ウェクラ短信141
天元台~西吾妻山~若女平 吾妻連峰
2017/03/18~19
加藤、黒川、大橋、山﨑

リフトでゲレンデtopへ 08:30













参考情報

福島登高会「ソロで生きる」吾妻山の西大巓と若女平を滑る 2016年01月23日

コースタイム

リフトTop9:10~30-中大巓10:20-西吾妻山11:35~45-西吾妻小屋12:00~30-若女平14:40~50-雪庇15:10-スカイバレ-16:10

ルート図






 一日目を天元台高原スキー場で過ごし、二日目に西吾妻山から若女平を滑降し、西吾妻スカイバレーに出る計画をYリーダーが組んでくれた。この計画は5年前に挑戦したが、凡天岩手前で吹雪かれ敗退した。今年こそは何とか成功させたいと願っていたが、朝起きてみると前日と打って変わって曇天で多少の不安を感じた。
 8時30分から乗車できるリフト前には、すでに20人ほどが並んで乗車待ちをしていた。三基あるリフトを乗り継ぎ、登山口手前でシールを張って身支度を整えた。この間15名ほどいた山スキーヤーは、樹林帯のなかに消えていった。
 我々も樹林帯のなかにスキーを進めた。樹氷を交わしながら、くねくねと曲がっているトレースを進んだ。標高が上がるに従って樹氷が厚くなってきた。アップダウンや樹氷に見とれているので疲労感を感じることはなかった。
 標高1900mを過ぎると樹氷林がなくなり、左に中大巓が現れた。ここを左に見て西吾妻山を目指す。この頃からガスが出始め、時として10m先が見えない。Yリーダーの姿を見失わないよう間隔を詰めてスキーを進めた。変哲のないだだっ広い雪原なので、こんな所で迷ったらどこに進むか分からなくなるだろう。
 慣れないGPSで確認したが、この時点で軌跡が不明となってしまった。五年前のことが頭を過ったが、地形図とコンパスで確認し合いながら凡天岩を目指した。ときどきガスが晴れると息を飲むような景色が広がった。
 凡天岩を過ぎると、西吾妻山らしいものが前方に見えてきた。特徴のない山容で、椀を伏せたような形の一番の高みを目指した。平らになっていて山頂がどこか分からない。早々に西吾妻小屋に向かい小屋の外で昼食にした。
 シールを外しここから滑降する。この時点でGPSが正常に動いてくれた。出発前に作成したコース図よりも少し左に寄りすぎていた。樹氷群の間を潜り抜けトラバース気味に滑降していった。樹氷間が狭く、先が見えないので1、2回ターンしては止まるを繰り返すので快適な滑りができない。
 標高1850m辺りで夏道に乗り、ツアー標識も出てきたので安心した。標高1500m辺りから樹林間が開いて長い距離を滑ることが出来るようになった。若女平からは天元台スキー場の放送がときおり聞こえてきた。少しずつ斜度が急になってくると、話題にしていた細尾根が前方に見えてきた。横歩きや横滑りで進んでもよいが、万が一滑って止めることが出来なかったら左右どちらかの谷に落ちてしまう。右側には雪庇が張り出していて落ちたら這い上がれないだろう。スキー板を外し、つぼ足で行くことにした。
 標高1100mになると人工林が出てきた。少し行くと小坂と呼ばれる急斜面となり、横滑りとキックターンを使いながら滑り降りた。細尾根も嫌らしいがこの小坂も難易度が我々には高かった。
 斜度が緩み、藤右エ門沢橋を渡ると西吾妻スカイバレーと天元台スキー場に行く分岐に飛び出した。宿泊した「アルブ天元台」から、8時間の行動を共にした仲間と健闘を讃えあった。
                             O.


リフトtopでシールを着ける 9:10~30 シ-ルを貼り中大巓へスタ-ト 09:30

ガスが抜けこの景色に言葉がない 西吾妻山へ


様々な造形美に心奪われて
写真を撮りながら牛歩のごとく


西吾妻山でル-トを確認する 11:40
小屋が見える 吾妻小屋で大休憩 12:55~12:30 




米栂の樹氷の林霧晴れて朝の陽光有難きかな

米栂は吹雪に向かひ雪の棘夜毎伸ばしては樹氷となりぬ

吾妻山広漠の尾根に群居るは吹雪の造りし白きモンスター

栂の氷林樺の平抜け出でて細尾根急坂凌ぎ降り来つ


いざ出陣 ルートを確認して 12:43

樹間が狭く滑降に戸惑う

白銀の世界





















樹間が狭く快適滑降とは言えない

ガッツな滑降 アグレッシュブ滑降 kuさん





 前々から今年こそと願っていた、吾妻連峰の広大な白い台地を歩くことが出来た。日帰りで消化する強者も多くいるが、天元台スキー場のパウダ-滑降も見捨てられない。そこで天空の宿「天元台ロッジ」を前泊の宿として、思う存分未整地のゲレンデ滑降を楽しんだ。三月の雪質とは思えない、深雪の無感触のパウダーであった。明日の山岳ツアーが目的であるので、そこそこに切り上げ温泉につかった。
 
