ウェクラ短信 107
笹美木沢 足尾山塊庚申川
2015/08/22
大橋、山﨑

6:45 木漏れ日が射す林道を行く。この林道は「かじか荘」から「一の鳥居」まで続いている。その後、庚申山から皇海山まで登山道が続いている。
















参考情報
「沢の風と空」2009年6月13、14日


コースタイム
かじか荘上ゲ-ト6:30-笹美木橋7:1020-二段25m滝8:0515m滝8:509:05-左岸に二段45m滝出合う10:42-左岸湧き水12:3513:321550m登山道13:41-かじか荘上ゲ-ト15:52


ルート図






 夏の甲子園が終わった。まだまだ暑い日が続くと言うのに、気持ちまでが停滞してしまった。それだけ高校生の燃え上がる闘志に、日本列島が揺さぶられたということなのかもしれない。足尾銅山の開発により周辺環境に著しい影響をもたらした。人々の努力により山の緑も濃くなり、ダ-クグレ-のイメ-ジから、少し赤みが増してきたような印象をもつ。足尾山塊の庚申山を源流とする、庚申川の支流笹ミキ沢を遡行した。
 かじか荘先の車止めに駐車して笹美木橋を目指す。約40分で入渓地点に着いた。皇海山から奥日光への縦走で何回か通過したが、橋下を見下ろす程度で計画の候補すらなかった。縁のない沢から突然実施の計画が持ち上がり、大橋さんと足を踏み入れた。目的は9月に予定している、沢泊りのための身体の準備と言うことである。

 笹美木橋手前の踏み跡から入渓した。暫く倒木を超えながら進む。薄暗く窮屈と思っていた印象が一転した。渡良瀬渓谷の渓谷たる所以が四方から読み取れる。栃木の沢とは思えぬ両岸の極め付き。渓は果てしなく深い。2m滝を左のレッジ(小棚)から超える。小棚を強引に超えることもできるが、腕力も脚力も乏しい初級者は、小さなスタンスを探り当て華麗に超えた。6m滝を超えると25m滝の前衛が見える。滝下には虹がかかり、飛沫で滲む汗も吹っ飛ぶ。参考情報からは3040m上がりトラバ-スで滝上に出るとある。踏み跡も結構あるので、すぐに滝寄りに進むのは注意したい。しっかり高度計などを確認して進みたい。
 4m滝を超え、3m滝ののっぺりとした岩を慎重に超える。次の15m滝。資料では「右岸の第二ルンゼ滝寄りのリッジを登り、途中から右へトラバースした。」とある。最初の試みでルンゼ左のリッジを登ったが、6m位の位置で手がかりがなく仕切り直しをした。そのあと大橋さんが滝寄りのルンゼを選択して登り、際どいトラバ-スから第一ルンゼを下降して滝上に出た。右岸第二ルンゼの滝寄り?のリッジの登攀は課題が残った。
 岩を滑るように落ちる6m滝。まるで絵画を見ているような錯覚さえ覚える。そして青く深みのあるよどみのない釜。心もしっとりとしてしまう。左岸から覗くと一見登れそうに思う窪。身体を岩溝の傾斜と形に合わせて通過を試みる。逆層でもあり困難だ。作戦会議の末、ザックをおいて大橋さんが軽荷で突破した。うまい具合に支点の取れる生木が、岩溝に奥深く根を張り住民となっている。
 庚申川を思わせるゴ-ロが長く続く。ゴロタの滝を何度も超える。突破は一見簡単そうに思うが、なかなかスム-スには超えさせてくれない。ルートを誤ると突破の糸口を左右に変えなければならず力を浪費する。正面に支流の二段25m滝が見える。天空を破り細長いトイを落ちる流しそうめんを思わせるような光景。沢はここで左へ90度向きを変える。7m滝、左からからフリクションを利かせて登る。次に出てくる8m滝は落ち口で水を被る。少し戻り右岸を小さく巻いた。その落ち口まで8mトイ状滝がアクセントと着けている。
 山の造形美は共同作業のように、美しくまとまりのある風景を創りだす。終幕はナメ滝と小滝の連続だ。自然と足取りも軽くなる。ワル場を超えた達成感に安堵に満ちた表情をみせる山人。テンバ跡だろうと思われる1360m地点を右岸に認める。水が涸れた笹ミキ沢右岸の踏み跡をたどる。途中で何度も地形図を確認して現在地を把握。このまま進めば左岸の斜面から吹き出る湧水を確認。そして4m、6m、5mのスラブ滝を前方に認めれば、そこは標高1515m付近に間違いないだろう。そこからコンパスを西に合わせれば登山道に飛び出る図式になる。遡行者もこの作業をしているときは、不安と期待が入りまじり、高揚している様子が自分で手に取るようにわかる。そして、まして10分で登山道に突き上げるとは。出来過ぎの遡行であった。これも、正確な記録を残してくれたsawakazeさんの一分も狂わない遡行記録があったお蔭である。
                                     山﨑




7:44 岩が濡れてるからだろうか、美しい景色が次から次へと続く。
7:32 笹美木沢は、二人が想像してた以上に美しい渓となって映った。


8:06 下段が15m、上段が10mの「2段25m滝」。右寄りから見上げれば、上段の滝を見ることができた。
8:30 ゴルジュの入口に立つ。右に曲がっていて奥が見えず緊張した。


9:26 大きな釜をもった滝に見とれる。左岸の窪を空荷で登り、トラバースして落ち口に下りた。
8:48 豪快な15m滝が出てきた。右岸を巻くが、踏み跡が何箇所にもあり選択によっては難しいところもあった。


10:58 水しぶきで足元が見えにくいが、ホールドがしっかりしていたので楽しく登ることができた。
11:01 ここは少し戻り、右岸から高巻いた。

11:12 美しいナメが続く。ところどころ淵になっていて右、左とかわし、更に上流へと進む。


12:33 沢水が切れる辺りにあった「ヌメリスギタケ」。拝見するのは、日光の柳沢以来だろうか。
13:32 途中1ヶ所だけ水が流れているのを見ることができたが、完全に枯れ沢となった。


13:40 登山道に出た。この道を辿って「かじか荘」まで2時間たらずで着く。
13:32 標高1515辺りだろうか、スラブ4m滝の手前から稜線を目指した。この辺りのアドバイスは、sawakazeさんから情報を得ていて良かった。



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