イデイリ沢 丹沢山塊中川川
2014.06.01
高橋
(フェルトソール)

下山途中林道で見つけたキイチゴ 見事な粒だ










遡行図  




参考情報
「山行記録」ヤマレコ 中川水系 イデイリ沢 kamog 2012年12月2日

  http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-252121.html
ikuko〜沢風に誘われて〜 丹沢中川川イデイリ沢 2014年5月28日
  http://siraneaoi403.at.webry.info/201405/article_6.html


コースタイム
小塚橋8:30−堰堤上入渓8:38−430m二俣−10m滝9:33〜10:24−大滝25m11:02〜12:10−620m二俣12:20〜730m作業道12:54〜750m稜線12:59〜笹子橋14:07
                       *ゆっくり歩いています。コースタイムは通常より長くなっています。



 イデイリ沢(井戸入)は、県道の小塚橋には小塚沢と記載されている。中川の集落では小塚沢と呼んでいるのだろう。『西丹沢頂稜河川土地名称図』には、下流部、標高430m二俣辺りまでを小塚沢、それから上流部を井戸入沢と記載されている。ここでは、沢の愛好家によく使われている「イデイリ沢」とした。
 イデイリ沢は小さな沢だが、閃緑岩の沢床にナメと小滝の続くなかなか雰囲気のある沢である。ただ、倒木、流木が多いので、沢が荒れている印象がある。集水面積が小さいために、大雨が降ってもなかなか流されないのが理由だろうと思う。写真で見ると気になるが、実際に歩いて見ると、歩く邪魔にならない限り不思議と気にならないものである。6月になり若葉がすっかり沢を被ってしまったので、天気の良い日でも少し暗い感じだ。


入渓点
 県道76号線がイデイリ沢がをまたぐ小塚橋から北に約100m歩くと、茶畑へ上がる舗装道路がある。この舗道を歩くとじきにT字路になるので、ここは左へ曲がる。舗装された道路を辿れば、自然に大堰堤1の上に出る。


イデイリ沢への入り口



堰堤
 下流部には大堰堤が三基、石積堰堤が一基、中流部には石積堰堤が二基ある。堰堤はどれも高巻くことになるので煩わしいが、イデイリ沢を遡行するためにはそれも仕方ない。
 標高390m付近の大堰堤2は、右岸に簡易の階段が取り付けられているので、これを使えば容易に越えられる。450m付近の大堰堤は、右岸の窪にトラロープがある。下から見るとかなりの急傾斜で難儀しそうだが、ロープを頼りに登ってみると意外に簡単に堰堤を越せる。
 標高410m付近に最初の滝4mに続いて石積堰堤1がある。4m滝を登ってから石積堰堤1は右を巻いたが逆層なので要注意だ。この沢の石積堰堤は、どれも4〜5mの滝のすぐ上にある。標高510m付近に現れる5m滝の上に石積堰堤2がある。ここは、堰堤の右上に見える作業道から5m滝といっしょに巻いた。左岸の泥壁を上がり、単管パイプの橋を渡って沢へ降りる。難しいところは無い。標高510mの5m滝+石積堰堤3は、左岸上に見える鹿柵の青い網をめがけて上がり、網に沿って付けられた踏み跡を辿り、堰堤を越えたら懸垂下降で沢へ戻る。ここも難しいところは無い。



大堰堤2 左手に階段があるのでそれを登る
最初の滝4m 石積堰堤が続く 4m滝は水流右を上がり石積堰堤は右から巻いた

石積堰堤の上 木漏れ日が眩しい すっかり葉が茂っている


5m滝 水流右を快適に この先で二段10m滝になる
沢が右へ曲がるところに6m滝 右から取り付き上部は水流沿いを快適に登る 水流左に細い残置ロープがあるが必要ないだろう

二段10m滝(写真なし)の手前の右岸ルンゼ
このルンゼへ入り二段10m滝を高巻いたが険しい
取り付きのこの涸れ滝(写真)を登るのが
、まず難しい
ホールドが細かく滑っている 落ち口のホールドが脆い

