ウェクラ短信140
大戸沢岳北東尾根 南会津
2017/03/04
黒川、大橋

7:49 三岩岳と大戸沢岳の真っ白い稜線が見えた。













参考情報
なし

コースタイム

葭ヶ平スノーシェルター7:40-ピーク1386m-ピーク1553m10:12-折れカンバの木11:31-山頂12:36~滑降~下大戸沢14:18(昼食)-葭ヶ平スノーシェルター15:28

ルート図






 舘岩川沿いに走る国道352号から、南会津内川地区で伊南川を渡り沼田海道に出る。この丁字路を左折し少し走ると伊南川に架かる橋を渡る。そこから雪を覆った三岩岳と大戸沢岳を見ることができた。
 
三岩岳の登山口になっている小豆温泉を通り過ぎ、葭ヶ平スノーシェルターの先に駐車しようとしたが、駐車スペースはどこも空いてなかった。スコップで雪を退け、駐車スペースを確保しようとしているグループもいた。トンネル手前に戻り、空きスペースに駐車することができた。
 
今日はいつもより時間を早めて鹿沼を発った。体力の衰えで行動時間が長くなること。今日は距離が長いこと。などの対応として早出早着にした。このことは目的地の標高や距離を考え、過去のコースタイムに捉われることなく出発時間を決めなければならないだろう。しかし厳冬期の早起きは辛いものがある。
 
下大戸沢から三岩岳と大戸沢岳の稜線が青空のなかに白く輝いて見えた。急登になると直ぐに汗ばんできた。こんなときは風が欲しいと願うが、無風状態なので叶わない。1386mピークからは、三つ岩岳と大戸沢岳の素晴らしい景色が目の前に広がっていた。稜線にはときおり雪煙が舞い上がっていた。この時点で、天候が崩れることなど二人とも思ってもいなかった。
 
ここから先はアップダウンがあるので斜面に変化があり、苦しさも紛れる。標高1600mを過ぎると細尾根となる。ここから1850mの折れカンバ(ウェクラメンバーでの愛称。201112年頃にダケカンバの大きな枝が折れ、目印となった)を目指す。ここをやり過ごすと、山頂までの単調な登りが待っている。
 
左には上大戸沢の谷を挟んで、会津駒ヶ岳の登山口へと続く尾根が長々と続いている。遥か後方には、日光連山や那須連山が薄ぼんやりと見える。上方に目を向けると、変哲のない真っ白な斜面を黒川さんが黙々とスキー板を進めている。ときおり強い風と共に雲が湧いてきた。
 
斜度が緩み、シラビソの木が見えてくると目の前が山頂である。この頃から風が強くなり、あっという間に雲に覆われた。すでに太陽は雲間に隠れ、視界が悪く寒さが厳しくなってきた。早々に滑降の準備をし、北東尾根を目指して下山を始めた。
 
視界が悪く雪面の凹凸が見えない。雪質も重く、スキー板を思うように曲げることができなかった。高度を下げると、アイスバーンや深雪の所が現れ簡単には下山をさせてはくれなかった。スキー板を誤魔化誤魔化しながらのターンを繰り返し、少しずつ高度を下げていった。
 
最後の試練に下大戸沢に降りる急斜面があった。ここはキックターンを繰り返しながら降りたが、黒川さんは得意のショートターンで上手い具合に降りてきた。
 
広々とした所で遅い昼食を摂り、下手なスキーを引きずりながら、下流を目指して黙々と滑り降りた。山頂を目指しているとき盛んに話題にした「来週はどこの山に行きますか」という言葉は、帰路の車中では話題にすら上がらなかった。

                                            O.

9:28 1386mピーク手前。風がなく汗が滴る。

9:50 1386mピークから大戸沢岳を仰ぎ見る。辿りつけるか不安になる。



























11:31 標高1850mの「折れカンバ」。ここまで来れば残り1時間の勝負だ。
12:16 変化のない斜面を無心にスキー板を進める。ときどき立ち止まっては景色を見る。


12:36 三岩岳も見えた。この頃から風が強くなり、曇天となった。
12:36 大戸沢岳山頂に着いた。雪を覆った燧ヶ岳が遠くに見える。

14:21 下大戸沢に出る急斜面。雪が重くスキー板が思うように曲がってくれない。 14:37 広河原の下大戸沢に降りた。先行者のシュプールが無数にあった。

15:22 下流は沢が口を開けていた。慎重に通過する。




檜枝岐白き世界に魅せられて幾度(いくたび)登りぬ大戸沢岳

若き日は一踏ん張りの頂も年毎遠くなりにけるかも

往にし日に山を共にせし友垣は雪の谷間に今は眠りぬ

広き斜面いざ滑らむと勇めども思ふに任せぬ三月の雪

                         ku.



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