に見て、右手を流れる水無川本谷に沿って歩く。本谷は大きな石がゴロゴロして歩きにくいので沢の左の踏み跡を探しながら歩く。
 戸沢山荘を出てから15分ほどで大きな堰堤に行き当たる。ここは、鎖が下がった左の岩を登りトラバースして堰堤上に出る。堰堤から5分ほど歩くと沢は大岩が5、6個詰まった3mのゴロタの滝になる。ここは、滝左の大岩の左を巻く。ゴロタの滝から10分ほど歩くと豪快な滝、本谷F1が見えて来る。この滝には左に鎖が下がっているのでこれを利用する。本谷F1の上では、右からセドの沢が出合う。ここがセドノ沢の入渓点だ。
 水無川本谷F1までは、水無川本谷のコースを参照のこと。
コースガイド
 セドノ沢出合い〜F8下三俣
 セドノ沢の入り口は日が射さない方角になるため、明るい本谷に比べやや暗い感じがする。しかし、これも二俣上の小滝の連続するゴルジュを過ぎると沢は明るさを取り戻す。セドノ沢に入ると、すぐセドノ沢F1が現れる。F1、5mは水流の左を登るのが最も易しい。滑りがちな足元を良く確かめていけば、ホールドが豊富なので難しいところはない。釜に深く入り滝の右へ回り、水流右を登ることもできる。水流の多いときはここの通過は難しいので、滝左の急な壁に下がった鎖を頼りに登れば良い。F1を越えるとすぐF2、6m滝になる。水流が二条になっているその右の細い流れに沿って登れば簡単だ。水量の多いときは滝右の壁をトラバース気味に登らなければならない。F2の上は開けたゴーロにすぐ二俣になる。ここは右俣と分かれて左俣入る。右はセドノ沢右俣で二段35mの大滝がある。

 
水無川本谷F1‐10m この上でセドノ沢が出合う   セドノ沢F1‐5m 左右どちらも登れる

 二俣の上からは、ゴルジュになり、しばらく手ごろな小滝が連続して沢登りの楽しさが満喫できる。二俣すぐから4m滝になりその後2mほどのゴロタの滝が3個所連続する。その上の釜を持つ3mのゴロタの滝は、釜左をトラバースして滝下に出て水流左を登る。5mトイ状滝は、左側の乾いた緩いカンテを登る。次の広めの4mトイ状滝は乾いた左の壁を登る。連続する小滝が切れると、沢はゴーロになり岩々が小さなゴロタ滝を造り、行く手を遮るようになる。滝の周囲に登りやすい箇所を探しながらの沢歩きになる。晴れていればこの辺りは沢筋に日が射すようになり、木漏れ日が水面に煌いて沢を明るくにぎやかにする。やがて沢の真ん中にチョックストンが現れる。ここは、岩の右を簡単に登れる。その上はF5、大滝13mだ。この登りは初心者には難しい。ここは、チョックストンの下へ戻り巻き道に入る。
  F5大滝13m

 チョックストン下の右岸にある涸沢を3040mほど登ってから右の尾根に取り付く。ブッシュと笹竹をたよりに急斜面の尾根を登る。明瞭な踏み跡は見当たらないが、尾根の中央を登れば良い。そのうち尾根右下にスラブ、尾根前方にスラブが露出しているところに差し掛かる。ここは滝の音のする右へトラバースしたくなるが前方のスラブをさらに登る。滝の音からやや遠ざかるまで登り、その後やや下向きにトラバースする。巻き道の涸沢を登り始めてからトラバース開始までの時間は約10分だ。滝の音のする方へ誘われて降りると滝が見えてくるが、このルートは難しい。落ち口に降りるのではなく滝の上の沢に降りるように方角を取ると踏み跡が出てきて滝上の沢が見える位置に出る。沢への下降はザレになっているので滑らないように注意する。必要ならお助けヒモを出そう。
 F5大滝のすぐ上に右から水量の少ない7mほどの黒い滝が出合う。本流の先には釜のあるチョックストンの6m滝、F6がある。水流沿いはハング気味で登れない。滝に近づいてみると左にホールド豊富な乾いた壁がありここが登れる。この上にはF7、7mのの滝がある。ここも左の乾いた段々の岩を登ることができる。滝の右端の段々になったところも難しくない。しかし、ここは水量の多いときは水をかぶるだろう。この二つの滝を過ぎるとゴーロになり、次第に岸が切り立ちゴルジュの様相を示してくる。ゴルジュの中に1〜2mの小滝が続く美しいところだ。

