押ン出シ沢おんだしさわ 丹沢山塊中川川
2014.04.12
高橋

ミツバツツジが咲き始めた 春本番









遡行図



参考情報
なし

コースタイム
箒沢駐車場9:25−押ン出シ沢出合9:42−500m二俣9:42−10m滝上12:16〜32−堰堤上二俣13:03−二段の滝(4+6m)−押ン出シ沢出合14:58−箒沢駐車場15:24



 ミツバツツジが咲いていた。このツツジは、葉の出る前に花が開く。先週、笹子沢小塚沢を歩いた時には気が付かなかったので、この一週間の間に咲いたものだろうと思う。三椏の次に鮮やかなピンクの花が咲けば、いよいよ春本番、沢のシーズン到来である。
 押ン出シ沢は、『丹沢の谷110ルート』で上級とされているが、他のガイドには1級上と記載されているものもあるようだ。ウェブ情報では、終盤に現れるヒョングリ滝が難しいとある。ここが登れず撤退する者もあるという。

 短い沢だが、滝の連続するきれいな沢である。この倍の距離があれば、西丹沢では人気の沢になるだろうと思う。小さな沢にもかかわらず、トイ状滝ではうっかりすると足元がすくわれるほど水の勢いが強い。花崗岩が磨かれてできた連瀑には、それぞれに小さな釜がある。苔がぬめり、ホールドが細かいため、小さな滝であっても侮ることはできない。大きな滝は少ないが、これらの事情によって登攀は難しくなる。右岸に現れる枝沢はどれも水があり、ナメ滝となって本流へ注ぐ。これが水量の多い理由だと思われる。
 押ン出シ沢の左俣は、出合から箒沢乗越へ詰める短い沢だ。水が流れるのはその半分と少しなので、遡行の対象になるのは、距離にして出合から600mほどである。箒沢乗越への詰めがなかなか厳しいようなので、水の涸れる標高650m付近まで遡行して、同じ沢の左岸にある作業道を下がる者が多いようだ。

 箒沢バス停前の駐車場に車を止めて、身支度をする。ここには公衆トイレもあるので便利だ。バス停の前から広場を横切って中川川の河原に降りて上流へ向かう。きれいな川を100mほど遡ると大きな石のゴーロとなる。沢が大きく左へ曲がるところで、左岸に堰堤を見せる沢が現れる。これが押ン出シ沢だ。


中川川の広い河原を遡る こんな小滝もある

大石のゴーロになると沢が大きく左へ曲がる 左岸に堰堤が現れる 押ン出シ沢出合だ


 無粋な堰堤が三基つづくが、左岸のヒノキ林から簡単に巻ける。沢に戻ると明るい陽が差していた。北西向きの沢なので、さぞ暗いだろうと想像したが、沢の彫りが浅いためか明るい。春の沢は、暗いより明るい方が良い。
 右岸からナメ滝が入るとV字谷の本流には小滝が現れる。いくつかの小滝を快適に超えてい行くと、まだ身体が温まらないうちに難しそうな三段の滝が現れる。傾斜は緩いが、10mぐらいある。小さな釜がある最初の滝から体を持ち上げることができない。つくづく下手くそだなと思う。高巻きは、左からだが小さく巻くには勇気がいるだろう。高巻くなら少し大きく右岸のザレを登るのが良い。三段滝の途中へ降りてその先を登ろうとしたが、結局登れずにまた高巻きに戻った。こういう勝手が許されるのは単独行だからだ。ひとが一緒のときは、こうはいかない。この600m足らずの沢を4時間もかけて歩いたのだから、こんな贅沢はない。



