鬼石沢 丹沢山塊中川川大滝沢
2014.05.04
Nさん、高橋

ツルキンバイ 陽だまりに花開く










遡行図  



参考情報
丹沢マイナールート探検隊 「F6の誘惑 鬼石沢の本流を探せ」 
http://kiriyama.sakura.ne.jp/work94/work94.htm


コースタイム
林道駐車場9:25−一軒屋避難小屋10:25−15mF3上11:51−960m二俣11:25−980m二俣(右俣へ)−四段ノ滝14:11〜15:03−畦ヶ丸15:52−大滝峠上16:39−一軒屋避難小屋17:09−林道駐車場17:45



 低山ハイクキングというように、「渓流ハイキング」というようなものは、あるのだろうか。もしあるとすれば、今回の山行きは、渓流ハイキングだったように思う。この渓流ハイキングの同類には、「ウォーターウォーキング」というものもあるようだが、渓谷を水(ウォーター)と捉えるのには抵抗があるので、この命名には賛成できない。
 細く流れる水の音、新緑のささやき、小鳥のさえずり、木漏れ日と影、堅い岩の小滝と小さな釜の渦、岩苔の緑と空の蒼さ、・・・・、どれひとつとってもそれだけで貴重な存在である。それらが濃密に反響しあうのが、渓谷の姿だろう。今回の渓流ハイキングは、西丹沢の初級の沢では定番となっている大滝沢本流・鬼石沢だ。この沢は、2週間前に大滝沢の下流部を雨棚まで歩いたので、その仕上げのようなものかも知れない。雨棚を除いて、大滝沢を下流部から畦ヶ丸まで歩いたことになる。同行者は、気の置けない沢の友人、Nさんだ。
 素晴らしいハイキングだった。新緑が萌える中、静かな沢を遡行した。時々に現れる滝もその優麗な姿を見せてくれた。温かな空気が流れ、背中には日が差してくる。何処で休んでも心地よいので、行程はなかなかはかどらない。そんな遡行だった。
 だが、今回の渓流ハイキングは、ひとつだけ定番の鬼石沢とは違う。
 ガイドブックの影響だろう。鬼石沢を歩く沢愛好家は、判で押したように標高980mの二俣を左へ入る。何か規則でもあるように、ここは左俣へはいる。そう決まっているような、大方の行動だ。ガイドブックの影響は大きい。様々に枝沢を遡行した上で、ベストのルートを選択しているはずもないのに、ガイドブックの案内が金科玉条になってしまう。天衣無縫の遊びを謳う先人たちから見れば、この「判押し沢登り」を何と考えるだろう。980mの二俣を右へ入る。これが、今回の渓流ハイキングのただひとつの「冒険」だった。この右俣を歩いているウェブ情報がひとつだけあった。しかし、これは「間違えて正規ルートを外れた」という総括になっている。ウーン、沢に正規のルートや正解、不正解があったとは・・・・。でも参考になったのでとてもありがたい。

 ついでなので、言っておこう。鬼石沢の遡行ルートを調査していた時に、例によってガイドブックを当たったが、遡行者が異なるのに、三冊とも全く同じ遡行図を掲載しているのには驚いた。しかも、重要な二俣も満足に入っていない。GPSは言うに及ばず、高度計も使えない時代であったとはいえ、ちょっと気恥ずかしい感じがする。
 980m二俣を右俣へ入ると、やや荒れた沢になり小さなナメやちょっとだけ難しいスラブの滝が現れる。どれもオーッと感嘆するような滝はなかったが、滝が多くしまいには滝登りに閉口する。水は消えたり現れたりを繰り返し、それでもかなりの高みまで水流はある。一箇所標高1120m付近の四段の連爆では、最初の滝から身体を持ち上げることができず、右岸の高巻きに入った。ここは急な斜面だが、ブッシュをつないで上手にルートを取ると四段滝の一番上の落ち口に安全に降りられる。左岸の高巻きは難しい。ここでは、詰めに近いところでの予想外の高巻きだったので体力を消耗した。さらに、本格的な詰めでは大岩が度々遡行の邪魔をし、その乗越に体力を消耗させられる。ようやくのことで、畦ヶ丸のすぐ下、南西鞍部に辿り着いた。藪こぎはない。数日前に雨が降ったせいだろうか、細い流れが1160m付近まであった。



この二週間の間に新緑がいっぱい
一軒屋避難小屋の上から鬼石沢が始まる



10m滝の上部を上がる 確保のトレーニングのためにロープを出す
最初に現れる大きな滝10m 手前には前衛の小滝も

10m滝 Nさんが上がる 高度感はあるが、ホールドはしっかりある


15m滝 水流右を苦戦して上がる。5mほど上がると残置支点がある。倒木が垂れているので邪魔になるがちゃっかりホールドとしても使わせてもらう。巻く場合は作業道のある右岸が良い。取り付きが急だがブッシュをつなげば上がれる。
10m滝の上 すぐにスラブ小滝

15m滝 残置支点が4箇所 慎重に登る 15m滝 Nさんがギアを回収しながら上がる





西丹沢的なあまりにも西丹沢的な
15m滝の上 天気が良いので明るい 穏やかな谷

先に石積み堰堤が見える ツツジが盛り 広い河原でビバークでき

6mナメ滝 登攀ルートを見定めて 快適に登れる


6mナメ滝を登る
傾斜が緩いので何とか 足元を選んで もうすぐクリア 快適


またナメが現れる
きれいなゴーロの間にナメが現れる


穏やかで澄んだ流れが遡行者を待っている
二俣で鬼石 左手にCS滝 右端が簡単に上がれる



標高980m二俣を右へ入る

まず傾斜のゆるいトイ状滝を上がる ツツジが咲いていた
3m滝 ここは水流左のバンドを伝って

堰堤の石垣にイワタバコ 葉を出し始めた 岩苔の上にツルシロカネソウ


1100m付近で恐れていた雪渓 だが左へ曲がるともう無い
岩床の上を細い水流が落ちる


右岸の高巻きへ ブッシュをつないで
1120m付近 四段滝(3、2、4、1m) 最初の滝が登れず右岸を上がって高巻いた けっこう時間がかかった

4m滝 直登できず 左を小さく巻いた


















大きな岩が現れるこれも鬼石沢の由来か 
大岩の乗越に体力を消耗する 1200m付近

畦ヶ丸 ゴールデンウィークというのに静かな頂上だった



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