屏風岩山 丹沢山塊中川川
2014.03.29
高橋

三椏が咲いていた 三椏には日陰が似合う














参考情報
ひろこの山旅 丹沢:ミツバ岳〜屏風岩山〜笹子沢 

コースタイム
大滝橋9:15−一軒屋避難小屋10:15−890m地獄棚沢二俣10:53−屏風岩山東峰11:55〜12:37−笹子沢530m地点13:40−笹子沢二俣大滝14:15〜20−県道着15:15


 西丹沢へ向かった。三椏の季節でもあるし、4月の下旬にこの辺りの沢を歩く予定もあるので、早春の丹沢の沢を散策してみようという訳である。
 大滝橋の近くへ車を置いて、一軒屋避難小屋まで登山道を歩く。作業道を歩いて、地獄棚沢の二俣まで歩いてその後は、地獄棚沢を遡行して屏風岩山へ上がる。その後は、笹子沢左岸尾根を下り、530m地点で笹子沢へ降り立つ。そこから少し遡上して笹子沢の二俣で大滝を見て、そこから沢を下るという計画だ。(ルート図参照)
  *笹子沢左俣は、屏風岩沢とも云われているようだ。(西丹沢頂稜河川土地名称図)

ルート図





 大滝橋から避難小屋までは、登山者に会うこともなく静かな登山道を歩いた。時々、大滝沢対岸のルンゼに白い雪渓が認められた。避難小屋から地獄棚沢二俣までは、作業道を歩くことにする。ここは、昨秋Nさんと歩いたところである。地獄棚沢左俣の遡行のあとに、下山路に使った道だ。この作業道は、最近修理されたらしく土留がされ、格段に歩きやすくなっていた。ただ、二俣近くで右手の尾根に上がってしまうので、ここは、谷へ降りる踏み跡を選択する必要がある。この道は荒れていて足元に気を使う。
 二俣からは、左俣へ入り屏風岩山へ詰めようと考えていたが、わずか100mほど遡ったところで行く手を阻まれた。雪渓である。今年は2月に大雪が降ったので、多少の雪渓は覚悟していた。だが、これほどまでとは思わなかった。このところの気温の上昇によって、雪渓は軟かい。
 やむを得ず、右岸の斜面に取り付き踏み跡を辿った。この踏み跡は、地獄棚沢の大棚へ続くものだが、手入れがされておらず荒れ果てている。途中枝尾根を辿って、屏風岩山の東峰へ至る大尾根へ上がった。この尾根は、ほとんど人の歩かない所だと思っていたが、思いのほか踏み跡が濃い。こんなにバリエーションルート(以下、Vルートと記す。)を歩く人がいるのだろうか。この尾根は、地獄棚の近くから沢を経由する他無いルートなので、何か不思議な気がした。
 屏風岩山東峰の陽だまりで昼ごはんを食べていた時である。次々と登山者が現れるので驚いた。この東峰は、屏風岩山頂上から東に200m離れている。この頂上から人の声が聴こえるほどの近さであるが、昭文社の地図には登山ルートとして掲載されていない。いわば、Vルートだが、まるで正規ルートのように人が行き来している。これも不思議だった。市販の地図を手に歩いている人もいて、このあたりのVルートを記載した地図でもあるのだろうか。あったらほしいものだ。登山者と会話したところによれば、東峰と大滝橋を結ぶ尾根を「東尾根」と呼んで、尾根の名前もある「一般化」したルートのように語るので、これも不思議だった。
 丹沢の尾根は、鹿のおかげでヤブがない。地図さえ読めれば、どこでも歩ける状態にあると想像できる。道のないルートを歩くのは、何か探検気分を味わえるし、人に会うこともまず無いので、静かな山行を楽しめる。山好きの人々が放って置かない魅力に満ちている。自然の成り行きだと思うべきかもしれない。
 丹沢は今や沢のゲレンデではなく、Vルートのゲレンデになっているのだろうか。そういえば、1020m地点で笹子沢左岸尾根を探していたら、GPSを取り出して私の行き先を教えてくれた人がいた。もしかしたら、このGPSの普及がバリエーションルートのにぎわいの理由なのだろうか。それとも、単純に三椏のベストシーズンに山行を定めたのが、このにぎわいの理由なのだろうか。
 帰りには、人の並ぶバス停で、登山者をバス二台に載せたていたが、乗り切れない人も出そうなほどの混雑だった。やはり、三椏の影響かなぁ。そういえば、麓の幹線道には、「みつまたの里」の幟がいくつもはためいていた。

*「西丹沢登山詳細図」吉備人出版、なるものが2013年11月に発売されたようだ。そういえば、屏風岩山東峰で会話を交わした人が、それらしき地図を持っていた。バリエーションルートを地図にして市販するということは、すでにそこはバリエーションのルートではないということになるだろう。なにか嬉しいような悲しいような、複雑な気持ちだ。以前から、無名の尾根を歩いていた丹沢のバリエーション愛好家にとっては、有り難くないことだろうと思う。


一軒屋避難小屋〜地獄棚沢二俣

地獄棚沢二俣へ向かう作業道 最近整備されたらしく歩きやすい
地獄棚沢右俣 四段の滝 どれも容易に登れる

地獄棚沢二俣 下流部の連瀑帯とは変わって穏やかな渓相 ここで左俣、右俣が分かれる


地獄棚沢左俣遡行〜右岸尾根

すぐ雪渓が現れる
左岸からきれいなナメ滝が入る

雪渓が多くなり、雪渓を歩く すぐに雪渓が行く手を阻む

右岸の踏み跡に上がってから 左俣を見ると


右岸尾根〜屏風岩山東峰

右岸尾根から地獄棚沢の雪渓
暖かい日だ 意外に踏み跡が濃い


のどかな尾根を歩く 緑はアセビばかりだ
950m付近


霞んでいるが、鍋割山、塔ノ岳、丹沢山が見えている
鹿柵が現れると東峰は近い

葉が落ちて見通しの良い尾根を歩く 梢には赤い新芽が出ている


 東峰の陽だまりでゆっくり休んで下山だ。何も寒さを感じない暖かい日だった。笹子沢左岸尾根は歩きやすかった。いたるところ三椏が咲いていて、こちらを下がるグループも結構いた。バリエーションルートに人が多いのは、やはり三椏シーズンのせいなのだろう。ただ、檜林を歩くので、雑木林の明るさがないのが残念だった。
 笹子沢二俣の大滝はどちらも大きい。右俣の滝は直瀑なので迫力がある。20mはあるだろう。左俣の高巻きルートを目で追って、帰ることにした。


屏風岩山東峰〜笹子沢左岸尾根〜笹子沢530m地点

左岸尾根を下ると三椏が現れる
三椏は、まだ開いていないものもある

霞のように咲く三椏の群落は独特の美しさがある この美しさに惹かれて人が訪れるが、このバリエーションルート?にこんなに人がいるとは


669mの標柱 ここから100m歩くと踏み跡は二手に分かれる
笹子沢 古い倒木で荒れている 歩く支障にはならない


笹子沢530m地点〜二俣大滝〜笹子沢下降

小さな滝が時々現れる 沢は小さな倒木が多い
ホールドが細かくへつりが難しい 右岸を巻いた 懸垂で下降


左図上段 左をへつる
三段の小滝 赤い椿の花が数輪落ちていた 和風の情緒があった

左俣大滝18m 右俣大滝22m


沢のほとりにも三椏が静かに咲いている
480m地点 右岸から水のある沢が落ちる いつか歩いてみたい

480mの支流が右岸から入る 上流部を振り返って



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