ウェクラ短信142
三岩岳 南会津
2017/03/25
加藤、大橋、山﨑

旧登山口出発 7:30













参考情報

なし

コースタイム

旧登山口7:30-ピーク899.5m8:05~15-ピ-ク1308m10:20~30-ピ-ク1699m12:00~50-(下山)-鞍部990m14:40-ピ-ク899.5m15:10~20-旧登山口15:40

ルート図






前日に降った雪が、古い雪の上に積もっていた。雪の感触を確かめながら一歩一歩スキー板を進める。と同時にシールがスリップして後戻りしないか、神経を足裏に集中させて高度を稼ぐ。
 
最初の取り付きは急斜面で嫌らしい。高度にして100mを登るのに汗ばんできた。この時点で雪質は申し分なくパウダーであった。ここから細尾根のアップダウンが続き、標高1000mの鞍部からピーク1308mまでは広大な斜面が続く。
 
少しずつ高度が高くなると左遠方に大戸沢岳が見えてきた。このころから青空が広がり、太陽に照らされた雪が少し重くなってきた。先ほどまで雲が掛かっていて見えなかった三岩岳の全容も、目の前に広がってきた。この辺りから見える三つ岩岳は、恐ろしいほど大きく、簡単には人を寄せ付けない神々しさを醸し出している。何度もスキー板を止めてはその景色に酔いしれた。
 
ピーク1308mを過ぎると前方に窓明山が見えてきた。この山もスキーを楽しむ人がいる。とYリーダーが教えてくれた。確かに雪崩れそうな所以外はどこでも滑れそうな山容である。
 
黒檜沢を経由する新道との分岐を過ぎると、滑降するには丁度良い斜面が続く。標高1600mを過ぎると、山頂へと続くなだらかな尾根筋が見えてきた。ピーク1699mで行動を止めて昼食にし、ここから下山することにした。
 
思っていたように雪が重く、尋常ではスキー板が曲がってくれなかった。スキー板を誤魔化しながら回転させ、スピードを殺し木々を交わして滑降していった。理屈では分かっているが思うようにはいかない。斜面が狭まった急斜面などは、キックターンを繰り返しながら滑り降りた。標高が下がるにつれて雪質も重く、気持ちの良い滑降をさせてくれなかった。
 
雪質、地形、斜度、樹林と瞬時に判断し、より安全なルートを滑降する。経験の長いKさんやYリーダーから学ぶべきことは多い。呼吸を整えるのに立ち止まったり、休憩したりしての滑降を繰り返し、少しずつ高度を下げて行った。右下に小豆温泉の屋根が見える所まで下山したときは、緊張感が和らぎホットした。
 
短い距離だが国道に出る急斜面が嫌らしい。キックターンを繰り返し、無事国道に降り立つことができた。朝、道路には積雪があったが、今は見違えるほど乾燥した道路になっていた。
                        
   O



899.5ピ-クから1000mまで軽いアップdownが続く 08:15
ピ-ク899.5を目指して最初の急登


黒檜沢を覗きながら1000mの鞍部へ向かう 08:54
1308目指しての急登スノ-シュ-のトレ-スを追う

この辺で川崎の連中が右手尾根登行を確認

閑静極まるブナ林 09:53





ブナ林帯と三岩岳東南尾根



ブナの木の履歴が分かる
-ンマンダム この絶景に言葉がない


一歩一歩稼いで無心で登行 息が聞こえてくる 11:40
1308付近から窓明山がドーンと素晴らしいの一言 10:24


まだまだ余裕がありそうです
1699まで15分 木々まばらで滑降が楽しみだ

天まで登れ山スキ-ヤ- 1699の小台地で終了とした 山頂まで120分くらい 12:06

風の当たらないスポットで大休憩 12:18



 久々に「三岩岳」を計画した。旧登山口に車を止めた。すでに四五台の車が止まっている。那須ナンバーの他は県外のようだ。この山は春近くなると少しずつ入山者が増えてくる。厳冬期に入山者はめったに見ない。私たちもいつもこの時期からこの山を狙う。
 
