ウェルネス・クライマーズ短信 084
ヒノキガタア沢 前日光東大芦川
2014/09/27
黒川、山ア


ウルシの紅葉が秋の始まり



参考情報
「その空の下で。。。」2013年9月7日 前日光 東大芦川 ヒノキガタア沢


コースタイム
林道基点P 7:10−本沢入渓7:40〜50−ヒノキガタア沢7:53−ヒノキガタア滝8:32左滝9:43〜50左滝上10:40−稜線12:20−薬師岳12:30〜13:30−林道基点P15:37

遡行図




 もう10年をとうに過ぎたと思う。日光市中宮祠から細尾峠経由で、薬師岳、夕日岳、地蔵岳を縦走した。古峰ヶ原神社前から出る路線バスに間に合い、ほっとした思いで、縦走を完了した喜びを身体中に滲ませ、乗客のいない最終バスに、乗り込んだことを昨日のことのように思い出した。よもやその縦走路にヒノキガタア沢を詰め上げ登ろうとは、思いもよらない、考もつかない出来事である。
 ヒノキガタア沢を遡行するには、細尾峠から薬師岳に登り尾根を南下し、1365峰のすぐ南から日陰沢を下降して、棒滝とヒノキガタア滝の中間に出る方法。そして鹿沼市の古峰ヶ原神社一の鳥居手前から、大芦川沿いの舗装道路を7km上がり、大滝観瀑台すぐ先林道を左に入り本沢から遡行する方法がある。当然後者を選択して臨んだ。
 「大芦渓谷ヒュッテ」を左に見て林道を西に進むが、道は荒れ果て落石も多い。Uタ−ンのきくスペ−スのところに駐車し、急ぎ早に準備して時折木々で道を塞ぐ林道を行く。入渓点は林道が180°曲がるところを直進して、堰堤上の標高740辺りから本沢に降りた。申し分のない天候に恵まれ先々が楽しみになってきた。
 巨大堰堤のかかる本沢を左におくり、ヒノキガタア沢に入るとすぐ、棒滝が目の前に立ちはだかる。地形図では870位に滝印があるが、実際は800の位置にあり、滝印はヒノキガタア滝である。棒滝左岸に架かる鎖を利用する。住宅の二階に梯子をかけ登るような、そんな急角度を落石に注意して滝上に出た。
 小さな滝が幾つか出てくるが快適に超えられる。石積み堰堤すぐ先左から入る日陰沢を確認すると、やや左に沢は方向を変える。そこにはこの沢最大の滝20m近い落差のあるヒノキガタア滝が架かっている。ここも右岸に架かる錆びつきのひどい鎖を恐る恐る手に取り、立木や根を利用して細尾根に出た。滝上の落ち口は水深のあるゴルジュ帯になっている。30mのロ-プで下降することになるが、ホ−ルラインはゴルジュ帯の上になる。そこから川上へトラバ−スは非常に危険だ。垂直の下降でないので支点からやや川上寄りに下降する。「カラ−ン」と乾いた落石の音が響く。小石であるがゴルジュ帯が響きを増幅して、身体によくない深山の遠吠とも聞こえる。ロ-プがきれたところから不安定な泥斜面を5mほど川上へ慎重に移動して沢床に降りた。



07:10 大滝観瀑台のすぐ先林道を左に入る 路肩陥没で進入禁止の看板が立つ 落石多く 早めに駐車した

07:36 林道が右180°急カ-ブ 川沿いに直進する



07:52 踏み跡から本沢に降り 200m位で 右からヒノキガタア沢が入る 本沢の堰堤が見える

0800 棒滝が見える 躊躇なく鎖の架かる右から 高巻く


0807 高巻き途中から棒滝を覗く

0811 棒滝の上に下降する



0814 小さな流れが続く

0827 沢が左に方向を変える所に架かる ヒノキガタア滝 地形図の棒滝がこれです



0852 急斜面を下降する 30mが必要だ ロ-プいっぱいの所から5mのトラバ−スも要注意だ ホ−ルラインより川上を狙って下降することも重要と思う 滝上は小さなゴルジュ 水は深そうだ