 左側に大岩を見て過ぎると両岸が開け明るいゴーロになる。かなりの水量がゴーロの岩々の間を縫って滑り、小さなゴロタ滝を様々に創り出している。ゴーロ全体が滝のように見える美しい所だ。右に大岩を過ぎれば沢はさらに開け、沢前方に小さなゴロタ滝の連続した段々が日差しに輝いて見える。岩々の隙間を奔放にはしる豊富な水流も、眩しい陽光を照り返してくる。この美しいパノラマの先は三俣になっており、沢本流の先にF8、8m滝の落ちるのがわずかに見える。三俣左の沢も遠目に陽光を返して水の落ちるに従いキラキラ輝いて見える。おそらく、この辺りの渓相は丹沢の中でも特筆すべきものだろうと思う。つい一休みしたくなるところだ。三俣の中央が本流ですぐゴルジュとなりF8にぶつかる。本流の右からは涸れ沢が出合い、左俣はかなりの量の水を落としている。
 F8下三俣〜新大日の頭上の山道
 三俣の上を本流のゴルジュに入ると5m滝、そして前方に黒い直瀑の滝、F8が現れる。F8は垂直に近いため初心者には登攀が難しい。巻き道は滝少し手前の右壁にある。壁の取り付き易いところを登り、落ち口へトラバースする。ホールドはしっかりあるが高いので緊張する。F8の上には3mの手頃な滝が連続する。F8を安全に巻くには、三俣へ引き返し右岸側の水のある沢(左俣)をまっすぐ登る。途中2mの滝を越えた先で書策新道が横切るので、新道を右に入る。新道に従って進むとセドノ沢に降りられる。そこは、F8上、二つの3m滝の上だ。この巻き道に難しい所は無いため、初心者には有り難い。沢へ降りて4mの滝を過ぎると左から7mほどの白竜ノ滝が出合う。滝前に古い標識がある。白竜ノ滝を過ぎて段々の4m滝を過ぎると左に水呑み場がある。竹筒を伝って湧き水が落ちている。「書策小屋まで水を運んでくれれば有難い」との意味の看板が下がっている。このすぐ上には、書策新道の登り口が右側にある。沢左に分岐の標識が有ったのだが少し前の豪雨で流されたらしい。F8直瀑の黒い滝8m

 書策新道の登り口に分かれて2mの滝をこえると二俣になり右から水のある沢が出合う。ここは左の本流を進む。左から小さな涸沢が出合うとすぐにまた二俣になる。ここは水量の多い右へ入る。右の沢に入るとじきに水が涸れる。二俣上のF9、8mの滝は少し水が落ちている。直登はやや難しい。左の乾いた壁を登り左のブッシュの段々を小さく巻いて落ち口に出る。細い潅木が頼りだ。難しくは無いが高度感があるので慎重に登る。この上で6mの緩い涸滝を登ると、沢の右から15mほどの涸滝が出合う。本流はこのすぐ上に10mの涸滝、6mの涸滝と続く。この上はじきに沢が狭くなりルンゼ状になる。
 詰め
 沢がルンゼになっても小さな涸滝が連続して現れ、それを越えてゆくのに結構体力を使う。やがて沢が左右に分かれ、中央にゴツゴツの岩が現れる。ここは右の沢を登った方が登りやすい。ここから尾根の登山道までは10分ほどだ。土混じりのルンゼを忠実に詰めて行くと沢床は完全に土に変わる。ここからは山道を歩いている人の姿が見える。右の支尾根に入り草地を登るとすぐに登山道だ。
2004年7月上旬)



                          詰めからの展望

下山ルート
 行者岳手前の分岐を政次郎尾根に降りるのが時間的には早い。書策新道は傾斜が緩く脚に負担をかけずに下山できる。しかもセドノ沢、本谷の渡渉点で休憩ができて楽しい。
・書策新道ルート   1時間50  
・政次郎尾根ルート  1時間20 新大日〜書策小屋〜行者岳手前分岐〜戸沢山荘
データ
所要時間    3時間20分 (戸沢山荘〜新大日の頭上の山道)
地図      大山(1:2.5万)
適期      4月下旬〜11
コースタイム
戸沢山荘(15分)堰堤(5分)ゴロタ滝(15分)本谷F1(20分)セドノ沢二俣(25分)F5大滝下(25分)大滝上(20分)三俣(15分)白竜ノ滝(15分)F9手前二俣(25分)10m涸滝(25分)登山道


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セドノ沢左俣
遡行図