15mほど登るルンゼもホールドが細かい
枝尾根に上がるトラバースも足元不安定
できれば、他の高巻きルートを探したい
左岸を高巻いている情報もある


石積堰堤左岸上に単管パイプの橋 これを渡り沢へ降りる
石積堰堤2 手前に滝 石積堰堤が登れないので手前の滝といっしょに左岸を上がって巻いた


3m滝 楽しい遡行が続く
小さいがナメがきれい この先で右から沢 5m滝と石積堰堤3が続く


大きな滝
 標高500m付近の二段10m滝は、あまり深く検討もせずに右岸を巻くことにした。左の難しい岩窪の壁を4mほど上がり、さらに15mほど岩窪を登った。そこからトラバースして枝尾根に上がり、25mロープで落ち口に懸垂下降した。壁を上がる4mは、滑りがありさらにホールド乏しく結構難しい。岩窪も簡単には登らせてくれないので、この高巻きルートはお勧めできない。他の遡行者は左岸を高巻いているようなので、左岸にルートを探したほうが良いだろうと思う。
 イデイリ沢のハイライトは、何と言っても大滝だろう。大滝は、幅の広い文字通り大きな滝だ。水量が少ない時期だったので、ちょっと迫力が足りなかったが、なかなか見事だ。
 大滝の高巻きは、右岸の涸れ沢を標高差20mほど上がり、落ち口方向へトラバースする。枝尾根に上がると右下に落ち口が見えたので、25mロープを出して下降した。特別に難しいところはないが、トラバースは足元不安定なので、ロープを出した。大滝の中段は直登が難しいと見て右に滝を見ながら右岸を登った。ここは難しくない。中段5m、5mの上で滝を見ながらゆっくりとお昼を食べ、至福の時間を過ごした。
 大滝は五段40mとなっているガイドブックもあるが、そんなに高くはない。五段25mといったところだろう。下段12m、中段5+5m、上段2+1mぐらいだ。下段と中段の間には釜がある。高巻きの途中から見る大滝はなかなかきれいだ。



大滝25m 見えているのは下段12m 木漏れ日で分かりにくいが、閃緑岩のスラブに左右の流れ
手前3mナメ滝の先に大滝が見える


大滝手前右岸ルンゼ ここを20m登って落ち口へ向けてトラバースする
左の窪が右岸ルンゼ 落ち口方向へのトラバース 足元悪く念のためロープを出す トラバースしてきた方角を振り返って

大滝中段 高巻き途中枝尾根から 大滝下段の落ち口が見える 落ち口へ懸垂下降した


大滝下段落ち口に古い残置支点があった 20年ぐらいは経っているだろうか この滝も登攀の対象だったのだろうか どうやって登るのかな 見てみたい
大滝中段スラブ5+5m 下5mは傾斜深く登れない 滝を見ながら右岸沿いに巻いた 難しくない


大滝中段の落ち口が見えてきた
大滝中段の流れ 高巻きの途中から

大滝中段落ち口から下を見る 写真右上から大滝下段落ち口に降りて 沢の右岸を上がってきた 大滝中段落ち口 奥には大滝上段2+1m滝が見える  ここでのんびりお昼を食べた


終了点、下山
 大滝の上は、ナメと小滝の続く落ち着いた雰囲気を見せる。ただ、一箇所倒木の詰まった4m滝がある。620mの二俣の水量は1:1だ。ここは、下山しやすい左俣へ入る。三段のナメ滝(1,4,4m)がある。細かいホールドを拾って上がる。小さく巻くこともできる。
 三段ナメ滝を過ぎると沢は単調なゴーロになる。本流を辿ると標高690m付近の湧水地で水が涸れる。水涸れのあとは急傾斜となり沢が浅くなる。両岸ヒノキの植林地になると沢が荒れてくるので、右岸に上がり沢沿いに登れば、730m付近で作業道が横断する。作業道は崩れているので分かりにくいが、左岸のヒノキに青いテープが巻いてある。イデイリ沢の右岸尾根に向かって作業道を歩くと5分で稜線に出る。稜線にはしっかりした踏み跡がある。
 この尾根はイデイリ沢と笹子沢の界尾根で、屏風岩山から伸びている。ミツマタの時期には驚くほど登山者が集まるが、今はひっそりとして誰に会うこともない。ヤブのない歩きやすい尾根である。650mで主尾根を離れて右尾根に入り、笹子沢へ下る。笹子沢はイデイリ沢に比べれば大きな沢だ。豊かな水量が流れる雰囲気の良い河原を持っている。やはり水のあるルートは良いと思う。巨大な鉄管で構成された大堰堤の中央を抜けた後は、右岸の林道を県道の笹子橋まで下がる。



トイ状の流れ ナメが続く
二段5mナメ滝 前後にナメがある


620m二俣 水量1:1 ここは左へ入った
620m二俣上の4m滝 この上にも4m滝 ホールドが細かい 高巻きもできる


沢はゴーロになり標高690mの湧き水から先は急な涸れ沢になる 
沢は浅く荒れた様相になり両岸ヒノキ林に変わる

作業道をイデイリ沢右岸尾根に向かう 5分で稜線



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