玄倉川本流2

プロフィール
 玄倉川の青崩洞門下からモチコシ沢出合いを通過して第二発電所下に出るこのコースは、丹沢黒部の雰囲気を最も残す場所だろう。白い花崗岩の作り出す渓谷の美は丹沢随一ではないだろうか。上流にできたダムのために水量は減っているが、モチコシ沢出合いから上流の遡行は、ゴルジュのため初心者にはなかなか手強い。3ヶ所ほど泳ぎが必要な場所がある。普段水勢は無く泳ぐ距離も数m程度なので難しくはない。ただし、水に濡れたくない場合はこのコースは薦められない。夏に訪れたいコースである。モチコシ沢出合いの先は増水すると遡行できなくなる。逃げ場も無いため増水時には遡行しないこと。
ポイントガイド
 高い滝は無いが、泳ぎが必要になる沢歩きのコースだ。ゴルジュがあるため玄倉川の沢歩きでは最も通過が難しい。しかし、ゴルジュは、水に入るのを厭わなければ突破できる。ダムの取水のため水勢は弱いので泳げば簡単に越えられる。真夏の沢歩きには良いコースだ。水に入りたくなければモチコシ沢出合いから引き返した方が良い。降水量が多くなると上流の第二発電所前の大倉ダムから放水するので十分に注意したい。アプローチの途中、丹沢湖の上流すぐ上の第一発電所の玄倉林道側に「放水中」の表示が出るので入山の時に見て行くと良い。雨の日や増水しているときは河原に降りてはいけない。
アクセス

 玄倉川本流1に同じ

入渓点
 車止めゲートの前の駐車場から玄倉林道を歩いて45分で青崩洞門に到着する。洞門の手前すぐ左に河原へ降りる踏み跡がある。左の涸沢を降りるが、急なので足元に注意する。ここはモチコシ沢遡行の入り口になっている。
コースガイド
 青崩洞門下から玄倉第二発電所下
 降りた河原は、堰堤2の上だ。川上正面に青崩れが圧倒する。青い草付きの岸壁が上部から大きく崩れている。青崩れの所で川は左へ大きくカーブする。すぐに砂利の河原になり水がゆったりと流れている。河原に大岩が目立つようになり次第に巨岩帯になる。

  モチコシ沢出合い手前 巨岩帯と2m滝         モチコシ沢出合い手前 スラブ小滝

左に一枚岩の絶壁が現れる辺りから川は渓谷の様相を見せてくる。両岸は切り立ち上方には青い樹木が生い茂る。河原には白い巨岩が点在し、花崗岩の白い岩床や美しく磨かれた玉砂利の川床を深く澄んだ水が流れて行く。両岸が切り立ってくると両岸が狭まり廊下(ゴルジュ)になる。ここから第二発電所下までは廊下が続く。

 ほどなく巨大な岩が行く手を阻み、2mほどのトイ状に落ちる滝が見える。ここは水流左をへつり、滝の左を登る。水量が多いときはこの滝を越えるのは難しくなるので、大岩の右後ろを巻いて越える。じきに左の岸に草付きの岩壁が現れる。100mぐらいはあるだろう。
 一枚岩の渕や大岩の造る小滝を越えて行くと、左の岸壁の裂け目から水が流れ出しているところに出る。モチコシ沢出合いだ。裂け目の奥には、よく見ると高い滝が落ちている。この狭い沢を水流沿いに登ると目の前が開け、顎を持ち上げるほどに高い滝が見る者を圧倒する。モチコシ沢の大棚、60mの滝だ。青崩洞門前からモチコシ沢出合いまでは約30分だ。大棚を仰いだ後は玄倉川に戻りさらに遡行を続ける。
 モチコシ沢出合いを過ぎると本流は右へ大きくカーブする。モチコシ沢から5分ほど歩くと左から80mほどの糸状の滝が落ちている。さらに5分ほど歩くと河原がやや広くなる場所に出る。ここは大岩に阻まれて川の流れが左右二手に分かれている。水量の多いときは両方の小さな滝から勢い良く水が落ちて越えるのが難しいところだ。通常であれば右の1m滝を水流沿いに登ることができる。
  モチコシ沢大棚60m                      ゴルジュ2mスラブ滝

 ここを越えると本格的なゴルジュとなりますます峡谷の様相を見せる。この上で白く美しい2mほどのスラブ滝になる。スラブ滝は川幅いっぱいに広がり水流は滝の中央を流れ落ちる。広く深い釜を湛えている。しかし、この上の第二発電所のダムで取水しているので水量は少ない。この滝は、釜の左から回り込んでいけば容易に越せる。このすぐ上には碧い渕が現れる。深いが水量が少ないので流れは緩やかだ。両岸はゴルジュで、へつることはできない。ただ左側の岸の上部にロープが下がっている。ロープのあるところへ登り着くのも難しそうだが、取り付いてみるとたいしたことはない。ハーケン2本で支点がつくられロープが下がっている。3mほどの下降は足掛かりの無いスラブで難しそうだ。ここは自前のロープを出しハーネスとエイト環を使い懸垂下降で降りた方が安全だ。この渕は、流れを泳いで越える方法もある。流れは緩やかで難しくない。ただし水量の多いときは難しいだろう。この上すぐにまた2mほどのトイ状の滝があり釜が深い。ここは右側が越えられる。その上で砂利の河原になるとすぐに深い釜になる。釜の先に1mぐらいのナメ滝が見える。ここは右側が切り立っているので左を進むしかない。左の水面近くは傾斜したスラブなので手掛りがなく、左をへつることも難しい。3mほどだが結局は泳いで渡ることになる。ここの右岸にはホールドのありそうな岩もあるので小さく巻くこともできるのかもしれない。ずぶ濡れになって、花崗岩の川床を歩いて行くとすぐに3mほどのトイ状の滝が見える。滝の手前は広い渕になっており両岸のへつりも難しい。ここは水深の浅い右側を腰辺りまで水に漬かり、滝から手前に伸びた岩に取り付いて越える。水流に勢いが無いため難しいところはない。
 3mトイ状滝を越えると前方上に玄倉林道が見える。ここは石崩隧道のユーシンロッジ側の入り口で、アッチ沢が林道下を通って玄倉川に流れ落ちている。玄倉川上流はすぐ第二発電所前の玄倉ダムだ。アッチ沢の出合いは3mの花崗岩の段々滝になっている。ここから林道に上がる。段々滝の左の乾いた岩を登り、落ち口を左岸に渡ってカンテを登ってから右のルンゼに入り石崩隧道のすぐ前に出る。滑らないように注意したい。
2004年7月中旬)




 ゴルジュ出口の3mトイ状滝


下山ルート

 石崩隧道から車止めゲート前駐車場  45
データ
所要時間    2時間20(車止めゲート〜青崩洞門〜モチコシ沢、大棚〜石崩隧道)
・地図      中川(1:2.5万)
適期      7月〜9月(夏期)
コースタイム
車止めゲート(25分)境隧道(20分)青崩洞門(35分)モチコシ沢、大棚(15分)2mスラブ滝(30分)3mトイ状滝(15分)石崩隧道


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遡行図