ウェルネス・クライマーズ短信 068
大戸沢岳
  南会津
2014/02/01
黒川、大橋

***ページ確認

ルート図





遥か彼方の青空の下に稜線が見える。昨年の大雪崩と数年前の土砂災害で沢が大きく変わってしまった。

ラッセルに汗が滴る。交代をしながら高度をかせぐ。



東京から来たという若者三人組みがラッセルを交代してくれた。

三つ岩岳が見えてきた。この辺りまでは山頂を夢見ていたが・・・



1386でいつも迎えてくれたブナの大木。幹の芯が空いていて目立つ存在だったが、もうその姿を見ることはできない。

ヒラタケが厳冬期でも採れたブナの枯れ木。新しい1386のシンボルとなるだろう。朽ち果てることなくいつまでも立っていてほしい

























1386から望める大戸沢岳、右手には三つ岩岳も見える。

     標高1500で休憩。遠く霞の向こうには那須連山がある。




 本格的な山スキーを始めたのが大戸沢岳であった。このときは山アLと二人だけであった。右も左も分からず、只々山アLの後をついて行っただけである。どの辺りまで登ったのか、どこを滑り降りたのかも覚えていない。多分トレース跡を忠実に下山したのだろう。

 何度か通ううちに北斜面コースを初めて降りることになった。このとき立ち止まって覗いたが、急激に落ち込んでいて下方が見えず、相当の急斜面に気が退けたのを覚えている。最初は滑るというより落ちていく感覚でスキー板を回転させていった。しかし滑り降りてるうちに胸までも浸かる深雪にも慣れ、夢中になって板を回していた。それからは、大戸沢岳といったら北斜面コースを滑り降りることだけに夢中になっていた。

いつもなら山ア
Lがトップで行ってくれるが、今日はリハビリ中のためいない。黒川さんと二人だけの山スキーである。こんなことはいままでに一度もなかったことである。取り留めのない会話や車窓の景色を見やっているうちに、いつもの登山口に着いた。

 スノーシェッド脇に車を止めて歩き始めた。今日の計画は@案「標高1500まで」と、A案「条件が良ければ山頂を」と計画をたてた。天候は無風快晴と申し分ないが、体力と気力が今一つであった。1386手前までのラッセルが効いたのと、今シーズン二度目ということでスキー歩行に慣れないこともあり、早々に@案でいくことにした。

 1386から前方に、大戸沢岳から稜線通しで三つ岩岳が大きく見える。気温も高く、半袖シャツと長袖シャツ二枚でも汗ばむような陽気である。標高1500で早めの昼食をゆっくりと楽しんだ。

 今日の雪質は相当重く、曲がるだろうかと心配しながら高度を上げてきたが、滑ってみると意外と板が回ってくれた。1386からは、当然のように北斜面に飛び込んでいった。北斜面は北面を向いてるのと、ブナの大木で日の差す時間が短いこともあり、他の場所より雪が軽いのがいい所なのだが、今日は重い。それに木に積もった雪の塊が落ち、その上に新雪が積もったので雪面が凸凹としてる。ブナの大木や小藪、凸部を避けながら無事、桑場小沢出合いに降り立った。

 ここからも何度も立ち止まり、沢越えのルートを見つけながら慎重に滑り降りた。
                               O.



上手く重雪をこなし回転に結びつけてゆく。スキー技術の見せどころだ。

静かなブナ林に、新雪を駆る音と息づかいだけが聞こえる。






正月に蓄えし目方戻らざれば急登攀は脚に応えり

空合は妙妙たれど板ばかりまつろはざりて雪に埋もれり

                        Ku.




スキー技術を最大限に引き出して重雪をこなしていく。完璧な姿勢だ。

重雪に負けてしまった。


北斜面の急勾配を、上手くスキー板を回し込んでセーブしながら降りていく。

この位置で右手が後ろ、左手が前に出ると躰が遅れなくていいのだが。理屈では解っているが、なかなか難しい。


やってしまった。


















木から落ちた雪の塊に新雪が積もっていて思うようにスキー操作ができない。しかし、そんなことなど言ってられない。滑り降りるだけだ。


北斜面を攻略してコーヒータイム。ホットする一瞬だ。

最後の徒渉点だけが口を開けていた。
安全のためロープで確保仕合いながら無事通過した。










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