十二ヶ岳 御坂山塊
2015.12.12
高橋


ミズナラの落ち葉 ギザギザの縁が特徴











参考情報
 なし

コースタイム
文化洞トンネル8:40-長浜分岐9:48-毛無山10:1823-十二ヶ岳12:0713-金山12:5213:16-鬼ヶ岳13:39-根場民宿15:10

ルート図




 師走なのに、このところ、暖かい天気が続いている。その上、週末の天気が良いため、毎週のように山へ出かけている。おかげで、最近は、すっかり冬枯れの山に魅せられてしまった。暖かい地方なので、家から一時間も車で走れば、良い山があるので登る山には苦労しない。とはいっても、じきに木枯らしが吹き、稜線を白いものが被うのだろう。
 富士山の北側に富士五湖がある、東から数えて三つ目の湖が西湖(さいこ)だ。この西湖の北側に1700m級の連山がある。東から、毛無山、十二ヶ岳、鬼ヶ岳である。これらは、御坂山塊の西端の一角だ。今回は、この三山を縦走した。この縦走は、西湖を挟んで富士山と対面しながら歩くことになるので、「富士山を間近に見たい」と思っている人には、魅力的なコースだと思う。交通の便も悪くない。

 
2009年に一度歩いたことがある。その時は、西湖の東端、文化洞トンネルの手前に車を止めた。だが、ここは私有地だというので、近くの霊場の駐車場を借りた。私有地の広場からトンネル上の尾根に上がれば、登山開始である。
 毛無山までの尾根は、日が差していれば、背中から陽を受け暖かいのだろうが、きょうは予報に反して厚い雲におおわれている。そのうち、雲も千切れ蒼空が覗くのだろうと期待をして足を運んだ。
 最初アカマツが現れ、標高が上がれば明るいクヌギ林となる。1300mで長浜からの登りと合流して高度を上げればミズナラが現れる。カヤトが現れて眼下に西湖が見えるようになると頂上は近い。十二月も中旬、山へ登ろうという人は少ないのだろう。誰もいない頂上だった。富士山が対面するはずだが、今日は厚い雲に覆われて裾野が見えるだけである。先ほどから小雪がちらついていたが、今は止んでいる。


樹木の間から河口湖が見える
アカマツの林を過ぎると明るいクヌギ林が現れる

眼下に西湖が見えるようになる カヤトが見えるようになると頂上は近い

毛無山の頂上 今日は誰もいない 東、南の展望に恵まれる 富士山は雲に隠れていた

 三山の縦走はアップダウンが多く、思った以上に大変である。とくに、毛無山から十二ヶ岳へ向かう尾根は、十二ヶ岳という山名の通り、十二のピークが連なる山なので、つどアップダウンがある。低山の縦走というと、緩やかな尾根をゆったり歩くと想像をすると思うが、ここだけはそうではない。ようやく小ピークに達したかと思うとすぐまた下り、そして体力を消耗する登りが待っている、というような具合だった。特に、最後の十二ヶ岳手前のアップダウンは強烈だ。もっとも、十二ヶ岳登山は、これを目当てに来る人もあるのだろうと思う。十一ヶ岳から転がり落ちそうな尾根をロープを伝って何回か降り、キレッㇳに渡されたアルミの橋を肝を冷やしながら渡ると、50m以上の岩登りが待っている。十一ヶ岳の方から見ると、恐ろしい様相だが、取り付いてみればそう危険な個所は無い。ただ、登山の経験の浅い人がいたら注意する必要がある。急な斜面には、ロープが固定されてある。
 もう一か所、十二ヶ岳の先で10mほどの岩の下降と登りがある。どちらも急峻だが太いロープや梯子があるので助かる。

