2016.11.01 未踏ルートの検討


 グーグルアースは、使いようによっては、けっこう効果を発揮する。これは、グーグルのソフトウェアで、空から地上の様子を撮影したものである。地形、建造物、道路などを上空から俯瞰できる。かなり分解能が高い。大きな木であれば、一本を見分けることができるほどである。
 
同じグーグルのソフトにストリートビューがあり、道路の様子や道路の両脇の様子が、手に取るように分かる。ただ、ストリートビューは、道路のある車の走れる範囲に限られる。
 
未踏のルートを歩くときに、グーグルアースが役に立つ。例えば、山肌を覆う森林が針葉樹なのか広葉樹なのか、林道はどこへどう続いているかなどが分かる。そして尾根と谷の起伏の様子が直感的に、手に取るように分かる。これは、五万図では得られない情報である。
 
先日、八ヶ岳鳴岩沢の河原木場沢を歩こうと計画を立てたときに、このグーグルアースの力を借りた。遡行の終盤で下山ルートを検討するときに、ウェブの情報のないルートを選択しなければならなかったからである。
 
河原木場沢の標高2200m付近から、左岸の窪を詰めて治郎兵衛沢へ下降するルートを拓きたかった。このルートは、尾根越えとしては比較的長く、今まで歩いた記録がない。普通は地形図を頼りにルート検討することになる。だが、グーグルアースを見ることによって、さらに重要な情報を得ることができたのである。
 
例えば、二段ノ滝11mの現れるあたりの右岸支流のガレの状況や沢の屈曲の様子が手に取るように分かる。これは、遡行時に現在地の確認に役立つことになった。また、詰めに予定していた窪は、中腹あたりで左右に分岐するらしいこと、尾根越えの鞍部には大きな白ガレがあること、このガレを下がれば、治郎兵衛沢へ至る支流になることなどが分かった。いずれも、地形図では分からない情報である。
 
これらは、標高2200m付近から、左岸の窪を詰めて治郎兵衛沢へ下降するルートを実際に歩いたときに、現在地を確認するのにおおいに役に立った。とりわけ、鞍部に現れる白ガレの位置を把握していたため、その地点を実際に通過したときに、現在地の確認に絶対の信頼を寄せることができた。したがって、治郎兵衛沢への下りは、迷わずこの白ガレの右岸を沿うように降りた。その結果、首尾良くいった。



 
後で分かったことだが、治郎兵衛沢の下降で最初に出会う奇岩を伴ったゴルジュに懸る25mの大滝も、そして標高2050m付近に現れる長いナメもその姿をグーグルアースの中に確認できる。
 
以前、富士川福士川の白ガレ沢の上流を歩いた時にこの沢に大きな堰堤があることをグーグルアースで事前に知った。また、奥秩父笛吹川の雷川を遡行したとき、前日にキャンプする川辺の候補をグーグルアースで調べ、実際にその場所を調査した。これはなかなかうまくいったと思っている。現地で零から探索するには、無駄が多く時間も掛かることになる。ただ、この時は、途中で大粒の雨が降ってきたため、実際には、笛吹キャンプ場の屋根を借りた。
 
その他にもグーグルアースの有効な使い方があるものと思う。地形図だけでは得られない情報を知りたいときには、一度グーグルアースを使ってみることをお勧めする。「グーグルマップ」で検索してマップを開き、画面の下に現れる小さな囲みをクリックすると、グーグルアースが開く。拡大縮小は自由である。
 せっかく未知の領域を歩くのだから、事前に余計な情報を得たくないという考えの遡行者もあると思う。それはそれで、大切なことだと思う。




Home