プロフィール
 源次郎沢は水無川流域の入門コースとして人気の高い沢だ。シーズンの休日になると沢登りのパーティーが何組も入渓する姿が見える。F1からF4までの間には初心者でも登れる手頃な滝が次から次と現れて楽しい沢歩きができる。F4上の二俣で左俣へ入る。右俣すぐのF5の巻き道の落ち口へのトラバースは、高度感があって緊張するが、左俣には難しい滝は無い。二俣からおよそ1時間で大倉尾根の1128m地点に出られるので、初心者や体力にあまり自信がない向きにはこの左俣を勧めたい。
ポイントガイド
 意外に難しいのが、F3上2つ目の4mトイ状滝である。ここはやや高度感が出るがホールドのしっかりした左の岩を登るルートが良いだろう。緊張する場面もある。滝の右の壁は、上へ押し上げられ易いので注意が必要だ。F4の大滝には巻き道があるので初心者でもそう苦労しないで通過できる。F4大滝から二俣までは数分なので、天気の悪い日は二俣を見逃さないようにしたい。
アクセス
 
バス  小田急渋沢駅(バス15分)大倉(徒歩90分)戸沢山荘
 大倉バス停の周辺は県立秦野戸川公園になっている。水無川に掛かる風の吊橋を対岸に渡り、水無川の左岸に造られた戸川林道を左に折れて戸沢山荘方面に向う。途中、竜神の滝を過ぎて新茅荘までは1時間強の道のりだ。新茅荘の前には、大きな駐車場があり20台ほどは止められる。この先の新茅ノ沢まではここから5分だ。新茅荘から戸沢山荘までは約30分だ。
 マイカー
 
国道246号線から同上バス路線を進み大倉入り口を左折せずに直進する。水無川に掛かる平和橋を渡ってさらに登りの道を直進する。橋を過ぎて次の信号を左折して県立秦野戸川公園へ向う。この交差点右にはコンビニエンスストア、左には目立たないが駐在所がある。左折した道は、大倉の左岸を走る戸川林道につながっている。風の吊橋を左に見て進むとじきに未舗装の道路になる。途中、国定公園の看板、名水竜神の泉がある。車で通れないところはないが登山者が歩いているのでゆっくり走ろう。新茅荘の前には大きな広場があり20台ほど車が駐車できる。新茅ノ沢へはここに車を止めて5分ほど歩く。作治小屋を過ぎるとすぐに戸沢山荘が現れる。山荘の手前を河原に下りる道があるので、ここを下がって河原の駐車場へ車を止める。駐車場付近はキャンプ場になっており休日には車がいっぱいになる。駐車場は森林組合の管理になっており、2003年から入り口のポストに300円の使用料金を入れることになっている。貴重な駐車場であるため進んで料金を払うようにしよう。

入渓点
 
戸沢山荘の上を通る林道を奥へ進むと、その先で行き止まりになっている。途中、県立戸沢休憩所と丹沢臨時警備所が併設された建物がある。警備所にはシーズン最盛期に遭難対策隊が詰めている。ここで登山届を出して出掛けよう。ここにはトイレもある。林道が切れると戸沢が右から出合い道路上を沢が横切っている。その先の水無川に掛かる鉄の橋を渡ると道は狭くなる。水無川には澄んだ水が勢いよく流れている。この先、本谷山荘に出るところで道は右にカーブし、その先の小さな広場の右に「至 書策新道」の標識がある。標識に従って右方向へ、大きな沢の水無川に降りる。ここで沢を対岸へ渡ると水無川を遡行してしまうので、沢に降りてそのまま沢の堤防の左端を真っ直ぐ進む。ここは間違い易い所なので注意する必要がある。沢左を真っ直ぐ進むと源次郎沢出合い、そして源次郎沢の一つ目の堰堤に当る。この堰堤の前で対岸に渡り堰堤の右に造られたコンクリート製の急な階段を登る。この先を右に水無川を見て歩くとじきに分岐になり「源次郎沢入り口、本谷F5近道」の書策新道へ入る看板がある。この書策新道へ左折して登るとすぐに、「源次郎沢入口」の看板がある。ここを左へ降りればすぐ沢だが、この先で堰堤を2つ越えなければならない。この看板から書策新道をさらに2〜3分登り、新道が左の沢に最も近く寄った場所で入渓すれば、二つの堰堤の上に出られる。沢へ降りる斜面が急なので注意して降りよう。左岸を2〜3m下へ戻った地点に踏み跡がある。この地点より上流部は沢へ降りるのに苦労する。

