ウェクラ短信 130
久藏川長平沢 足尾山塊
2016/10/07
大橋
(ラバーソール)
6:56 銅(あかがね)親水公園に駐車し、一般車通行止めのゲートから久蔵沢林道を目指す。
















参考情報 
「その空の下で。。。」 2015.11.1 奥日光 久蔵川長平沢

コースタイム
銅親水公園6:55-長平沢林道分岐7:55-最終10号堰堤8:40-最初の3m滝8:59-最後の8m滝10:30-登山道11:26-社山11:28~12:07-阿世潟峠分岐12:41-長平沢林道分岐13:56-銅親水公園14:58

ルート図




週末の天候が期待できず、明日の金曜日が晴天との予報に、急遽思い立ち出かけることにした。このようなときは、ひろたさんの山域別・山行記録を参考に、自分のレベルにあった沢を選定している。今回は、足尾の銅親水公園から久蔵川の支流長平沢を社山に詰めて、阿世潟峠から久蔵沢林道を下山する周回コースを思いついた。
 
紅葉時期を車で移動するのに、道路を選ばないと大渋滞に巻き込まれる恐れがある。ましてや三連休前の好天を約束された金曜日である。日光市内は仕方ないとして、足尾方面の渋滞はないだろうと足尾の沢を選んだ。しかし、往復とも心配するには及ばなかった。定刻通り目的地に着いた。
 銅親水公園に車を止め、一般車通行止めになっているゲートをまたいで、一歩を踏み出した。少し大げさかもしれないが、このゲートを境にして、先程までの生活から離れ、自己責任で行動するという重さを感じずにはいられなかった。
 久蔵沢林道から長平沢林道に入ると、道が荒れてきた。堰堤工事の目的が終わったので手入れなどする必要がないからだろう。落石で河原状になった林道を、足元に注意しながら上流を目指した。穴の開いた堰堤状の橋を渡り、左岸沿いの林道を進み、適当なところから沢に降りた。最終堰堤の銘板には「昭和61年 長平沢No10コンクリート堰堤」と記入されてあった。偶然かな、堰堤ができて今年で30年である。堰堤の上には、10m滝が太陽の光に反射して白く輝いているのが見えた。



7:56 スタートしてから1時間で長平沢林道の分岐に着く。ここから荒れた林道になる。
8:19 三つの穴がある堰堤状の橋を渡り、右岸を行った。

 堰堤を越えて一歩を踏み出そうとした時、足音がして目の前を黒いものが動いているのが見えた。すぐに熊!と分かった。距離にして5、6mぐらいだろうか。足が竦み、動くことができずにいると、静かに歩いていた。気付かないのかなと思ったが、立ち止まってこちらを振り返った。目と目が合った。熊は気付いていたのだ。動くことが出来ずにいると、熊が背を向けて静かに歩きだした。熊の動きを見ながら静かに後ずさりをして、堰堤上に急いで登った。そしてホイッスルを吹いたり、大声を出して熊を遠ざけようとした。少し経ってから逃げ去ったものと思い、堰堤下に降りて見ると、右斜面に座り込んでこちらの様子をうかがっているではないか。再度堰堤に上がり、熊の見える所に移動し、手を振り上げたり大声を出したりしたが、こちらを見たり毛繕いをしている。敵は長期戦を目論んだな、とこちらも水を飲んだり菓子を食べたりした。撤退も考えたが意を決し、熊から一番遠い所を、とはいっても距離にして20~30mぐらいだろうか、静かに忍び足で歩いて通り過ぎた。正に泥棒歩きである。熊も変な行動を起こさず、事なきを得てほっとした。
 最初の3mや10m滝は、熊の恐怖が抜けきらず、落ち着いて歩くことができなかった。少しずつ落ち着きを取り戻し、集中できるようになったが、危ない個所では取付き点に戻って違うルートを巻いたり、安全第一を考えて行動するようにした。
 滝も次々と現れるので変化があって楽しむことができるが、アプローチを嫌ってか余り人が入ってないように感じた。というのは、高巻きの踏み跡がないからである。



8:41 堰堤を越えたらニアミスした。あの場所から動かず、恐る恐る通り過ぎた。
8:36 最後の堰堤からは、F2の10m滝が見えた。


8:59 F1、3m滝。後方に熊がいるので急いで右岸を高巻いた。
 
9:01 F2、10M滝。最初は水流沿いに取りついたが、熊の恐怖と重なり、取付き点に戻って右岸を巻いた。  


9:25 F4、4m滝。右から取りついたが岩が剥がれ、足元が危うくなったので右岸から高巻いた。
9:22 F3、7m滝。右岸を巻いた。まだ足元に落ち着きがなく必死だった。

 
9:48 F7、3mトイ状滝。この辺りまでくると熊の恐怖も忘れ、落ち着いて一歩が出るようになった。しかしラバーソールには厳しい所もあった。  
9:36 F5、5mトイ状滝。右にある倒木を利用して上がった。落ち口に行こうとしたが難しく、このすぐ上にある3mナメ滝と一緒に高巻いた。


9:59 F8、二段6m滝。ホールドが沢山あり水流沿いに行けた。
10:06 12m階段状滝。遠目には難しそうだったが、ホールドがあり快適に登れた。しかし一番上は左から巻いて落ち口に立つことできた。

10:29 最後の8m滝。右の乾いた岩を選んで登った。

 標高1530mの二俣を過ぎると完全に水が枯れた。この先の1580m二俣を右に進むと笹原となり、沢型がなくなった。深い所で腰ぐらいある笹に掴まりながら、何度も休みながら登らなければならなかった。右に派生する尾根に乗ると、阿世潟峠から社山を目指す登山者が見えた。
 登山道からは山頂まで2~3分で着いた。山頂先の見晴らしの良いところから黒檜岳や松木山(大平山)が見えたことに大満足した。
 下山は、登山道を阿世潟峠に降り、そこから足尾方面に向かった。西利根倉沢(長手沢)沿いにある登山道は不明瞭な所があり、何度も見失ってしまった。2~3年もしたら道型が消えてしまうかもしれないと感じた。この頃から太ももに痙攣が出てきた。左足が良くなったと思ったら、右足にも来た。下山できるのか心配したが、そのうちに林道が出てきて幾分歩行が楽になった。この林道も崩壊が激しく、いずれは消えてしまうのだろう。
 東利根倉沢出合辺りからは、林道もしっかりとして車が走れる状態になってきた。長平沢分岐に着いた。ここから1時間はかかる林道を、取り留めにない思いを巡らしながら銅親水公園を目指した。阿蘇沢林道分岐辺りに着くと、工事用車両が走っていて、現実の世界へ舞い戻る自分がいた。



11:06 右の尾根に取りついた。深い所で笹が腰ぐらいある。急登なので笹に掴まりながら登った。
10:53 標高1580mの二俣。ここを右に進んだ。


11:32 社山山頂から辿ってきた長平沢が見えた。右奥には足尾方面を見ることができた。
12:25 下山途中からは男体山と中禅寺湖の雄大な景色を見ることができた。紅葉も色づき始めた。

12:41 阿世潟峠の分岐に着いた。ここかから不明瞭な道を辿って足尾に下山した。



Home