達磨沢(仮称) 伊豆
2015.04.18
高橋
(ラバーソール)

入渓点にはキイチゴの花が満開だった














コースタイム
標高320m駐車場10:19-堰堤1基目11:10-470m右岸支流出合11:30-三俣12:07-中俣12m滝12:23~29-470m右岸支流出合12:55~13:20-標高320m駐車場13:52

概念図


ルート図



達磨山 山頂の左に見える窪を登った


 西伊豆の高峰、達磨山の西面を下る達磨沢(仮称)へ出掛けた。この沢はそのまま西へ下り戸田大川となって駿河湾に注ぐ。達磨沢は地形図に歩道の記載もなく、ネットを検索しても沢登りの記録もない。誰にも歩かれることのない沢なのだろうと思う。達磨山の西面の勾配は強く、水が流れているとすればよい沢登りになるだろう。地形図を見ながらそう考えた。
 ただ達磨沢本流は、達磨山の下で南へ大きく向きを変える。その勾配を見る限りだらだらとゴーロの続く沢のように見える。「そう楽しい滝場は期待できないかもしれない。」地形図を見てそう思った。だが、行かずに結論付ける訳にもいかない。地形図がすべてを語っている訳でもない。
 以前この隣の小達磨沢(仮称)を歩いたことがあった。その時の帰りに、この達磨沢に5mほどの滝が懸かっているのを見た。「この上はどうなっているのだろう。」そんな期待を持たせる沢だったことも、達磨沢に決めた理由だった。小達磨沢の下流部で以前見た小滝の連続に再びお目に掛かれるかもしれない。そんな都合の良い期待を抱いて入渓した。
 体調も万全ではないので、最初から適当なところで引き返すつもりだった。標高600m辺りまで歩けば、この沢の大概のことは分かるだろう。頂上へ上がっても、登山道と車道をつないで駐車地点に戻るには相当の距離があり、現実的でないことも分かっていた。

 達磨沢を歩き始めると、沢沿いの岩に青いペンキの矢印が付いているのに気付いた。30年は経っているような古いものだ。ピンクの新しいテープがその矢印の間を導いている。驚きだった。誰も歩かないと思われた達磨沢沿いに登山ルートがあるようなのだ。おそらく、かつて沢沿いにルートが拓かれ達磨山近くの伊豆山稜線歩道へ上がったものと思う。ルートの踏み跡は極めて薄いので、現在普通に登られているようにも見えないが、地元のマニアがピンクテープを付けて利用しているのだろう。
 達磨沢は、時々ゴロタ滝や小さなナメがあるが、予想通りのゴーロの沢だった。水量は多いが時々倒木もあり歩きにくい。ただ、沢幅は狭くないので陽の当たる場所が多い。そう暗い感じはない。倒木は2014年の大雪によるものだろう。
 西伊豆の沢を幾つか歩いて来たが、同じような特徴がある。ゴーロでは、乾いた岩にも乾いた苔が付き汚れて見える。細かい枯れ枝が多い。滝は黒い苔が付いている、などである。海に近い温暖な気候で湿度が高いなど、気象条件によるものと想像するが、その理由は良く分からない。これらに比較すると丹沢の、特に西丹沢の沢の美しさは際立っている。ゴロタ石やナメの岩床の汚れは少ないし、木端の溜まりは少ない。沢に足を踏み入れると流れの水をすぐ呑みたくなるような、そんな清らかさをいつも保っている。伊豆の沢を歩くと、丹沢の沢の美しさを改めて思い起すのだった。
 標高320mから入渓した達磨沢は、標高400m付近に二基の堰堤が続く。いずれもここは左岸を簡単に巻くことができる。この堰堤を過ぎると沢の先に水の煌めきが見えて来た。滝だ。いよいよ達磨沢にも滝場が現れたかと思い近づくと、それは右岸から入る支流だった。標高470mが出合いだ。地形図を見れば、徐々に傾斜を増し達磨山山頂へ直接駆け上がる沢のようだ。本流と比べれば明らかにその勾配が違う。
 本流を歩く予定だったが、滝の出現により支流を登る誘惑に負けた。決してきれいな滝ではなかったが、その先の展開に期待を持たせるに十分だった。本流はゴーロが続くだけだろうし、今日はこの支流を登って終わりにしてもよい。もしかしたら予想外の展開があるかもしれない。
 支流を登り始めると滝が続いた。どれも亀裂の多い岩であるためホールドが得やすく登るのに苦労しない。地形図によれば、標高550mで三俣になる。こういう急勾配の三俣は、どれも滝を抱いている場合が多い。そう思って歩くと、案の定どの沢にも滝がかかっていた。だが、想像したような大きな滝ではなかった。水量が多い二段6m滝をかける中俣を攻めることに決め、左岸から巻いた。今年初めての高巻きで緊張したが、はっきりとした鹿道ができていた。
 この上にはナメが現れ、そして突如大きな滝が現れた。水が岩の表面を舐めるように落ちている。水の触れる岩がてらてらと黒光りする威圧的な滝だ。水流右を登れそうだが、高度感があり緊張するだろう。少し戻れば左岸を巻くこともできそうだ。だが、威圧的な滝を前にして、ここを巻くという意気込みが失せた。体力も消耗していたせいだろう。地形図からすれば、ここから先はルンゼ登りにならないとも限らない。あっさり、ここで引き返すことにした。



水量は割と多い ゴーロで歩きにくい
入渓点にある5m滝 ここは先に堰堤があるので左岸を巻いた 堰堤のすぐ上で左の沢へ入る


登山道らしいペンキの矢印が石に描かれてある
緩やかな滝4m 水流左を上がる


標高400mを過ぎると堰堤が二基続く
4m滝の上にナメが この沢ではめずらしい

ゴーロが続く わりと歩きにくい


420mに出合う支流の滝 2、3、4m 最上部の4m滝 この先に期待


5m滝 水流沿いは難しいので左を登る
小さな滝2mの上に5m滝


トイ状の流れが続く
6m滝 左の乾いた岩を上がる


中俣の二段滝 3m、3m 左岸を巻いた
トイ状の流れの先に倒木


この先も期待できるが今日はここで終了
ゴーロを歩くと大きな12m滝



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