最初のポイントは899.5mピ-クまでの急斜面を、どうこなすのかと思っている。固く締まっているときは担いで登った方が効率が良いと思っている。そして凍結しているときは、ブ-ツにアイゼンを装着して登りその後ピ-クにデポする。つまりここであまり体力を消耗したくないのである。
 
雪質を見て今回はスキ-板にシ-ルを装着して登った。吹き流しにしていてもシ-ルは剥がれないし、脱着時にもなんら問題はない。しかし何回もスリップを繰り返すと剥がれてしまうこともある。そんなときは束子で付着した雪を落とす。
 
899.5mのアンテナのある小ピ-クを過ぎると、小さなアップダウンがある。雪解けになるとこのあたり一帯はイワカガミが咲き乱れる。1000mにある鞍部も雪がかぶり底上げがあって楽に通過出来た。これから1308mまで大まかには二つの登りが待ち構えている。一度目の登りが急斜面でいやらしく、また左右に切れ落ち神経の使うところだ。一旦尾根の傾斜が緩くなったところで食物を口に入れた。いつもはあと少し登ってから休むのだが、少しずつ体力の衰えと身体機能の低下があるのかなと自分の頭のなかでそう考えた。
 
1000mの鞍部からブナ林が山一帯を埋め尽くし、乳白色の樹肌が特に美しい。太陽が高くなり雪質が変化して重雪になりつつある。ストックで雪を軽く押して雪質を観察し、滑降のイメ-ジ作りも忘れない。1200m近くなると左前方に大戸沢岳のお椀を伏せたような山容が見えてきた。光線が当たり鈍く光る北東尾根。その北側の中ノ沢で滑降中に、ヒドンクレパスに落ちた元仲間が眠る。早期発見を祈るばかりである。
 
ピーク1308mを若干左寄りに巻き気味に登ると前方が左右に大きく広がる。そこには窓明山が飛び立つ寸前の鷲の様な姿で待ち構えていた。稜線の雪庇は巨大化して隆々とした盛り上がりを魅せている。もちろん目指す三岩岳たる所以の、ゴツゴツとした岩のでっぱりも確認できた。その三岩岳山頂は少し右に寄る位置に存在する平坦地である。新潟方面の山々を一望できロケ-ションが売りだ。
 
いったん下り1290mから方向を西に合わせ歩を進める。尾根の左側の雪庇はそう気にならないが、やや右寄りにコ-スをとり順調に高度を上げる。時間もだんだんと経過し11時近い。避難小屋から続く稜線も見えるが山頂はまだ遠い。保太郎橋沢左俣の枝沢が右に見えると1699mのピ-クは近い。ピ-クへ導く稜線が目前に迫って来て、先行者の姿が小さく見える。
 
1699mから先は斜度も緩み疎らな針葉樹の間を縫うように歩く。しかしこのまま順調に進んでも山頂には14時を回るかも知れない。下山時刻を予想すると1630分近くになるだろう。後ろ髪を引かれる思いで、1699mで板を脱ぎ、周囲の山々を見ながら昼食を頂いた。クラスト状に近い重い雪面に重戦車のごとく挑む山スキ-ヤ-。電車のレ-ルの様な滑走跡を作りながら、慎重にそして華麗に攻める熟練者達。手こずりながら、愚痴を並べながらの滑降。時には板の先が雪面に食い込み、頭から雪の中に突入して転倒する者。それができる広いバ-ンは、三岩岳をこよなく愛する岳人の夢の舞台なのである。
 
1308m過ぎると益々雪質は悪化するばかり。14時を回ると途端に気温が下がり、閑静なブナ林帯はますます静寂の森と化す。滑走音のみが山肌を滑り抜け、対岸の尾根にも届くであろうか。899.5mで息を整え、小沢を安全滑降して無事出発地点に到着した。
                           
山﨑


滑降が始まる

さあGo down the mountain. 13:08


























超雪まみれ(^^/
常に美を追い求めて滑降するOさん


It is cool.
標高1699mから一気に滑降


899.5ピークで休憩
標高1000mから登り返し 14:46

899.5ピ-クから沢を滑降し道路に出た 15:29



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