玄岳くろたけ 伊豆、函南町
2015.04.12

木の芽も開き始めた
















コースタイム
登山道入り口9:29-氷ヶ池分岐10:29-スカイライ手前展望地10:43~51-玄岳頂上11:17-氷ヶ池12:00~25-登山道入り口13:07

概念図



ルート図

*玄岳の南稜線にも登山道が記載されているが、現在は笹に覆われ通行できないようである。




 ヤブというヤブからウグイスの声が聞こえて来るのだった。歩いていて、突然足元近くで鳴かれると、その声の大きさに驚く。先日、家の近所のヤブで久々にウグイスの声を聞いたが、最近ではそれも少なくなった。春に伊豆の山へ来ると必ずあの美声を聞くことができる。そして春が来たことを実感する。
 氷ヶ池では、まさにウグイスの競演が行われ、お昼を食べながらその美声に聞き惚れた。ただ、春先のせいか当の主は、まだ「ホー、ホケキョ」の正調を会得しているものが少なく、「ケキョ、ケキョ、ケキョ」などと鳴いているものが多い。ときに、「ホ-~~、ホケキョ!」と完成された唄を聞かされると心から感動する。ウグイスの声がなぜそんなに我々の心を惹きつけるのか、不思議な気がする。
 以前にもどこかで書いたように思うが、ウグイスの鳴き声は同じ「ホー、ホケキョ」だとは限らない。伊豆の稜線のように、ウグイスの鳴き声が次々に聞こえて来る所では、場所によって微妙にアクセントやイントネーションが違うのが分かる。どうやらウグイスは、鳴き声を家族の長に教わるらしいのである。同じ場所では数羽が同じ鳴き方をするが、少し離れたところでは、また微妙に違う鳴き方をする群れがいる。
 ウグイスは、目立たない地味な姿であることを知ってはいるが、その姿をしっかりと見たことはない。たいがい、その鳴き声でそこに居ると知るだけで、姿を見ることはまずない。そのためだろうか、メジロがウグイスと間違えられることがよくある。これもウグイスがなかなかその姿を見せないことと関係するのだろう。

 玄岳(くろたけ)は、海側の熱海から登られることが多いようだが、今日は内陸側から歩いた。車で函南町丹那(かんなみちょうたんな)へ向かい登山口を車で入り、100mほど先の側道に駐車して出発した。地形図で見ればかなりの急登だが、途中まで舗装道が通っているので思っていたより歩きやすい。登り始めてすぐ、小さな牧草地の向こうに大きな富士山が見える。伊豆の山のアクセントはやはり富士山だ。遠くから来た富士山になじみのない人にとってはうれしいだろう。だが今日は、空気が暖かなためかすんで見える。
 モミジの新緑の登山道を上がるとヒノキ林となり、しばらく続く。標高550m付近でようやくヒノキが消え、丈の高い笹が出る。北に富士山の見える展望地を過ぎて水ヶ池との分岐を右に入ると、玄岳へまっすぐ登るルートになる。スカイライン手前で展望が開け始め、北には富士山と箱根の山々、西に沼津アルプスの山塊が見える。その先にはぼんやりと海が見える。
 天気は良いが風は強い。樹林のない登山道は吹きっさらしだ。さらに高度を稼ぐと左手に相模灘、熱海の街の先に細長く伸びる真鶴半島がかすんで見える。空気がきれいであればさぞ素晴らしい展望だろう。
 傾斜が緩み左右の笹丈が低くなると頂上は近い。頂上手前の草地はどこでも休むことができる。駿河湾と富士山を見ながら休憩するのが良いだろう。今日は少し早いので頂上へ向かう。頂上は360度の展望と言われていたが、今は背の高い笹に囲われ展望は必ずしも良くない。
 頂上には先客が四人居た。お昼をとっている。まだ昼前で長居は無用。熱海へ降りる登山道を下り氷ヶ池へ向かう。途中、山桜の先に相模灘が見える。スカイラインのインターチェンジがあるので、登山道の分岐も複雑だ。標識も乏しいので、氷ヶ池へのルートは地形図がほしい。やや不安を抱えながら、氷ヶ池へ向かう。山桜が咲いていた。
 二人の先客があったが、氷ヶ池は静かな場所だ。池の向こうに白い富士山の頭が見える。池の左を歩き湖畔に降りてお昼にした。湖面の先にはアセビの白い花が盛り上がるように咲いていた。ご飯を食べ落ち着いてくると、池の周りのいたるところからウグイスの鳴き声が聞こえてきた。ウグイスの競演だ。



モミジの新緑が美しい
歩き始めると左手に富士山かすんで見える

しばらくヒノキ林が続く ヒノキ林が切れると丈の高い笹


左手下に氷ヶ池が見える
後ろを振り返ると箱根の山々とスカイライン


左手に相模灘と熱海市街 その先に真鶴半島がぼんやり見える
北の方には富士山がかすみの中に


丈の低い笹原の先に頂上が近づく
右手にぼんやり駿河湾と沼津アルプスの山塊

頂上から南の海を望む



登山道を下る アセビが満開だ

















降りてきた玄岳の頂上を振り返る 氷ヶ池へ行く途中スカイライの付近 海が見える

氷ヶ池 静かな池だ ここで昼食に ウグイスの競演が始まる

富士山を見ながら来た方向へ下る

下山後、丹那盆地から玄岳を仰ぐ すっかり春になった























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