2014.07.28 渓流シューズのこと(続)
                             渓流シューズのことへ

 玄倉川本流を遡行して、日進ゴム製のハイパーVソール(#003)の滑りにくさをテストした。とはいっても、キャラバン製の渓流シューズ(KR_1R、イドログリップソール)と現地比較したわけではなく、ハイパーVソールの靴を履いて、沢を歩いてみたというラフなテストである。
 岩に付いた褐色のヌルヌルする苔(以下、ヌル苔と記す)に対するハイパーVソールの耐潤性は、およそ次の通りであった。
  1)ヌル苔が色濃くしっかり付いた岩は、つるんとよく滑る。
  2)ヌル苔が薄く付いた岩は、ズルズルとした抵抗があり、つるんとは滑らない。
  3)岩が濡れていても、ヌル苔が付いてなければ、しっかりしたグリップ力が得られる。
  4)乾いたスラブには、しっかりしたグリップ力が得られる。

 ハイパーVソール、イドログリップソール、PPフェルトソールの耐潤性能を感覚的に比較した結果は下表のとおりである。

      メーカー、ソール

テストの条件

日進ゴム

ハイパーVソール

キャラバン

イドログリップソール

キャラバン

PPフェルトソール

色濃く付いたヌル苔のスラブ

薄く付いたヌル苔のスラブ

濡れたスラブ

乾いたスラブ

ヌル苔をタワシで落したスラブ

  PPフェルトソール: ポリプロピレン製フェルトソール

 ハイパーVソールは、イドログリップソールと比較した場合、薄いヌル苔の場合には、つるんという滑りではなく、ズルズルという滑りを示し、それなりの摩擦力が得られる。この点で、イドログリップソールよりも優れていると思われた。その他の条件では、イドログリップソールと性能差がないと思われる。フェルトソールと比較した場合には、濡れたスラブ、乾いたスラブ、ヌル苔をタワシで落としたスラブなどでは、圧倒的なグリップ性が得られ、フェルトソールでは登れないスラブの登攀が可能と考えられる。
 先に述べたように、今回のテストは同一条件での比較テストを行った結果ではなく、感覚的な評価によっている。他の方の同様なテストと比較して、必ずしも同じ結果が得られているとは限らない。ハイパーVソールに魅力を感じている人があったら、自らテストすることをお勧めする。どんな場合にもいえることだが、微妙な問題は自分で確かめることが最良の方法だろう。
 ハイパーVソール#003は、キャラバンの渓流シューズに比較すると、靴底が柔らかいのが特徴である。一般の渓流シューズは登山靴の感触に近いが、 ハイパーVソール#003は渓流タビの感触にやや近い。沢靴に柔らかさを求める遡行者にとっては魅力かも知れない。また、ハイパーVソール#003はスニーカータイプのローカットなので、ハイカットのものに比べて川砂が入りやすいのは確かである。しかし、今回の遡行は2時間だったが、砂の取り出しを要することはなかった。
 どのような渓流シューズで遡行するにせよ、沢の状況に合わせて靴の特性を生かした登り方をしなければならない。現状では、全ての場面で信頼できる渓流シューズはないため、遡行の経験によって靴の性能をカバーする必要があると思われる。



Home