ウェクラ短信 105
湯川 安達太良山
2015/07/11
加藤、大橋、山﨑

9:38  ゴーロ帯にあったオンダテの仲間だろうか、痛まぬように注意を払い更に上流を目指す。
















コースタイム
二本松塩沢スキ-場登山口P7:36-三階ノ滝9:3810:20-屏風岩10:50-霧降の滝11:3545(下降)
八幡滝下12:1013:00(登山道)二本松塩沢スキ-場登山口P14:00



ルート図




遡行図







 沢風さんと遡行してから、かれこれ10年は過ぎただろうか。「川」と名称がつく「沢」だったので強く印象に残っている。他にも「杉田川」「石筵川」「烏川」等々いくつかある。思わず辞書を手に取ったが、閉じてしまった。この時期毎年湯川で講習会などが行われているようだ。ウェブサイトで調べてみると、今年はすでに「大滝沢」で先週行われていた。何パ-ティか入渓していると思われたが、運よく我々だけの遡行であった。
 沢沿いに登山道を進むと道標のある分岐点がある。右に1分下り入渓した。木々もすっかり夏の濃い緑に変わり、風にそよぐ様も堂々としていて、山の一員としての役目を果たしている。なんの変哲もない歩きがしばらく続く。右からシダレ状の滝が覆いかぶさる。地形を特定する手がかりがやっと出現した。そして待望の滝5m。しっかりとホ-ルドがあり超えられる。二段5mをそれぞれ好きな方から突破すると、しばらく廊下が続く。蝉が鳴くではなく、鳥がさえずるでもなく、変化がないということは少し寂しい。人生も適当にアップダウンがあった方が良いのかな~。あまり厳しくても困るが。
 こんなことを考えていた刹那、我々初級者には、手ごわ過ぎるほどの三階滝が前をふさぐ。滝に向き合うと表情が一変する。呼吸が浅くなるのが分かる。下段7mを大橋さんにリ-ドをお願いした。中段9m、上段8mは右岸の巻き道から登り滝上に出た。吹き出る汗も、沢沿いを縫うように走る風に癒される。木陰に荷物をおろし、視線を滝の落ち口にあてる。悠々の流れから激流へ落ち込む水面に、時の過ぎるのを忘れる。
 3m、4m滝を左からヘツリで超えるとしばらくナメが続く。沢が左へ大きくカーブすると、屏風岩に圧倒される。計算されて積み上げたように黒々とした岩盤が、ややかぶり気味にのしかかる。ここからは飽きることのない、この沢のハイライトと言えよう。二段10mが良い、流れの変化が面白い。右から超えると1085mの二俣に出合う。右岸に登山道が平行して走る。右俣には15m八幡滝が夏の日差しを浴びて、はじけるように水しぶきを高く跳ねあげている。少し行くと右から枝沢が入る。左俣はナメ30m中の滝がしぶきを上げる。小学一年生の下校時の姿のように、生き生きとしたおしゃべりが絶えない。フリクションを利かせて登る。そして幅広のトイ状の長い流れが、沢にアクセントをつける。
 ここから霧降滝までは数分で着くはずであったが、右岸から地すべりを起こしたように、立木が沢をふさいでいた。ジャングルジムを通過するような格好で抜け出し、やっとの思いでこの難所をこなした。目前には20mを超えると思う霧降滝が我々を優しく迎えてくれていた。
 帰路は八幡滝まで下降して、登山道に上がり60分足らずで登山口に着いた。

                             山﨑




8:44 遡行始めてから40分ほどで、滝の中心部に倒木を抱いた5m滝が現れた
7:40 歩き出しに塩沢スキー場から安達太良山方面に目をやると、澄んだ夏空が広がっていた。  


8:37 大きな釜を持った4m滝をへつる。腰まで水に浸かるとダメージが大きい。水面下の足がかりを何度も探っては、少しづつ前進する。
8:37 5m滝の右岸を登る。下段はフォールドがあるが上段が難しい。緊張がはしる。  