   

コースガイド
 
入渓点〜F4大滝上二俣
 
源次郎沢は水量の割には比較的沢幅が広い開放感のある沢だ。普段の水量は多くなく、葛葉川よりも少し多い程度だ。入渓して歩くとすぐF1が見えてくる。F1は落ち口がV字状になった4mほどの滝で小さな釜がある。ここは水流沿いを登った方が良い。左右とも登れるが右の方がホールドが多い。少し濡れるが流れの中にホールドを探して登ると楽だ。最初の滝なので慎重に越えて行きたい。水量が多いときは水流右の登りは、完全に濡れるので滝左の壁を登ると良い。ただし、こちらは6mほど登ることになる。さらに進むと、左岸から筋状に水を落とす8m滝が出合う。この先に5、4、5m(F2)の三段の滝がある。これらの滝は特に難しい所はないので自分の力量に合わせて登るルート決めていきたい。一段目は、ホールドの豊富な右の乾いたルートを選んで登る。二段目は右の水流沿いを登れるが、左側にホールドが多い。その上の最上段が一枚岩にクラックを持った滝、F2だ。滝右側に水が落ちている。滝の左端にはF2の看板が下がっている。滝上には右岸に生えた樹木が倒れて滝に被さっている。ここは左端を登れば容易だ。クラックを登ることもできるが、中間部ではホールドを探すことになる。最後は倒木をつかんで登る。倒木がなければ容易なところを選んで登った方が良いだろう。クラックの滝は、水流の右側を登ることもできるが、やや難しい。滝下を右へ移動するのに膝まで水に漬かることになる。

5、4、5m三段の滝 上部にF2が見える   F2‐5m滝

 
F2クラックの滝の上で、大岩のある滝F3、4mに出合う。ここは滝すぐ手前を右側に上がる。右へ上がりすぎると高度感がでて緊張するので、上がり過ぎないようにしたい。滝下近くまで低い位置でトラバースしてから登れば容易だ。F3の上にすぐ5mほどの滝が現れる。ここは滝右の壁に良いホールドがある。難しくない。さらにその上のトイ状の滝は4mで、簡単そうに見えるが初心者にとって登攀はやや難しい。滝右をトラバース気味に登りたいがホールドが細かいため、上方へ押し上げられてしまう。まっすぐ上に登るとかなりの高度になる。少し戻った左の土の斜面に巻いた踏み跡が見えるが、トラバースの足場が悪く良くない。ここはやや高度感があるが、滝左を少し戻った岩の斜面4mを登るのが良いだろう。ホールドは細かいが探していけば要所にある。途中に残置支点が一箇所ある。初心者はロープで確保してもらった方が安全だ。トイ状の滝の上を進むと沢の右に大岩のある4mほどの滝になるが水流沿いを簡単に登れる。この滝を過ぎるとゴーロになり、前方が明るく開け、大きなガレが見えてくる。ここで沢は大きく右へカーブしている。
 
大きなガレを左手に見て沢が右へ曲がると、前方に豪快な滝F4、10m大滝が見えてくる。この滝は源次郎沢随一の大滝である。ここは滝左のリッジを登ることができるが、逆層気味で初心者には難しい。初心者は、経験者の指導の下にロープで確保して登る必要がある。ここはリッジの左上に載っている大岩の下から登った方が良い。大岩の下から一段登って、大岩の下を左にくぐってから右に回りこむように登れば不思議なほど容易に滝の上に出られる。高度感もなく左の尾根に入る巻き道よりも安全で早い。参考までに、巻き道について記す。巻き道は滝少し手前の左、ガレた斜面を登る。滝左の支尾根に沿ってガレの右端を登る。傾斜が急になってきたら支尾根のブッシュに入ったほうが良い。支尾根を藪こぎしながら急登する。左に見えるザレが無くなる辺りから支尾根を滝側にトラバースする。踏み跡は薄いので見つかり難い。大滝の少し上に落ちるルンゼに行き当たったらルンゼを5mほど降りて沢に立つ。急斜面ではないが、ロープを出した方が安全だ。
 