0832 ヒノキガタア滝 右岸に垂れ下がる鎖を利用させて頂いた 石を落とさないように注意が必要だ



 段々の滝を飛沫浴びながら遡行する。少しの濡れは気にならないほどの陽気だ。950の二俣を左に入る。990から1000m辺りの等高線の混んでいるところに難敵「左滝8m」が道を塞ぐ。資料から鎖が朽ち果てていることは承知していた。優れた遡行者は水流右を登るとか、左岸窪から身体を入れ登攀具でビレイしてとか、何人かの記録を読んでいた。ここをクリア−出来なければ引き返すほかない。
 水流右は登れない。身体を擦り入れるところは中段部が立っている。高度がありやや逆相であるが階段状の斜面に取り付く。草木も頼りないので、岩の泥を落とし慎重に一歩一歩を確実に進めた。5mほど登ったところに鎖の朽ち果てた残骸があった。あと一歩踏み出せば斜面が少し緩み、立木の根も確りしたものが見える。残骸の支点にカラビナをかけロ−プ2.5mほど余裕を持たせ、マスト結びで固定してAOで立木の根基に這いあがった。立木の根に支点をとり事なきを得た。高度感のある高巻であった続く「薬師滝8m」は左岸から踏み跡のない斜面を小さく巻いた。
 1200辺りから水は細くなり、やがて水がきれ源頭の趣になる。1300辺りから左から入る窪を、背の低いミヤコ笹を掴み鞍部やや右に出た。空はどこまでも青く澄み渡り、遠く皇海山、庚申山が青黒く光る。何時見ても稜線からの眺めは、疲れた身体を生き返らせてくれる。整備された登山道を北上して、10分足らずで薬師岳に着く。男体山をバックに写真を撮り、ぽっかり空いた山頂で60分の至福の時間を過ごした。後を追ってきた宇都宮の山岳会「渓嶺会」の女性一人を含めた三人も無事山頂に着いた。
 下山は東に延びる尾根を、祠二つある1115鞍部まで下り、南側の薄い踏み跡から、1159から派生する尾根を1000まで下り、そこから沢に降り林道に出た。

                                 Ya.




ナメ滝を上がる
0912 ナメ滝が続く 9月後半だが水の冷たさは まだ感じなかった



左滝高巻き 最大の難所、Yさんが慎重に先行、時間を掛けてやり過ごしました。
0943 「左滝7m」 増田宏氏も高巻きに苦労したようだ 左岸に架かる鎖が朽ちてなくなっている ヒノキガタア滝の下降と左滝高巻きが核心とあった



1105 1120二俣過ぎても水の流れはある 枝沢も何本か入り 読図が難しい

1045 薬師滝8m左岸から小さく巻く



1155 そろそろ源頭に近い 急斜面の沢溝を黙々と登る 言葉は「無い」

1214 稜線が見える 薄い笹薮で助かる 両手で笹を握りしめ高度を上げる





木の間より洩れ来る秋の陽射しかな

沢風も秋の香り漂わせ
                   Ku.


1220 1381主稜線に出た 整備されている登山道 さぞ登山者もいるかと思いきや 静かな初秋の香りのする禅道であった

1228 薬師岳への稜線から皇海山を仰ぎ見る 右手山腹に「茶ノ木平」への車道が見える 中央右台地が茶ノ木平 NHKの固定カメラがある

1230 栃木の主峰「男体山」を背に 薬師岳山頂「お疲れ様」でした 60分休憩のお駄賃を頂く 「うまいゴクッ」(^^」 女峰山が見える


1359 1115鞍部 前回はここから鹿ネットを飛び越えたが少し先に進み1159から派生する尾根に乗り 1050近くから沢に降りた 滝もなく快適に下降できた

1444 石積み堰堤を越えて もう句を「捻って」いたかも?




1602 中央に囲炉裏 二階建ての確りした建物です 大変掃除が行き届いていた

1600 林道入り口にある県施設「大芦渓谷ヒュッテ」 渓谷沿いに静かに建つ




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