 
10:10 三階滝の最上段の滝。釜がコバルトブルーに輝いて見えた。






















11:04 8m(屏風滝)を横から見る。目や鼻があり流れ落ちる水がたてがみに見えたら、馬の顔に見えるのは自分だけであろうか。
11:01 屏風岩を過ぎると、2m滝の奥に無名の美しい8m滝があった。我々は屏風滝と命名した。  





今年は梅雨らしい天候が続き、計画日が雨天となって実施できない日々が続いていた。しかし今回は晴れとの予想に、6月中旬に行った白水沢以来25日振りに実施することができた。
 塩沢スキー場には8台ほどの車があった。遥か安達太良山方面を仰ぎ見ると夏の青空が眩しいように輝いていた。沢ヤさんにとっては待ち望んでいた天候となり、この湯川にも遡行するグループがいるのだろう、と予想していたが不思議なことに遡行したのは我々だけであった。沢支度をしてるときにも登山者が歩き始めたり、入渓点まで行くのに登山者が追い越していったりで、この日の天候を待っていたのは我々だけでなかったことが嬉しかった。
 スキー場から20分ほどで湯川に降り立つことができた。水に浸かると、火照った身体から嘘のように汗が消えていくのが分かった。この状態は登山道を下山するまで続いた。やはり夏は沢がいい、と思うのは残念だが沢ヤさんだけしか分からないことなのだろうか。
 しばらくはゴーロ帯が続き、左岸からの綺麗な小滝を過ぎると、前方に湯川の1Fとなるのだろうか、滝の真ん中に大木を引っ掛けたままの5m滝が出てきた。ここは右岸から登ることができるが、落ち口までが広いのでどこでも登れそうな気がする。しかし右壁沿いが最も安全に登れるだろう。ここからは小滝が続き、思い思いのルート選びで右、左と大石を越えたり、へつったりバランスを崩したりしながら年相応の遡行を楽しむことができた。
 木の間越しに三階滝が見えてきた。二段までは見ることができるが上段の滝は見ることができない。大きな釜を持った1段滝は、しっかりしたホールドを選んで右岸から登ることができた。しかし二段滝、三段滝はリーダーの正しい判断で、右岸沿いにある立派な巻道を利用した。誰が設置したか分からないが、木のはしごが掛かってあった。
 ここからも小滝が続き、遡行者を飽きさせることがなかった。見上げ続けると首が痛くなってしまうような屏風岩が現れ、カメラに収めたり見上げたりしていると、右カーブとなり2m、8m滝が表れる。無名の滝にするには惜しいくらい立派な滝である。屏風岩の近くにあるのだから、せめて屏風滝ぐらいは付けて欲しいね。と誰からともなく話しがでた。すぐに二俣となり、右俣から八幡滝が流れ落ちていた。観瀑するには丁度良い休憩場となっていて、登山者が休んでいた。
 八幡滝上は、ナメ滝がどこまでも続いていて爽快な沢歩きを楽しむことができた。しかし中の滝を過ぎると、土砂崩れが発生したのだろうか倒木が生い茂り、行く手を阻んだ。倒木や小藪をかき分け前進すると、前方に霧降の滝が見えてきた。20mの高さから落ちる水流は見事であった。水流が岩に当たり、霧となって暑い身体を冷ましてくれた。
 ここから八幡滝まで戻り、登山道を利用して塩沢スキー場まで下山した。八幡滝からスキー場まで1時間ほどであった。
                                                                                   O.


 
11:28 八幡滝の落ち口に立つ。ここからが美しいナメ滝の連続が待っていた。

 
霧降の滝手前が無残にも崩れていた。この辺りも美しいナメだったのだろうか。


















11:43 霧降の滝に着いた。しばしマイナスイオンを浴び、八幡滝から登山道を利用して下山した。



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