石棚沢 丹沢山塊中川川東沢
2015.11.16
高橋
(ラバーソール)

詰めのガレに咲いていた一輪の野菊 よく根こそぎ流されずに耐えてきたと思う 植物はどんなところでも根を張ろうとする 何か単純に偉いと思う 何故かな 












遡行図




野菊の生えていたのはこんな急峻なガレ場だ


参考情報
「AYコーナー山ブログNO2」 石棚沢 20131116
ikuko~沢風に誘われて~」 丹沢 東沢ヤビキ沢~石棚沢下降 2012年9月16


コースタイム
自然教室8:50-石棚沢出合9:14780m二俣9:5610:09920m二俣11:171050m二俣12:11-登山道13:5114:12-自然教室16:11


ルート図






 週末は雨だったので。めずらしく月曜日に出掛けた。晴れという予報だったからである。ただ、西丹沢自然教室についたころは良い天気だったが、山を歩くにつれて曇ってきた。
 石棚沢は、ちょうど二年前にも歩いたが途中930mの二俣から尾根に上がり、あと三分の一ほどは歩いていなかった。今回は、全行程を歩いてみることにした。石棚沢は、名前の通り涸れ滝の多い沢のようなので、深秋の時季にふさわしい、そう思ったからである。
 石棚沢は、前回歩かなかった上流部に急峻な箇所がある。1050mから1250mの間だ。等高線の密度からすれば、相当のものだから、高巻きだってただでは済まされないだろう。ウェブで調べてみると、涸れ棚がいくつか続き、大きいのは20mもあるようだ。写真で見る限り、全く登れないわけでもなさそうなので、いつになく三道具を揃えて登ることにした。秋のまだ暖かい日差しの中でクライミングをと思った訳である。
 ところが、間違えてひとつ南の沢を詰めてしまい、涸れ棚の連続にはお目にかかれずに終わってしまった。そのルートには、8mの涸棚があっただけで、ひたすら急な涸れ沢を登るようなルートだった。
 このルートを間違えた理由が情けない。1050m二俣から左俣本流へしっかり入ったのは良いが、この本流の谷がいかにも浅く、彫が深い隣の沢の方が本流に見えたからである。せっかく一度本流へ入っているにもかかわらず、この本流がすぐ先で終わっているように見えたので、枝尾根を越えて隣の沢へ移動したのだった。この本流をたいした根拠もなく単なる枝沢と判断してしまったのがいけない。
 このルート誤認の背景には、この辺りで、地形図と計測高度が合わず、現在地の確認に少し不安を持ったことがある。この一瞬の隙をついて道迷いの悪魔が潜んできたのだった。登山には、都度現況を記録するためにレコーダーを使っている。その場で、このレコーダーを再生して地形図と照らし合わせてみれば、現在地は正確に分かったはずなのにそれを怠って根拠のない直観に頼ってしまったのだ。
 遡行が終わって家で遡行記録と地形図を見比べてみると、どのようにルートを間違えたのかを分析することは容易である。ただ、現地で小さな不安が一挙に膨らんで、正常な判断を狂わしてしまった心理を分析することは難しい。なぜあのとき、ああいう狂った判断をしてしまったのだろうか。
 いずれ、この間違いに気付いたのは、1300m付近、遡行を終了して支尾根に上がった後だったのである。そのため、用意していった道具も使われずに、ただ重い思いをして行程を運んだだけだった。
 こう書いてしまうと、ただつまらない沢を歩いて来たということになってしまうが、この急峻な沢を5時間かけて歩けたという結果には、自分としては十分満足だった。ここしばらく、日帰りの沢もまともに歩かずに来たが、先週の檜洞丸の登山と合わせて、十分に体力の付いた自分の身体を実感できたのだった。

 石棚沢は、距離の長いゴーロの沢である。アプローチで歩く東沢から石棚沢720m二俣まで長いゴーロが続く。さらに950m付近から沢が急勾配になるまで長いゴーロが続く。滝登りが楽しめるのは、800mから950m付近までなので、920mの左岸支流を上がって1100mのコルへ詰め上がるのも一つの選択肢だといえる。
 二年前に来た時には、ほとんど水が無かったが、今回は前二日に降った雨のためだと思うが、770m二俣の先から水が現れた。ただ、晩秋に歩く沢としては、水は無い方が歩きやすい。とくに850m付近から始まるゴルジュに水があるとやっかいだ。この水は、950m付近に現れる6m、5m滝の上で再び涸れる。
 1100m付近から始まる本流の涸れ滝を楽しみたいのであれば、正確にルートを読んで本流に入ったうえで、トライしたいものである。もし、20m涸れ滝だけを対象とするなら登山道を1401mピークまで上がって、いったん下降して涸れ滝をトライするのも良いかもしれない。だが、そのためには、相当長い尾根歩きが強いられるので、あまりお勧めできない。遠くから来てわざわざ登る沢ではないと思う。まあ、いずれにしてもこんな地味な沢を歩く者はそう多くないと思うので、心配はいらはいと思うが。


石棚沢の出合いに朝日が差して
東沢の両岸は紅葉が盛り


780m二俣を右へ入ると水音が聞こえる 最初の滝3m
石棚沢の長いゴーロ

3m滝 ここで沢は右へ曲がる


























大岩にCS3m滝 水流左のスラブを上がる 要所にホールドがある
右へ曲がったところで大岩


CS上には4m滝 今日は水が流れている 左の岩を上がる
5m滝 水流沿いを登る ラバーソールがいい


両岸に両手が届くようなゴルジュ 水に濡れないで登ろうとするとそれなりに苦労する
沢が右へ曲がると典型的なゴルジュ


横向きのスラブ滝5m(右) 左岸のバンドを利用して落ち口へ上がる 緊張するところも
5m滝の上は、S字のナメ滝


沢が左へ曲がると3mトイ状滝 上に5m滝が見える
ゴルジュ出口の5m滝

950m付近の6m滝 なかなか味わい深い滝だ

二段5m滝 晩秋の景色に溶け込んでいる























長いゴーロが始まる 7m滝 1000m付近 左の窪を登ったが、右の方が良いか?


1050m二俣 涸れ棚のある本流は左
本流最初の涸れ滝 この後、枝尾根を越えて右隣の沢へ移動する


8m滝 1150m付近 岩が脆いので慎重に登った ガスが懸ってきた
8m滝の上でガスが晴れた 急なゴーロが続く

1280m付近で右岸の枝尾根に上がり詰める 地形図との照合で本流を詰めたのではないことが分かった 南方向にあるはずの登山道を目指して支尾根を登る 穏やかな支尾根は美しいブナ林だった

木の階段がある登山道 1401mピーク付近



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