同左 中段部 この上、上段がまた登れないので戻って再度高巻く
三段10m滝 傾斜は緩いが登れないので右岸を高巻く


 この三段10m滝上にも九つの滝が続く。こちらは少し易しい。この九連爆を過ぎると明るい河原になり、正面に大きな滝が現れる。10mぐらいだ。陽の注ぐ明るい河原で、一休みしたい所だ。右岸からは3+4mの二段滝を持つ枝沢が入る。その右岸側に石垣がある。わさび田でも有ったのだろう。10m滝は水流右を登ることができたが、落ち口にトラバースするところが際どく、結局下へ戻った。ここは、右岸の枝沢、3+4mの二段滝を上がって簡単に高巻くことができる。



九連爆 中間の3m二条滝 ここを上がるとまた小滝が続く
九連爆 下の四段

九連爆 上の四段 手掛かりが少ない


連瀑帯を上がると、明るく広い河原 10m滝が見えてきた 手前左から枝沢が入る
水流の右を登れるが、落ち口へのトラバースが自分には難しく下りた


高巻き途中の10m滝
10m滝手前の右岸枝沢 上に石垣が見える この滝を上がって本流10m滝を巻いた 難しいところは無い

10m滝上にはミツバツツジが咲いていた 休憩しお昼にした


 10m滝の上はすぐ2m滝になり、先がゴルジュ4m滝、6m堰堤となる。4m滝は左のバンド状を上がったが、逆層なので一歩が緊張した。この滝の取り付きには残置支点がある。堰堤は左隅を上がった。ちょうど良い具合に倒木に掴まることができたので幸運だった。倒木がなければ、もう少し難しいだろうと思う。最上部で左手のホールドが剥がれ慌てた。体重をあまりかけていなかったので難を免れた。堰堤の上で左岸からパイプが突き出し、水が沢へ落ちている。



ゴルジュ4m滝と堰堤
4m滝 左のバンド状(落ち葉が堆積しているところ)を登った 緊張するところがあった 両足を入れ替えると比較的楽に通過

隅角を登った 倒木がバランス取りに役に立った


 堰堤の上はまた広い河原になり二俣になる。正面に堰堤が見えるのが本流で水がほとんど無い。左俣は5m、2mの二段滝が落ちている。水量は多い。5m滝は、左壁を上がった。2m滝はホールドが細かく手強い。



左俣出合 4m+2m滝 ゴルジュ
4m滝 左の岩を登る


湧水の流れる岩にミズ? 開いたばかりの葉が
2m滝 釜がある 右を上がったが手こずる


 左手からナメ滝が落ちると本流は両岸狭まるトイ状滝になる。トイ状滝の奥は何やら妖しい雰囲気が漂っている。案の定、幅広のきれいな滝が現れた。4m、6mだ。上段のスダレ状滝は、ホールドはありそうだが立っているので難しく見える。だれかリードしてくれないかな―。そんな思いで滝を仰いだが、だれも返事をしてくれる者は無い。これは、単独行の悲しさでもある。何か俺って下手だな―。それに慎重だし。
 ここで引き返すことにする。ヒョングリの滝を見ることができなかったので残念ではあったが。なお、これらの滝を高巻くのは左岸からだろうと思った。



トイ状滝は問題なく登れる 下降時はスリップ注意だ
ゴルジュのトイ状滝になる

下4m 上6mスダレ状滝 スダレ状滝は見るだけ この後 ヒョングリ滝を見ずに下山した


 下降ルートは、まず堰堤上の左俣出合(標高570m)へ戻る。水を吐き出しているパイプの所へ左岸を上がる。急に見えたが難しくない。水道設備がある。黒いパイプが下流に伸びている。水を引いているようだ。急な枝尾根をロープに導かれて10mほど上がると、そこから下流方向へトラバースできる。難しいところにはロープが張ってあるので安心だ。右手に沢の音を聞きながら作業道を歩くと、やがてヒノキ林になる。右手に先ほど登った連瀑を見ることができる。ここにもミツバツツジが咲いていた。


水道施設の点検のため、トラバース道にはロープがある
右手に最初に登った連瀑帯が見える ツツジが咲いていた



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