 毛無山、十二ヶ岳、鬼ヶ岳の縦走は、小ピークでは岩が現れて見晴らしが効く。三山の頂上もそれぞれに富士五湖と富士山の見事な展望を見せてくれる。稜線は、すっかり葉を落とした明るい雑木の林である。自分の分かる樹の名で言えば、ツツジ、ミズナラ、ブナなどが多い。ときに名を知らない太い針葉樹が現れる。いずれ人の手の入らない原生林である。ツツジが多いので春山も素晴らしいと思う。
 十二ヶ岳には祠があり、さい銭箱が置いてある。南側の展望が素晴らしい。西湖を挟んで大きな富士山が見える。毛無山を発ってから少しずつ富士山の雲が取れ、十二ヶ岳到着の時には、真正面に端正な富士の姿を見ることができた。富士山の美しさは、単独峰であること、そのことによる裾野の幾何学的曲線の美しさであると思う。

縦走路 ようやく日が差してきた ブナ科の落ち葉 様々な形の葉が落ちている


三ヶ岳 十二ヶ岳までピークに標識がある
ブナやミズナラそしてツツジが多い

十二ヶ岳 特徴のある山容で遠くからでも分かる 手前の枝はツツジ


葉が落ちているので、日が差せば明るい尾根だ
木の間から富士山が見える

十一ヶ岳をロープで下るとキレットになる アルミの橋が渡されている その先は険しい岩を登ることに およそ50mのクライミングになる 急な斜面の岩には固定ロープや鎖がある 冷たい岩に手をやるとかじかんでくる


50mのクライミングの途中で十一ヶ岳を望む 遠方に三ツ峠山、その左手には黒岳が見える 右の湖面は河口湖

十二ヶ岳付近から見た逆光の富士山





















 2009年に来た時には、余裕がなく節刀ヶ岳(せっとうがたけ)へ寄ることができなかった。今回は、できれば節刀ヶ岳へ寄り八ヶ岳の雄姿を見てみたいものだと思ったが、節刀ヶ岳の分岐、金山へ着いた頃には、前回よりも一時間近くも遅くなっていた。あれから6年も経て、さらに体力が衰えたせいだろうか、それとも写真に夢中になり過ぎて時間を喰われてしまったせいだろうか。節刀ヶ岳は今回もあきらめた。
 ゆるやかなピークを形成する金山からは、東側の展望がある。周辺の山々を見下ろしながら、温かな日の差す草地に腰を下ろして昼ご飯にした。
 鬼ヶ岳に向かえば、30分かからずに最高峰1738mに達する。岩が突き出た展望の良い頂上である。歩いて来た方角を振り返れば、先週末歩いた杓子山の山塊が見える。その後ろに半身が見えるのは御正体山だろう。そのさらに左手にアンテナの反射する高峰は三ツ峠山に違いない。



登山道としてはめずらしく急な岩 ロープと梯子があるので安心
十二ヶ岳の先のコルから これから登る岩


これから向かう 右手の金山と左手の鬼ヶ岳 鞍部の先にはかすかに南アルプスが見える おそらく農鳥岳、間ノ岳
南よりの縦走路には良く日が当たる

富士山 雲がかかってきた 午后になると雲がかかりやすい


鬼ヶ岳の頂上から 河口湖町、富士吉田市の街を望む 左手の手前ピークは十二ヶ岳 遠方に先週登った杓子山、その背後に御正体山が見える さらに左手を望めば、三ツ峠山や御坂山塊の山々が見えるはずだ

 鬼ヶ岳から南に伸びる尾根の突き出しを越え、南西に向かう急斜面を降りれば一時間半ほどで根場(ねんば)の集落に出る。こんな小さな観光地にも、中国人と思しき人々が押し寄せていた。乗り込んだバスの中国語のアナウンスを聞いていると、いつの間にか中国の山間部に迷い込んでしまった錯覚に落ち入る。
 鬼ヶ岳からの下山ルートは、地理院の地形図には記載はないが、昭文社の地図に載っている。

 今度の縦走では、十二ヶ岳を過ぎてから五組の登山者と会った。今の季節、思いのほか人気の山のようだ。話を聞いた範囲では、十二ヶ岳と鬼ヶ岳を歩く人が多いようである。


鬼ヶ岳を下ると西湖が眼下に 急な下りだ
急な下りをこなすとブナの混じる雑木林 根場の集落を目指す



Home