ウェルネス・クライマーズ短信 096
会津駒ヶ岳 源六郎沢 南会津
2015/02/21
加藤、山ア、大橋

8:17 このところの寒波で相当の積雪があったのだろう。登山口のシンボル看板が「尾瀬・・・・」の文字しか読めなくなっていた。

















コ−スタイム

会津駒ヶ岳登山口08:151350ピ−ク09:59〜10:10−1650夏水場11:00〜11:10会津駒ヶ岳13:23〜14:101540大岩14:351650夏水場15:40(トラブル)登山口17:05


ルート図







 二月も残すところ一週間。夜明け前の空に、オリオン座が淡く瞬き西に傾く。春が近いということか。会津西街道をスキ−場に向かう車が先を急ぐ。大方の車が申し合わせたかのようにスキ−場に吸い込まれていく。高畑スキ−場を過ぎると、前後していた車はすでにない。
 会津駒ヶ岳登山口近くの空き地に、車を丁寧に寄せ林道を沢沿いにすすむ。林道の橋をわたりすぐに左折、先行者のトレ−スを追う。今年の豪雪に沢は埋まり、水の流れはまったく見えない。空はどこまでも濃い青でうまり、昨夜の降雪で木々の枝が重く垂れさがる。
 先行者のトレ−スも、ほど良い斜度で切られ登りやすい。スノ−シュ−もいるようで、そろそろ登山者も増えてくる季節になりつつあるのか。
 1650の水場付近で休憩する。この地は源六郎沢を滑降の後、1540から小沢を登りかえす目標としている場所だ。平坦で地形の特定が難しい。東北東に太い尾根を伸ばしている。
 朝早く立った青年が、すでに登頂を果たし下降してきた。雪は重く滑降に苦労している様子だ。朝のサラサラパウダーは、気温上昇とともに姿を変えた。ますます難しい斜面に変化することを想像すると気が重い。
 この山の難所は1650から無木立地帯まで、三段ある登りが辛い。一つ一つ丁寧に作業する。先を急がずゆっくりと歩を進めれれば良いと、自分に言い聞かせながら登る。ときに選定した自分に問いかける。首筋に流れる汗もかまわずかわした。
 駒ノ小屋は通過せず、源六郎沢源頭部から北へまっすぐつき上げる。北には越後の山々が輪郭をはっきり見せ、青白く光るその尾根に、厚く塗った沢筋が一枚の絵画となり登山者を魅了する。陽は頭上を少し超え西から優しく照らす。永遠の彼方に富士がうっすらと影を落としていた。山頂にいた二人づれの山スキ−ヤ−は、刹那駒ノ小屋方面に向かい下降していった。いつもなら安全地帯に滑り込んだ後に大休止する。今日は無風の山頂。遠く吾妻連峰、飯豊連峰にも目をとめた。
 源六郎沢を下降する。1540の左カ−ブを目印に、ダイナミックに飛び込む。それぞれの顔はきりりと締り、勇敢にも板の交差に意識を持ちながら華麗に攻める。
 もう、すでに何度も苦難を乗り越えてきた今季。身体は雪の微妙な変化にもすぐに対応した。沢の下降はなんと2000mを超える。両岸からの雪崩に神経をとがらせる。沢床の大きな窪みは大滝を連想する。そして下部にはゴルジュがひっそりと眠る。やや高みに板を向け、甘い誘いをとおざけ1540の大岩に着く。スピ−ディにシ−ルを装着し小沢を登る準備をする。まだ循環器の鼓動が収まらない。
 標高差100mの傾斜はきついが、雪は思った以上に締り快調に登りあげた。振り返り、山の窪みを下降地点から上になぞると、山頂へ数秒で到達してしまう。山半分は太陽をとおざけ、薄い墨色に姿を変えた。午後の山頂は弱々しくほの白い光を全山に浴び、山スキーヤーの軌跡をくっきりと浮かびあがらせていた。
 1650から夏道尾根を右に見て、弱い沢状斜面を下降する。日の当たる斜面と日陰斜面が入れ替わり、思うようなスキ−操作が出来ない。夏道尾根からは、西に傾きつつある太陽の光線が、木々の隙間より細く長い足を雪面まで届かせている。
 今回の狙いは源六郎沢を安全に滑り降り、夏道アンテナ付近の北斜面を滑ることであった。前にも一二度下降したが、その良さが分からなかった。時折、隠れていた日陰の隠されたパウダーを、左右にジャンプターンを繰り返し乱舞する。心の奥底に疑問を抱えていた深い謎が次第に解け始めた。苦労して通過した最中状の悪雪斜面もすっかり忘れ、目の前のふかふか斜面を目で追いながら林道に着いた。

                      山ア





11:40 1900近く 辛い登りをこなした

11:16 樹齢はいかほどですか 問いかけたくなるダケカンバの大木


13:17 頂上直下から振り返ると、右方に真っ白く雪の被った至仏山、
正面に「燧ヶ岳」、左の遠方には富士山を見ることができた。


 

13:25 頂上の山名柱がいつもの年より深く埋もれていた。その遠方には越後の山並みが静かに佇んでるのを眺望すことができた。

 

13:36 大水上山方面が左前方に見える
     利根川の源流域

13:39 中門岳方面 ことの他白い頂き
まさに純白の世界だ       



13:23 ちょうど5時間かかりました。快晴、ほほにそっと優しい風がふれ「頑張りましたね」とささやいてくれた

14:21 源六郎沢に誘われて


 源沢六郎沢へ飛び込んだ瞬間は、胸が躍り恐怖感も無くサポートされながら滑りました。駒ケ岳山スキーの景色が、脳裏から離れません。苦労して滑った事などは何処へやら消え去り。最後のシール登高から見た景色は、一生忘れないでしょう。 太陽に照らされて夕暮れに黄昏て、青く光る空は言葉になりません。ここから見る山頂付近にシュプールの跡が望め、青空に映えて感激するばかり。三本のシュプール男3人組、滑ったとばかり胸躍る中最後の滑降へと進む。
 夕闇も後数時間かなと思う中、チョッピリ焦りを感じブナ林の中に飛び込む。来て良かった。反省点も多く残りましたが、会津駒ケ岳と仲間に感謝して帰宅しました。
                            加藤


14:20 山頂直下から大斜面に滑り降りる。この一本のために苦労してここまで登ってきたのだ。ウーンマンダム!


14:22 大斜面を満喫 板はどんどん谷底へと吸い込まれる   
 14:25 つかの間の休息  
14:28 若いダケカンバの 幹に隠れていた小ウサギ 
跳ねながら 小首を右に傾け 挨拶してくれた
 


14:46 渓は狭まり両岸が畳み込むように迫る

14:46 雪面はころころ変わる 最中(もなか)状で回転が難しい


15:04 1540から小沢を登り 正規ル−トへ戻る

15:34 右上の会駒からドロップ 谷底を2000m 
そのラインが見える 三人ともベストを尽くしたと思う
14:34 駒山頂に軌跡がくっきりと確認できた



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