ウェクラ短信 103
ヒライデ沢 足尾山塊小中川
2015/05/30
加藤、黒川、大橋、山﨑

ヤマツツジ 落ち着いた高貴な色合いを見せる
















参考情報
「沢の風と空」2014.05.17~18 ヒライデ沢2
http://www.sawakaze.sakura.ne.jp/140517hiraidesawa2.html


コースタイム
折場橋7:25-1530m地点(右の枝沢へ)10:40~11:30-1600m鞍部11:50~55-小丸山12:15~30-塔ノ沢コース分岐12:58折場登山口13:40-折場橋手前P13:50

ルート図





早苗月緑深まる沢に入れば鳥は囀り水はせせらぐ
                      ku.





 1370mを過ぎ3m苔滝を確認した。右から入る枝沢を注意深く数えながら高度を上げた。1530mの詰め上げる枝沢を確認したが、念のため1600m位まで遡行した。右から入る枝沢は一本もなかった。
 昨年は5月18日にsawakazeさんと行動を供にした。その時期は「ヤシオツツジ」が見ごろを迎え、沢山の登山者で賑わいを見せていた。今回は二週間近く遅く入山したので、うって変ってひっそりとした折場登山口であった。折場橋手前のスペ-スに駐車して沢支度を整える。目の前に横たわる峰々。凹凸が稜線を目指して複雑な図形を描く。一段と膨らみを見せる若い木々。透き通る甘い香りのするブル-の風が山をゆさゆさと揺らす。清澄なおいしい空気を胸いっぱい吸い込み、精鋭4名は足取りも軽く、今年の初遡行へと清流に足を濡らした。
 1250m二俣まで滝が連続する。しょっぱなは何時もながら、ドキドキと高鳴る胸を押さえながら、そっと足を岩溝に差し込む。その上を清流が泡を立て跳ねかえ、落下して流れに戻る。何時もの光景が再び蘇る。1250m二俣手前の6m滝は右岸の直立する苔むした滑る岩場を、大橋さんがトップで登り後続を確保した。1250m二俣は岩溝から合流するので、うっかりすると見落とす恐れがある。沢が左右に広がりを見せ、笹原が尾根へと駆け上がる場所で一本とる。右岸尾根には鹿避け柵が見える。
 今回sawakazeさんの遡行図を参考に遡行しているが、その正確な記録に脱帽する。明るい伐採地、苔滝、赤滝、二条滝などの表記。現場で確認するにはこれ以上のものはない。街宣車のごとく鳴き叫ぶ春ゼミが山を奪う。時に「東京特許許可局」とホトトギス、「焼酎一杯グィ-」と鳴くセンダイムシクイ。完全に山は何時ものように復活した。人間も山と同様に秋には落葉して、冬季を過ごしてはどうだろうか。充電期間を持ちさらに強固にして立つ。しかし人々は鎧をまとい立ち向かう。何故かわからない。赤い岩肌の小滝、3m苔滝をそれぞれがル-トを選んで登る。実に楽しい。かわいい「山ね」も苔を食みながら流れと格闘していた。滑り落ちても、体制を立て直しさらに挑む。山歩きをしていると自然から教えられることも多く、これまた遡行以上の喜びでもある。
 1450mの枝沢が二本流入する。そろそろ小丸山の西の鞍部に詰め上げる、枝沢を見逃してはいけない。左岸から入る枝沢を数えながら歩く。1530mであろう枝沢を確認。さらに慎重に上部をうかがう。1600m位まで左岸から入る枝沢はないはずである。カラマツの倒木が道を塞ぐ。さらに少し高度を上げる。納得して先ほどの1530m枝沢に戻る。間違いないことを全員で確認。陽の指す小さなスポットで、ヘルメットをとり至福のひと時を過ごした。

7:36 今シーズン初めての1Fを登る。ホールドをしっかりさせて登るが緊張する。


7:41 難しい6m滝に取り付く。ホールドが少なくラバーソールでは苦難するだろう。
7:36 段々の6m滝 なかなかきれいだ


7:49 5m滝 右岸の岩溝をリードするOさん
7:56 5m滝を上がるYさん

8:07 三段滝。最初の1段が難しい。見ためはホールドが有りそうだが、バランス良く三点支持をとらせてはくれなかった。





















8:27 深い釜があり左岸をへつる。何もかも忘れて集中する。渡り終えたときのホットする一瞬に喜びがある。
8:23 きれいなナメ滝があった。新緑に映え癒してくれた。


ウツギ ところどころにあり、遡行者を和ませてくれた。


10:10 標高1500辺り。源流らしくなってきた。そろそろ稜線に出る枝沢を見つけながら進むが、見つけるのが難しい。
9:11 1×1の二俣が手前にあった。sawakazeさんの遡行図がなかったら、水流がはっきりしていた左俣に入ったかもしれない。苔が付いた「3m苔滝」は健在していた。

10:31 稜線に出る枝沢は通り過ぎたが、納得するまで標高を上げ確認する。細流なのに岩魚の姿を見たときには嬉しくなった。






















 左岸上を目を凝らし見上げると、うっすらと鞍部らしき様子がうかがえる。僅か20分足らずで開けた鞍部に出た。そこにはド-ム状の金属の避難小屋がある。小窓もあり快適な一夜を過ごすにはこの上ない。トイレも近くにある。総理大臣を何人も輩出した、群馬県ならではのおもてなしか。栃木県人にとっては気が重い。五月半ばの登山道は、繁華街のような人通りでうんざりするが今は違う。山もやっと平静を取り戻し、道行く人に優しい眼差しで声をかける。グリ-ン一色の垣間に橙色の山ツツジが映える。それはそれは、奥深い深紅な落ち着きを持つ高貴な色合いだ。咲く時期がいい。咲く時期を知っている。自然と人が目を向けるような、そんな状況まで見越している。ただたんに多ければよいわけでない。なにか人々に訴えかけている、そんな気さえする。
 小丸山からの展望は一口で言うと「絶景」だ。日光連山が手に取るように眼前に迫る。奥袈裟丸から六林班への稜線の険しさもこころ踊る。sawakazeさんとともに2010年遡行した庚申川も、山懐に佇む。根の剥き出しの登山道から、入山者の多さを計り知れる。塔ノ沢コ-スを左に見送り、ジェットコ-スタ-の下降のような急峻の尾根を下るのも楽しい。右奥には先ほどまで遡行した、ヒライデ沢のル-トが山肌を縫う。開けた草原の麓からさざ波のような優しい風が、日焼けした遡行者を労うように語りかけてきた。
                          山﨑



11:30 稜線鞍部を目指して枝沢に入る。   
しかしこの枝沢はすぐに切れてしまった。    
この下にある枝沢のが窪がはっきりとしていた。
 

11:43 少しの窪を手がかりに、背丈ほどもある
笹原を進む。雨が少ないのでホコリが舞立ち、む
せる

11:53 ときおりクマよけ鈴が聞こえるだけの、
人影もまばらな避難小屋に出た。

13:22 山ツツジが咲いていて、疲れた身体を癒してくれた。

13:30 目の前が急に開けて開放感の尾根道を下山する。少しで折場橋登山口に出る。






















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