ウェクラ短信 131
御神仏薙 日光男体山
2016/10/30
大橋
(ラバーソール)
6:25 梵字飯場跡からは通行止めになっている。















参考情報 
「きりんこの山遊び日記」御真仏薙~男体山 2014年9月20日

コースタイム
梵字飯場跡駐車場6:25-湯殿橋7:04-御真仏薙入渓7:10-標高2070mの大岩9:13-標高2200mの崩壊地9:34-登山道10:46-山頂10:55~11:48-志津乗越13:09-梵字飯場跡駐車場14:05

ルート図





 男体山登山は、今まで登山道以外の道を利用して山頂を踏んだことがなく、別なルートはないものかと思いを巡らしていた。そのようなときに足尾の沢を検索中、御真仏薙から登頂できることを偶然に見つけた。それからはいつの日か御真仏薙を登ってみたい、という強い気持ちがあった。
 
裏男体林道を利用して、男体山や太郎山、大真名子山へ行くには梵字飯場跡から先は一般車通行止めとなっている。舗装された車道を、唐松の落ち葉を踏みながら歩くこと40分で湯殿沢橋に着いた。
 
湯殿沢橋は、新しく付け替えたらしく白く輝いていた。車両通行止めになっているのにも関わらず、なぜ新しい橋が必要なのか疑問に思ったが、この辺は二荒山神社が地主なのだろうから税金は使われてないものと思い、有難く真ん中を通らせていただいた。
 
御真仏薙には水流が見られず、歩きだすとすぐに堰堤が現れた。越えるのが困難かと思われたが、右から簡単に越えることができた。ゴーロ帯になったり岩盤帯になったり、水が出てきたり伏流になったりの繰り返しで、最後の堰堤を越えた。そのうちに両岸が迫り、ゴルジュっぽくなってきた。
 苔むした涸滝が現れ、到底登れそうにもなく右岸を高巻いた。この高巻きも厳しく、岩盤に枯れ葉や苔が着いていて足元が滑る。立木に頼ろうとするが枯れ木が多く、簡単に折れてしまう。この様な高巻きを何度繰り返したことだろうか。枯れ滝を登ろうとするが、苔が着いていてスリップする。沢靴が良かったのか、スパ長かそれとも運動靴が良かったのか、思いを巡らしたが答えは出てこなかった。これから先の沢形態の変化に万能ブーツがある訳ではなし、一つの靴で歩き通す困難に神経を使った。岩も丸みがあり、フリクションが乏しく、取りついてセミになりかけながら戻ったりもした。
 風も冷たくなってきて、水溜まりや水の掛かる岩棚には、氷が張って登攀が難しくなってきた。高度計を見ると、標高がまだ1900mであった。この時点で無事山頂まで辿りつけるのか心細くなってきた。取りあえず、岩棚に腰を落として休むことにした。振り返ると、太郎山の全容を見ることができた。
 
溶岩が流れた窪なので、両岸が狭まり圧倒されてしまう。どこに取りついたら一番安全に進むことができるか、判断が難しい。ベテランはどこを登っても前進できるのだろうが、万年初心者の自分には、どこに取りついても難しい。大きく巻いたり小さく巻いたりしながら、標高2070mにある特徴ある大岩に着いた。そこから先は大滝もなくなり、ゴーロ帯となり岩肌もザラついて歩き易くなった。


7:16 このような堰堤が四つ程あった。右から簡単に越えることができた。
7:03 真新しい湯殿沢橋に着いた。後方の山は大真名子山。


7:23 堰堤の上はゴーロ帯となっていた。
8:00 涸滝を右岸から巻いたが、嫌らしい所が随所にあり緊張した。


8:29 どの岩も丸みがあり、手がかりが乏しい。少しでも指先が岩にかかってくれると安心した。
8:13 両岸が狭まり、左右どちらに逃げても難しい。弱点を見つけながら行くしかなかった。


9:03 標高を上げると、水流のないところは凍っていた。
9:13 標高2070mの大岩。ここから先がいくらか歩き易くなった。

 前方に、二俣のある開かれた崩壊地が見えてきた。高度計は2200mを指していた。今まで狭い所を歩いてきたので開放感がある。そこから先は河原状となり、標高2270mにある最後の滝が見えてきた。遠目には両岸が狭まり、高巻きは出来ないだろうと判断した。しかし、この滝を越えなければ山頂直下に出ることができない。近付いてみると、水流の右から取りつき、落ち口にトラバースできれば突破できると判断した。高さもあるので、緊張しながら慎重に足場を探り、無事落ち口に立つことができた。急に力がみなぎり、大声を張り上げた。
 ガスのなかに、立ち入り禁止のトラロープが上方に見えてきた。しかし、ここからも試練が待っていた。急なザレが続き、何かに掴まらなければ身体を持ち上げることができない。今まで棒切れを頼りに歩いてきたが、モミの木とかシラビソの小枝に頼らないと滑る。何度も立ち止まりながら、じりじりと登山道を目指した。登山道に出る一歩の所が嫌らしく、ザレが凍って今にも崩れ落ちそうな所を這い上がった。幸いにも登山者がいなくてホッとした。やり遂げた嬉しさに大声を出したかったが、山頂にいる登山者に聞こえそうなので止めることにした。良く観察すれば、もっと簡単に登山道に出る場所があるのだろう。
 山頂から南東方面はガスっていて眺望は得られなかったが、北西には燧ケ岳を見ることができた。建物の影に身を潜め、バーナーに点火して早い昼食にした。
 帰路の紅葉渋滞を心配したが、車はスムースに走行し、今が盛りのイロハ坂の紅葉も、流れるように目にするだけであった。



9:29 飛沫が掛かる岩肌は、凍りついていた。
9:32 標高2200mの崩壊地。先週歩いた治郎兵衛沢を思い出した。


9:53 窪には水流があったが、靴を濡らさなくても歩けた。
10:00 最後の大滝。高巻きはできないので、前に行くしかなかった。


10:46 鉄パイプをまたいで登山道に出た。右の凍ったザレを登るのに苦労した。
10:30 ガスの中に立ち入り禁止のトラロープが見えた。しかし急斜面に何度も立ち止まった。

10:51 樹氷になっていて驚いた。
10:52 念願だった御真仏薙からの登頂。この看板を見たときは嬉しさが込み上げてきた。

12:00 下山途中に湯ノ湖や燧ケ岳が見えた。

12:01 手前が大真名子山、右に帝釈山女峰山と続き、その右後方が赤薙山だろうか。


























Home