富士山二ツ塚 富士山
2016.03.05
高橋


富士山二合目、二ツ塚下塚 二人の登山者がいた 左手に見えるのは上塚 その上はガスが懸っていた 暖かな日とはいえ、日が差さなければそこは冬だ


参考情報
「沢の風と空」二ツ塚 2015.11.28

コースタイム
須山御胎内入口9:09-水ヶ塚分岐9:34-幕岩分岐10:22-四辻10:51-二ツ塚下塚11:08-水ヶ塚分岐12:1440-須山御胎内入口13:00

ルート図


 昨年の秋、富士山二ツ塚へ登った。雪が降ってからスノーシューで歩こうかなどと、少し考えたりしながら。でも、スノーシューも買わなかったし、冬用タイヤも準備しなかった。気持ちが高まらなかったのは、雪が降らなかったせいなのか、自分のせいなのか。

 三月初めだが、暖かい日だ。御胎内入口に車を停めて歩き始めるとすぐにミズナラの林が迎えてくれる。大木が多い。
 
富士山は、偉大だと思う。懐が深く人の手が入りにくかったのだろう。その麓に人の手の及ばない広大な自然林が残された。先日歩いた安倍奥の青笹山でもそうだったが、この辺りは、暖かいせいか多くの山岳地に人の手が入っている。だが、富士山は自然のままの姿を今でも残している。夏季に3040万人が訪れるというのは、富士山のごく一部である。人は、五合目までバスで直行して、頂上を踏んで帰ってゆく。頂上は土足で踏まれ痛めつけられているが、そのお陰もあって、その山麓は自然のまま残された。これが富士山の本当の財産である。大切なものは、訪れる者はなくしっかりと守られている。それは、富士山があまりに広大なためである。富士山は、その裾野の大きさのために自らを守ることができた。そう思うことができる。

 
須山御胎内入口から登りはじめてすぐミズナラの林が現れ、やがてウラジロモミの林に変わる。緩やかな裾野の斜面に自然の力によって育まれてきた原生林が広がっている。ヤブはない。枯れた笹が立っているが、歩けばポキポキと折れる。笹の葉はない。シカに食べられてしまったのだろう。お陰で遠くまで見渡すことができる。これが林の美しさにもなっている。歩こうと思えばどこでも歩ける。今年は、雪が少ない。雪の残るところはわずかである。
 
勢いよく駆けてきたバイソンのようなシカがこちらを伺っている。キツツキが打つ木の音が心地よく響く。バイソンは悠々と去っていった。
 
ミズナラもウラジロモミも伐採されることもなく大きくなる。古木というべきなのか巨木というべきなのか、おそろしく太い大木が幾つも現れる。ブナは少ない。ウラジロモミの林が過ぎると再びミズナラが広がる。ダケカンバが見られるようになる。これも大木が多い。曲がった枝を青い空に突き上げる芸術家だ。
 
高度を上げ1600mになると、ミズナラの林にカラマツが現れ始める。これも見たことのないような巨木が多い。太い腕を幾つも出した躍動的なカラマツだ。まっすぐ伸びるだけでは収まらない勢いがある。ただ、「四辻」の手前、1750m付近になると、矮小なカラマツとなり、森林限界を迎える。この辺りの森林限界は低い。宝永山の噴火のためだという。
 
森林限界を迎える辺りから、雲行きが怪しくなってきた。二ツ塚の下側から勢い良くガスが吹き上げてくる。見えるはずの富士山もガスに覆われている。風は強くない方だろう。時々強く吹くが、すぐ穏やかになる。雪がない。雪が少ない年とはいえ、二ツ塚の辺りは雪に覆われているだろう、何となくそんな期待をして上がってきた。スノーシューもかんじきも持って来ていないので、あればあったで困るのだが。
 
二ツ塚の下塚の頂上に到着。溶岩の小砂利でできた、こんもりとした小山である。石柱に「二ツ塚下塚 1804m」とある。今日は、富士の頂上も、駿河湾も見えない。伊豆の半島も見えない。山中湖もガスに包まれている。親子と思われる登山者がいた。子供は中学一年生ぐらいだ。本格的な冬山装備だった。御殿場口から上がって、これから下山するという。


須山御胎内入口 車が4~5台停められる

















ウラジロモミの林 すぐまたミズナラの林に変わる
歩いてすぐミズナラの大木に迎えられる


須山御胎内 信仰の対象になっていたようだ 地面に人の入れる穴が続いているようだが、今は崩れているとのこと
御胎内の周辺も自然林が広がっている


今はヤブがない シカによって下草が食べ尽されてしまったのか 笹も葉がない状態で立ち枯れている
大きなダケカンバが空に伸びている


カラマツの実
カラマツの巨木が空を掴むように腕を伸ばす


幕岩分岐 5分ほど右手に下がると富士山噴火の溶岩の壁が見られる
林にはヤブがなくどこでも歩くことができる ただし、地形が単純なので注意していないと方向感を失う

涸れ沢を東へ渡るとカラマツが低くなる 森林限界近く1750m付近 カラマツも背丈より低くなる 二ツ塚上塚が見えてくる


四辻 右手は二ツ塚、御殿場口へ 左手は宝永山、富士宮口へ
富士山の上部はガスが懸っている 荒涼とした斜面が広がる


四辻で右へ折れ二ツ塚下塚をめざす
二ツ塚下塚頂上 親子の登山者がいた 向こうは上塚

二ツ塚下塚を後にする 御殿場口への峠を望む



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