愛鷹山散策 愛鷹連峰
2016.01.11
高橋


帰り道 赤い実の下がる大木があった











参考情報
 なし

コースタイム
森林公園10:33-池ノ平11:1722-つるべ落としの滝12:4113:01-千畳岩13:37-林道13:51-森林公園14:40

ルート図





 「そこを登るのは危ないですよ。左に巻き道がありますよ。」
 突然背後から人の声がした。振り向くと、若い人が自分に向かって声を上げているのだった。人がいるとは思わなかったので、驚いた。
 「ありがとうございます」
 一瞬返事に困って、とっさに口から出た。若い人は、「あ、どうも」などと言いながら、事態を了解したようだった。
 「つるべ落としの滝」の前衛に5m滝がある。水は流れていない。乾いた岩を急に登りたくなって、取り付いたのだった。涸れ滝とはいえ、雨が降れば水を落とすのだろう。岩はきれいに磨かれている。いかにも、登りたくなる滝だった。難しくはないが、落ち口の辺りで、手袋をしたまま登ったのを後悔した。
 「つるべ落としの滝」は、桃沢川の盟主である。15mはあるだろう。いつもなら、わずかに水を落としているのだが、今日は小さなつららが見えただけだった。この冬は、いつになく暖かく、毎日晴天が続いている。冬の太平洋気候の特徴とはいえ、珍しいことだ。「正月過ぎても、スキー場に雪がない」との報道を聞いた。今年の富士山は、谷筋こそ白いが、青い肌を見せている。寒々しい限りだ。富士山には雪が良く似合うのだが。

 「つるべ落としの滝」を見た後は、大岩の連なる白い涸れ沢を下った。何年か前の冬、この涸れ沢を遡行したことがある。涸れ沢とはいえ、なかなかきれいな渓だ。抱えきれないほどの大きな岩が連なり、白い渓を伸ばしている。急傾斜の沢を転ばぬように、岩の間を縫って降りた。水が流れていればさぞ美しいだろう。左岸に白い尻を見せて小鹿が逃げていった。
 「千畳岩」という大スラブでは、幾つかの岩の窪みに水が溜まっている。看板には渇水しても一年中水が溜まっているとの説明があった。獣が水を呑みに来るというが、それに十分な水量だった。この先は、ゴルジュだ。

 「池ノ平」から少し歩くと分岐になる。右手は大尾根に上がり1457mの位牌岳へ、左手は、山腹のトラバース道を経て「つるべ落としの滝」へ向かう。
 この道は、今まで歩いたことが無かったので楽しみだった。あいにく薄日の差す程度の天気だったが、初めての歩行は新鮮だ。暮れに集中的に歩いた御坂山塊、天子山塊の山とはまた違った雰囲気である。何が違うかといえば、林相である。暮れの山は、枯れた明るい雑木の山だったが、ここは、照葉樹がある。真冬というのに葉を落とさない樹木があるので、夏の山を登っている雰囲気がある。日陰ができるのでやや暗い。暮れの山と比べて標高も低く海に近いからだろう。海沿いの「沼津アルプス」を歩けば、さらにその趣が強調される。人によっては、南の島を歩いていると感じるかもしれない。
 トラバース道は、イノシシの掘り起こしで荒れているところが多い。夜になれば、餌をあさる獣たちがひしめくのだろう。

 長泉町森林公園から池ノ平へ上がり、トラバース道を経て「つるべ落としの滝」へ向かう。その後は、桃沢川を下っても、並走する登山道を下っても良い。そう思って、愛鷹(あしたか)連峰の東斜面を散歩した。天気が良ければ、もう少し楽しめたのかもしれないが、薄日が差す日だったので、まずまずのコンディションだった。尾根歩きでは、つい頂上を踏む計画を立ててしまう。どこでも歩けば、いつものように心が明るくなる。それだけで十分だった。


芝の生える登山道を上がる 振り返れば駿河の海
手入れがされた明るいヒノキ林 気持ちが良い めずらしい光景だ


愛鷹連峰 左のピークが最南の愛鷹山 池ノ平から
池ノ平から見た駿河湾 湾が伊豆半島に深く食い込んでいる

トラバース道に入るとブナが現れる 常緑樹の赤樫の大木も多い

明るいトラバース道 左から日が差す


















直径1mに近い巨木 何の樹か分からなかったが思わず撮影 渦状模様のある樹皮が剥れる


桃沢川が見えてきた 涸れ沢だ
沢へ降りて少し遡行する 岩の感触が良い


5m滝 倒木の左から登った 倒木を右に越えて落ち口へ
つるべ落としの滝 水が無い このところ雨がふっていない


左岸の段丘に小鹿が逃げる
白い岩の涸れ沢を下る 水が無くても楽しい


千畳岩を横から
千畳岩 岩の窪みに水が残る



Home