西側のガラス越しに明日滑降するヤセ尾根が、夕日に照らされてオレンジ色に鈍く光っていた。夕食はロッジの大食堂。100人は軽く収容できるようなスペースに、10組くらいの宿泊客がのんびりとしゃぶしゃぶを味わう。家族連れのお客様が多く、笑顔いっぱいの表情で和やかな夜だった。徐々に辺り一帯は夕闇に包まれ、雪の外壁に設置されたローソクの柔らかい灯りが、雪国の情緒を醸し出していた。
 
ゲレンデは雪上車が前照灯を点滅させながら行き来し、リフトと平行にスノーメイキングを繰り返している。

 
翌朝風見鶏はピタッと動かずおなじ方向を指していた。窓からみる風景は一枚の静止画のように見える。濃い青を背景にして山の全容を浮き彫りにして白一色に輝きを増していく。そそくさと朝食を済ませリフトに飛び乗り、天元台スキー場のtopに立った。日曜日とあってか二三の団体がツァ-の準備を急いでいた。まずは中大巓までの標高差100m位の緩やかな登りだ。何時ものように最初は時間をかけて、ゆっくり体調を見ながらの登行。真っ白な鎧をまとうモンスターがトレ-スの両側に並んでいる。
 
四人のベテラン山スキーヤーは目の前の小高い中大巓を左に見ながら巻き、広大な白い大地に着いた。コンパスを南南西の西吾妻山に合わせ歩を進める。地形図を見てわかるように、この辺りは池塘が点在する箇所で、夏にはコバイケイソウなどが咲き誇り夢の楽園となる。
 
標高が2000mに近いこの地、流石に風も吹き出し時折ガスが目の前を隠す。梵天岩、天狗岩の小ピークを乗り越え、緩い斜面をシ-ルを着けたまま下降し西吾妻山に向った。白い大地は凸凹が多くただ単に直進は出来ない。無理に直進しようとすると深雪にはまる。
 
西吾妻山下から標高差50m程の登りに、巨大モンスター群を左右にかわしながら頂上に立った。裏磐梯の山々が遠くに白く生き生きと輝きを見せ、その絶景に息をのむばかりだ。西方向に見える西大巓に多くのスキーヤーが立つ姿が目に入る。東の深雪の大斜面を狙っているのだ。
 
少し西に高度を下げると、西吾妻小屋の赤ペンキ色の屋根が見えた。ツァ-の人たちが米粒のように往来している様子が見える。そしてその先にはこんもりと樹氷の海原が連なっていた。10分ぐらいで到着し熱い湯をカップに注ぎラーメンでお腹を満たした。小屋前では数名の山スキーヤーが風を除け同じように鋭気を養っていた。それぞれ年季の入ったバックを所持していた。二十日平方面に下る黒磯の方々であった。
 
12時頃を下降の予定と考えていたが、1230分を少し回ってしまった。これから入る未知の世界に不安が募る。下降する尾根は幅広で雪被るコメツガが林立する。方向を確かめて入るが一向にペースが上がらない。コースを見定めても、どうしても下部に下がる傾向にある。つまり人は楽をするのである。GPSを手元に置き徐々にルート沿いに入った。下降する方向も左右にあるはずの沢斜面も樹幹に隠れ見えない。時折崖の急斜面を除けながらの滑降が続き、快適な滑りは出来るはずもない。
 
徐々に樹間の隙間をついての滑降に慣れてきた頃若女平に着いた。右前方に天元台ロッジが見えた。昨日窓越に見た尾根上に我々が立っているのだ。一歩一歩の積み重ねでようやくここまでやって来た。多少の余裕が皆の表情にうかがえた。
 
急斜面を少し下るとこのコースのポイント、ヤセ尾根の通過が待っていた。今年は降雪が多く凹凸は隠され比較的楽に通過できたと思う。でも、これも前もって知識を得ていたせいで、そう感じていただけなのだろうと思う。数年前に雪庇を踏み外して死亡事故があった場所である。
 
少し行くと人工林の杉林急斜面に突入する。キックターンと横滑りを続けながら高度を一気に下げた。そして右手の沢の方向に寄りながら下降を続けた。もう16時に近い。遠くに藤右エ門沢にかかる橋が見えたときは嬉しかった。みんながその橋を通過した時の安堵感は今も忘れることは出来ない。

                            
山﨑



若女平で 少し余裕が出てきた 14:45
ヤセ尾根対策にスキ-を担いだ すでに 15:12

雪庇を通過中 15:15



沢が下に見えてきた

小坂の急斜面を横滑りとキック
タ-ンで通過する 15:50

すでに16時過ぎ 藤右エ門沢
の橋を通過 16:07


スカイべレ-道に出る 無事名馬です 16:11



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