F4大滝の上は明るく開けたゴーロになっている。F4の上から、源次郎沢の右俣と左俣を分ける二俣までは数分だ。特に天気が悪い時などはF4の上からは沢の右側を歩いた方が良いだろう。二俣は、左俣の方が水量が多い。
 F3上の4mトイ状滝                   F4大滝10m

 
F4大滝上二俣〜1128m地点
 二俣の上はすぐ3m滝、岩のある2m滝だ。これらの滝の上は急なゴーロになっており岩々の間を勢い良く水が流れている。沢は広くて日当たりが良いため明るい。新緑の頃は透けるような緑が美しい。急なゴーロを息を切らせて上ってゆくと右が大岩で塞がれた3mほどの滝に出合う。この滝を過ぎるとすぐ二番目の二俣になる。右俣は陽が当たって明るい。ここはやや陰っている左俣へ入る。左俣はすぐ小滝の連なる12m四段の黒い滝になる。ここは急だが段々になっているので危険なところはない。じきに8m二段の滝になるが、ここも段々になっているので難しくない。この辺りからは、水が少なくなり沢幅も狭くなってくる。沢のど真ん中に大岩が座った所を過ぎるとすぐ三番目の二俣になる。この二俣は左俣の方が沢床が低く沢幅も広いので左が本流だろう。ここは左へ入る。右俣の方には水が流れているが、左俣はほとんど水がない。左俣はすぐ2mほどの滝になるが岩がもろいので越えるのにやや苦労する。この滝の上はV字谷になって来る。やがて四番目の二俣になるが、ここも左のV字谷へ入る。右俣はまだ少し水が流れているが左俣は水が涸れている。この辺りからは急なルンゼの登りとなるが、大きな涸れ滝はないので登れる。かなり前方に赤土の露出している崩壊部が見える辺りで足元がガレに変わる。ここからは渓流シューズでは滑りやすいのでグリップ力のあるゴム底の靴に履き替えた方が良いだろう。



左俣二番目の二俣 四段の黒い滝が見える

 詰め
 この辺りは三俣のルンゼの合流点になっており前方二つのルンゼはガレで容易に登れない。ここは、傾斜が緩くガレのない一番左のルンゼに入る。こちらは傾斜が緩いので登れる。ルンゼに入るとすぐに傾斜の緩い大きな岩場が現れる。ここはやや岩が脆いが傾斜が緩い上にホールドが豊富なので登れる。この岩場を避けて岩場の左を登っても良い。岩を登ったところからは足元が崩れやすくなるので、すぐ左の支尾根に入る方がよい。急な支尾根を潅木の幹や根を頼りに登ると、すぐに1128m地点の休憩所前の登山道に出る。天気のよい日なら大倉尾根を登って来て休息をしている登山者が何人もいるだろう。
2004年5月上旬)

下山ルート
 
大倉尾根を下り戸沢への分岐で左に折れて、天神尾根を戸沢山荘へ下る。まっすぐ大倉へ降りても良い。
 
戸沢山荘へ降りるルート 1時間
データ
所要時間    2時間10分(戸沢山荘〜1128m地点)
・地図      大山(1:2.5万)
適期      4月下旬〜11
コースタイム 
戸沢山荘(15分)入渓点(5分)F1(15分)F2上(35分)F4大滝(3分)二俣(10分)二番目の二俣(12分)三番目の二俣(8分)四番目の二俣(10分)ルンゼ合流点(10分)1128m地点

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遡行図
源次郎沢左俣