大樽沢 安倍川西河内川 その1
2016.04.15
高橋
(フェルトソール)
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大樽沢中流部 岩と沢床に苔の緑が映えるゴーロ 小滝が連続する

遡行図

参考情報
「大樽沢の滝」2006.07.22 静岡の滝巡り

コースタイム
林道終点9:11380m二俣9:24-大滝9:27-山ノ神滝10:15510m二俣10:52630m二俣12:25680m二俣12:41790m二俣13:17910m尾根13:52-林道15:30-林道終点15:39

概念図


ルート図

 *沢の名前は、ウェブの情報をもとに記載しましたが、確認が取れていません。


 安倍川の右岸支流に西河内川がある。大樽沢は、この西河内川の支流だ。麓の集落は、内匠(たくみ)というめずらしい名だ。調べると、内匠とは、「宮廷の工匠」とある。工匠とは、大工など木工職人を指すようだが、集落の由来は分からない。今では、急な斜面にお茶畑が続いている。
 新東名の新静岡ICから安倍街道を北上して、油島の玉機橋(たまはたばし)で安倍川を渡る。県道189号線を井川方面へ8kmほど入ると内匠(たくみ)の集落がある。大樽川にかかる大樽橋を渡ってすぐ10mほどで林道の入り口がある。左折すると幅の狭い林道となる。入口が分かりにくいので要注意だ。左に神社があるところの道路は違う道なので少し戻らなくてはならない。
 林道はすれ違いができないほど狭いが、林道の終点まで舗装されている。林道の終点に小さな広場がある。ここに車を止めた。


 もうだいぶ前に楢原さんと安倍川の左岸支流、黒沢(くろんさわ)へ行ったことがある。ダイナミックな沢で遡行時間がかかり苦労した覚えがある。
 今度は久方ぶりの静岡の沢なので期待も大きかったが、漠然とした不安もあった。この不安はどこから来ているのだろうか。植林が多いようなので景観はどうなのだろうか。暖かい地方なので、渓相が丹沢などとは異なるだろう。どう違うのだろうか。フリクションの具合はどうだろうか。詰めのヤブはあるのだろうか。下山道の情報も良く調べることができなかった。ウェブには、大樽沢の完全遡行の記録が無いことなど、未知の部分があることもその不安をかきたてる。
 この不安のひとつは、あとで的中して苦労することになるのだった。

渓の概要
 大樽沢は、短く小さな沢だが水量の多い沢である。大きな滝に混じって上流まで小さな滝がある。釜がある滝が多い。序盤に三段大滝16m、その先に山ノ神滝(二条滝12m)の大きな滝が現れる。510m二俣の先に水勢の強い連瀑帯があり、沢登りの醍醐味を味わうことができる。ここは、「九ツ滝」と言われているようだ。
 
どの滝にも茶色のぬめりがあるので、スリップには要注意だ。ただ、どの滝も高巻くルートがあるので行き詰まることはない。釣り人なのだろうか、要所にトラロープが設置されてある。
 
水量の多い谷は、稜線直前まで水が涸れることが無い。ただ、前日の雨のせいか水量が多く幾分水が濁っていた。510m二俣の上では、水の濁りも消えていたので右俣・相谷沢に濁りの理由があるのかも知れない。ここは、左俣の水口沢へ入った。
 
水勢が強いのでゴーロやナメの流れにも迫力がある。ゴルジュ状の滝もあるので水流沿いを登れば濡れる。上流に向かうにつれて岩に付いた苔の緑が濃くなり、渓は深山の雰囲気を見せる。
 
九ツ滝の上流部を歩くと、標高610m辺りにゴーロが明るく開けたところがある。緑の苔の間を静かに水が流れている。味わい深い景色で、ゆっくり休憩したくなるところだ。上流部には、古いわさび田跡が残されていた。
 この時季、ヒルがいるのかどうか入渓から注意して歩いたが、見ることがなかった。暖かい日だったが、まだ、時期的に早いので現れなかったものと思う。

大きな滝
 大きな滝は三つだ。380m二俣で右に桃ノ木沢を分けた後に、すぐ三段の滝、大滝16mが現れる。3m、5m、8mぐらいだ。ゴルジュになっていて暗い雰囲気である。ウェブの情報では、そう難しくなさそうだったので登ってみようと思っていた。下段、中段は水流沿いに上がれる。だが、水量も多いし上段のルートも読めなかったので、中段の途中から右岸を巻いた。高巻きには固定ロープがあり難しくない。
 二つ目の大きな滝は、右岸の崩壊部の先にある二条滝12mである。山ノ神滝と言われるこの滝はほぼ垂直で、登攀が難しいことが一目で分かる。この滝を登る人もいるようで感心する。この時は、水量が多かったので上部は二条に水流が分かれていたが、下部はスダレ状に滝全体に水が落ちていた。この滝の標高は、450m付近である。地形図に右岸崩壊部の記載があるが、そのすぐ上流である。高巻きは右からだ。難しくない。
 三つ目の大きな滝は、510m二俣を左の水口沢へ入り、ゴルジュ状の小滝を越えたその先で沢が右へ曲がったところに現れる。奔流を見せる六段25mほどの連瀑帯である。九ツ滝と呼ばれているようだ。水流沿いを登るには力量が必要だろうが、ルートを選べば楽しみながら登ることができる。ただ、苔でぬめるので気を抜くことはできない。


入渓早々期待以上の渓相で心が躍る
林道終点から右岸を歩く 堰堤の上から入渓


大岩のゴーロを歩くと10分少しで380m二俣
左俣には大釜の2m滝 ここは左から小さく巻いた この上はすぐ3m滝


三段16m滝の中段5m 左から回り込む 落ち口への登りが不安なのと上段のルートが見えないのとで途中から右岸を高巻いた
三段16mの下段3m、中段5mが見える 水流右を登れる


大滝の上で沢が開ける 倒木とゴロタ石でできた5m滝が落ちる 右岸が大きく崩壊している 今にも岩が落ちてきそうで怖い 左岸を急いで歩く
左手が大崩壊部 その前の小滝


崩壊部を左に見てゴーロを急ぐ 前方に見える白い二本の筋は二条滝
山ノ神滝(二条滝12m) 垂直に近い 昨晩の雨のせいか水量が多い ここを登る者があるようだが、かなり難しそうだ 右を巻いた 


二条滝12m上の小滝3m
二条滝12m上の渓相 落ち着いた雰囲気だ 前方左岸に二本の滝が落ちている


460m付近 右から滝が二つ落ちている
460m付近 ここからゴーロが続く


小さな滝にも大きな釜がある
水量の多いゴーロに小滝が続く


落ち着いた雰囲気の渓は苔の緑がきれいだ 岩盤の沢床
510m二俣手前のゴルジュ状二段3m

510m二俣 左俣水口沢の水量が多い(3:1) 左へ入る

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