城山〜発端丈山〜長浜 伊豆
2014.01.26

高橋

長浜に下山途中 畑には夏ミカンがたわわに














参考情報
 なし

コースタイム
登山口9:26−城山10:18−鶯谷11:12−益山寺分岐11:35−発端丈山11:55〜12:18−内浦湾13:00


概念図



ルート図





リアルな妄想
 登山というのはスポーツなのだろうか。スポーツだとしたら登山は何を競うものなのだろうか。
 最近トレイルランニング(以下、トレランと記す。)なるスポーツが隆盛を見ているようだ。トレランは登山と同じコースで行われることがある。そのためか、トレランは山岳耐久レースと云われることもあるようだ。登山とトレランは、直感的には似て非なるものと思うが、実際どうなのだろうか。トレランは、マラソンのように走行の速さを競う。だが一般に登山は競うべきものを持っていない。あるとすれば、頂上へ立てるかどうかが問われることだ。だが、沢歩きやロッククライミングのように必ずしも頂上を目指さない場合はどうなのだろうか。
 登山は、一般にタイムを競うことが無いため、競技者が大勢集まって一斉にスタートすることがない。競うものがない登山とは、いったいスポーツなのだろうか。遊びや娯楽なのだろうか。遊びや娯楽はスポーツよりもレベルの低いものなのだろうか。登山はタイムを競う競技ではないが、タイムが優れていれば、その活動範囲が広がる。とすれば、登山はトレランに学ぶべきことがあるのではないか。それより、6時間で走り切るトレランと同じコースを、一泊二日で歩く登山は、もう同じスーポーツとはいえないのではないか。登山はトレランに負けたのだろうか。だが、トレランは、未知のコースを自ら選択することがあるのだろうか。地形図と方位磁石で行方を定め、ルートを自分で決定することがあるのだろうか。クライミングロープを持って走ることがあるのだろうか。トレランは、どこまで登山的で、登山はどこまでトレラン的であるべきなのだろうか。
 登山コースを走るトレランがさらに進化して分化する可能性がある。もしトレランが、イワナを蹴散らして沢を疾走するようになったら、沢愛好家のわれわれは、どうするのだろうか。自然は皆のものとはいえ、それを黙って見ているのだろうか。

コンパスの故障
 いつの間にか、こんなことを考えながら葛城山(かつらぎやま)の南側をトラバースしているのだった。この妄想のようなしかしリアルな思考は、コンパスの不調により中断された。さっきから歩いている方角がおかしい。地形図からは西へ向かっているはずなのだが、コンパスで当たってみると東へ進んでいるのだった。体内磁石は、西へ向かっている。太陽の位置もそれに合っている。どうやらコンパスがおかしい。それとも、地磁気が乱れる箇所を通過しているのだろうか。幾つかこの現象を考察してみたが、結局「コンパスがおかしい」ということになった。仮に、このコンパスの故障が、単独行のしかも未知の山域で起きたら、パニックにならずに済むのだろうか。もしこれが、GPSだったらどうなるのだろうか。だが、コンパスが壊れるということがあるのだろうか。少なくても自分の経験には無い。後でゆっくり家で調べてみよう。

登山口〜城山
 クライミングのゲレンデとして名高い城山(じょうやま)へ上がり、そのあと葛城山(かつらぎやま)の南面をトラバースして発端丈山(ほったんじょうざん)へ登り、そこから内浦湾長浜へ降りるコースを歩いた。4月上旬の気温という触れ込みだったが、風の強い日だった。細くまっすぐ伸びるヒノキが風で曲がり、互いに擦れ合う大きな音をさせていた。その途中で、リアルな妄想が起こり、コンパスの不調があった。1月の末だからか、会う人は少なかった。
 城山の麓に車をおいてスタートした。クライミングに来たのだろう。10人ぐらいのヘルメットの集団がいた。城山の南壁は巨大だ。200mはあるだろう。そばから見ると感動する。虫のようにこの壁にへばりついている者が居る。だが、きょうは高い位置を登る者は無い。今日はこの風だ。バランスを崩して飛ばされてしまうだろう。低い位置に、三人のクライマーが見えた。風の弱い低部でトレーニング、という考えだろう。
 城山の尾根までは早い。尾根に上がって姥目樫(うばめがし)の林を抜けると田方平野を望む頂上へ出る。伊豆半島の中央を流れる狩野川(かのがわ)が蛇行しているのが見える。春のような陽気に水分を含んでいる。遠くの景色が霞んで見える。


三人がほぼ同じ高さでへばり付いている
城山 登山口から 露岩が頂上まで伸びている

強風のため 今日は高い所にクライマーはいない
























大きな石に「城山頂上」とある 誰もいなかった
城山 ウバメガシの先に頂上が見える

頂上から狩野川の流れる田方平野を望む


城山〜発端丈山、長浜
 頂上を取って返し、葛城山の方へ向かう。しばらくは、穏やかなトラバース道だ。林道へ出る手前に「鬼石」がある。この「鬼石」は、自分でつけた名前だが。ちゃんとした名前があるのだろうか。鬼の手で置かれたような、大きな石が7つ並べられてある。簡単な面をボルダリングして遊ぶ。林道へ出ると、左手に先へ向かう標識がある。
 左手に尖った篠鉢山(しのばちやま)を見て鶯谷へ向かう。鶯谷はその名の通り鶯が鳴く谷の意味のようだが、まだウグイスは早い。ここで葛城山からの登山道にぶつかる。ここからは、左手、西へしばらく進む。発端丈山の頂上へ出るまで、展望はない。ヒノキやアオキの多い林が続く。益山寺への分岐を過ぎると、明るい雑木の登山道に変わる。ゆるやかな上りが思いのほか長く続く。途中、見事なマンリョウが赤い実を付けていた。発端丈山には人影がなく静かだ。ここからは、海が見える。今日は暖かいので、霞がかかりいまひとつだ。ちょうどお昼なので、楽しみにしていた弁当にする。空ではゴーゴーと風が鳴るが、思いの外風は当たらない。
 頂上から内浦湾長浜までは急な下りだ。400mほどを一気に下る。昨夜降った雨を含んでいるので滑りやすい。何とか転ばずに降りた。海岸近くの穏やかな斜面になると、みかん畑になる。葉の緑と果実の橙色が鮮やかだ。夏みかんや取り残された温州みかんが枝に下がっている。県道に着けば今日のトレーニングは終りだ。海抜0メートル地帯。三陸で大津波があっても、海の者は海で生計を立てている。海を離れようがない。
 水族館と動物ショーの三津シーパラダイスからバスに乗り、伊豆長岡駅〜大仁駅へ出て、歩いて城山の麓に置いた車を回収した。大仁駅から駐車地点まで、歩いて25分ぐらいだ。


「鬼石」が7つ並べられてある 奇妙な雰囲気だ 「鬼石」の高さは3〜4mぐらい

登山靴でボルダリング
ハングした岩もある 登れない 取り付いた跡はあるがあまり使われてはいないようだ


発端丈山への登り 明るい登山道に変わる
益山寺分岐の手前


大きなマンリョウが自生
雑木林は姥目樫(ウバメガシ)がいっぱい 備長炭の原料という

発端丈山への最後の上り 長い登りで疲れた

















内浦湾が見える 暖かいせいだろう、靄がかかっている
発端丈山の頂上 人影がなく静か ここでお昼にした

林の中はアオキが多い


のどかなみかん畑を降りて行く
内浦湾 淡島が見える 淡島の右前方には富士山が顔を出している 靄がかかっているので分かりにくい 

もう海岸は近い 人通りの少ない静かな佇まい



Home