玄倉川小沢 丹沢山塊
2014.05.25
高橋
(フェルトソール)

新青崩隧道 左手に旧道が残されている これは旧青崩隧道の玄倉川下降ルートを残すためだろう 粋だな〜










遡行図




参考情報
AYコーナー山ブログ 「玄倉川支流「小沢」で・・・・」 2013921
http://akichanpon.at.webry.info/201309/article_3.html



コースタイム
小沢出合9:2512m滝10:1950750m堰堤11:4655900m堰堤12:36930m二俣(左へ)12:45−小沢右岸尾根13:04791ピーク14:01−林道15:06
                       *ゆっくり歩いています。コースタイムは通常より長くなっています。


 久しぶりに玄倉林道を歩いた。林道の青崩隧道が、崩落によりしばらく通行止めになっていた時があった。その頃に、沢登り同好会で檜洞を遡行した時以来だ。賑やかな山行だったことを記憶している。その時には、玄倉林道を歩き、青崩隧道の入口前で沢へ降りて、玄倉川を遡行して通行止めを交わした。この遡行は2009年のようだから、もう五年ぶりということになる。本当に久しぶりだ。
 玄倉川は、私の沢歩きの原点だ。もう15年ほど前に、玄倉川本流を遡行したのが沢歩きの最初だ。独りで、ロープも沢靴もなく玄倉川の廊下を歩いた。そこにはそれまで経験したことのない世界そして興奮があった。それから、丹沢の幾つかの簡単な沢を歩き、奥秩父を始めとする関東周辺の沢を歩くようになった。沢を歩く仲間を求めて講習会に通ったり、同好会に入会したりした。だが、最近は一人で歩くことも多い。
 久しぶりの玄倉林道だった。初めて歩く「新青崩隧道」は、以前にも増して中が暗い。眼が慣れないうちは、ヘッデンを点けてもなお前が見えない。林道ゲート前の大きな駐車場に車を置いて歩くこと50分、玄倉川の左岸支流である小沢の出合に着く。小沢とはまた何と味気ない沢名だろう。近くの沢には、「蛇小屋沢」、「板子屋沢」、「冬青(モチノキ)沢」となかなか洒落た名前が付けられているのに、「小沢」とは身も蓋もない。今度の沢は、「AYコーナー山ブログ 2013年9月21日」を参考にした。丹沢をフィールドにしているAYさんの記録はとても参考になる。



玄倉林道ゲート前の駐車場はいっぱい みんな早い

玄倉ダムの発電所 発電中だった


小沢の出合 水は流れていない



 玄倉川小沢は、出合から堰堤である。取り付け梯子で堰堤を上がっても水は無い。ガランとした乾いた河原が、「奥には何もないよ」と呟いているようだ。だが、二つ目の堰堤を越えたところで水が現れ、沢が左へそして右へ曲がったところから、この沢の本領が現れる。
 小沢の下流部の沢床は花崗岩に似た閃緑岩*だ。この岩が水と土砂によって削られて小滝や釜ができ、そしてナメや窪、時には大きな滝ができる。小沢の滝やナメは小振りなものが多い。沢幅が狭い。水が少ないためだろう。青い苔を付けた小滝の続く美しい渓相は、この閃緑岩と水の少なさによるところが大きいものと思う。「小沢」の名はこの辺りから出ているのかも知れない。
 水は石積み堰堤の現れる標高750mで涸れる。その上は涸れ沢である。小沢の美しい小滝やナメが続くのは、この石積み堰堤までなので、二つ目の堰堤を横断する「山神経路」を使って玄倉林道へ戻るのが良い方法かもしれない。とすれば、流程が500mほどの短い沢だ。それでも二時間半ほど掛かっているので十分楽しめるだろう。場合によっては、隣のモチノキ沢と絡めて遊ぶのが良いかも知れない。
 小沢のナメ滝は思いのほかよくフリクションが効く。ナメ滝が光って見えても、その岩の表面は細かい凹凸がある。ラバーソールのほうが歩きやすいと思う。

