ウェルネス・クライマーズ短信 097
長須ヶ玉山 帝釈山
2015/02/28
黒川、大橋、山ア










林道を新雪を踏み進むれば時折鹿の足跡を見し

雪深く歩み進まず高まらず頂は見ず沢戻りゆく

沢沿いに樹々を縫いつつ滑り来ば羚羊の子の駆けり去る見ゆ

                         ku.






 冬型の気圧配置から遠ざかってしまったような天候がこのところ続いている。昨日は久しぶりに一時的に冬型となり今日の天候を心配したが、南会津に近づくに連れて徐々に青空が広がってきた。「燧の湯」前の村道を過ぎて、人家も少なくなる手前の広場に駐車することができた。ここから船岐川沿いの平坦な林道を、左惣沢出合まで歩かなくてはならない。この林道は「オサバグサ」で有名な帝釈山や台倉高山への登山口へと続いている。地図上では栃木県の馬坂沢から川俣湖まで車通行が出来るように記載されてるが、7、8年前に利用したときは帝釈山登山口で通行止めになっていた。
 左惣沢出合まで1時間30分はかかった。強者は1時間を切るような記録もあるが、我々ロートルには妥当なタイムだろう。ここからが本格的な山スキーモードとなる。先行者がいないのでどんなルートを選択しても良いが、少しでもアップダウンを少なく直線的に進むことが疲労軽減、時間短縮に結びつく。前方の地形を瞬時に読み取り、立木に邪魔されずに難所を抜けたときは一端の山スキーヤーになった気分である。先頭に立ったときは皆同じ気持ちなのだろう。しかし、雪面下が見えないので深雪になっていたり、いきなりの急登だったり思うようにはいかない。左惣沢には口が開いてる所もあり踏み込むこともできない。
 標高1300m辺りで12時を回っていた。山アLから14時まで行動する旨の話しがあった。後方に目をやると、南会津の山並みが真っ白く輝いてるのを見ることができた。既に時間も14時近くになっていた。深雪と重雪のラッセルに思いのほか時間がかかり、予定していた長須ヶ玉山の登頂を断念せざるを得なかった。

 下山準備もそこそこに、左惣沢出合へ颯爽とスキーで舞い降りる姿を想像しながらスタートしたが、スキーが下手なのか雪質が悪いのか、思うようにスキーが滑らず只々直下降スタイルで下山するだけとなった。苦労して高みを目指し、その分の褒美として楽しいスキーをと誰しもが思い描いていたが、無残にも打ち砕かれてしまった。
 左惣沢出合に着いたときは、自分たちの足前を棚に上げ、スキーの下手なことも忘れて長須ヶ玉山の反省会話で盛り上がった。林道にスキーを進めると、子供のカモシカが慰めてくれるかのように行く手を横切っていった。

                                O.



10:08 左に雪に埋もれた船岐川がある。
前方彼方にある山の右手に目指す長須ヶ玉山がある。

12:47 標高1370m辺り。
下山の滑走を胸に膨らませていた。

 


14:30 重雪にスキーが思いのほか滑らなかった。只々下山するだけである。

13:52 振り返ると南会津の山並みが真っ白く輝いて見えた。


14:37 重雪を上手く捉え、立木を交わして下山を急ぐ。















 15:50 我々のすぐ目の前を横切っていった子供のカモシカ。健気な姿に全員でエールを送った。



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