 *この辺りの岩は閃緑岩というようだが、私には白っぽい墓石の花崗岩と見分けがつかない。



涸れた河原 特別何もないという風情


三段滝 最初に現れた3m滝 スベスベだが右から登れる 
三段滝二つ目 釜がある 三つ目の滝が登れない 右を巻いた

三段滝のすぐ上 5m滝が見える 右から巻いた

5m滝落ち口から大きな滝が見えた 手前はナメ


12m滝 水量がやや少ない 滝の手前右岸にある窪を上がって巻いた 枝尾根に上がった時に登り過ぎたのに気付き 枝尾根を下がってから落ち口に懸垂下降した そこは12m滝上の3m滝の落ち口だった



12m滝の高巻き 懸垂下降で本流落ち口へ ここは12m滝の上にある3m滝の上だった

さらに3m滝が続く 閃緑岩のスラブ 青い苔が美しい


水は少ないが雰囲気のある小沢 苔の色がきれい

ナメと苔の穏やかな流れが続く



ゴロタの小滝 小沢では珍しい 唯一かもしれない
両岸白砂のこぼれるゴルジュ 水が少ないので簡単に突破できる


小滝の連瀑 フリクションを使って越えていく
苔の美しい連瀑


新緑の中に小滝やナメが続く
3mナメ滝 水が舐めるように

クラックが無いので小さい滝でも苦労する


小滝でも手掛かりがないので結構難しい
ホールド乏しく登れない3m滝 左を巻いた


高巻きして沢へ戻ると2m滝 細かいホールドを拾いながら 奥には堰堤が
3m高巻きから 奥に最初の石積堰堤が見える


二つ目の堰堤上の左岸に沢名が

標高750m付近 二つ目の堰堤 この上で山神経路が横断する





<標高850〜900m付近の滝 閃緑岩から黒っぽい岩に変わる>
850〜900m付近の4m涸れ滝 登れる さらに4m滝 岩は脆い 3m涸れ滝

両岸脆く落石の巣になっている 長居したくない



 この日はどういう訳か、現在地がよく分からなかった。「なぜだろう。」高度計の標高と現れる地形がどうも合わないのである。下山ももうすぐ終わる頃、ようやくその理由に気がついた。どうやら、高度計を100m高くセットしてしまったらしい。小沢には顕著な二俣がないため、高度計の誤設定に気づくチャンスが無かったのだ。これでよく小沢の右岸尾根を正確に降りてきたものだと思う。「どうもおかしい。」現在地が分からずじまいのうちに、791のピークを上から見て軌道修正したりして、それでも何とか正確に降りてきた。自分のルーファイ力を「まんざらでもない」と改めて思ったが、それにしても誤設定をした時点でルーファイ力も何もあったもんじゃない。
 小沢の右岸尾根は、途中踏み跡もあるがあまりお勧めできない。稜線上にいくつも鹿柵が設けられ、尾根上を歩くことができず柵を巻かざるを得ないためだ。この鹿柵も古く手入れがされていないので、ただの邪魔者となっているのが癪に障る。やっぱり、山神経路で途中下山するのが良いと思う。

 右岸尾根791ピークから北尾根を下がり、途中750m辺りから東寄りに進路を変えて緩やかな窪を下がる計画だったが、下がる地点を見逃してしまい、戻れば良いものを、北尾根を直進した。この先は、地形図上は絶壁になっているが、現地へ行けば弱点もあるだろうと高をくくっていた。だが、そうはいかなかった。ブッシュを支点に25mロープで三回ほど懸垂。引き返すこともできず、最後は25mロープに12mロープを結んで深いルンゼへの懸垂になった。足場の悪いところでの懸垂の工作など勉強になったが、いらぬ危険は招かぬほうが良い。ここは、計画通りのルートをとるか、同角隧道を越えて林道に回りこむのが良いかも知れない。帰り道、同角隧道の上から踏み跡が降りている気がした



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