石棚沢 丹沢山塊中川川東沢
2013.11.22

高橋

マムシグサ 赤い実には毒があるという









遡行図




参考情報
「雲のような日々 石棚沢2011.12.08

コースタイム
箒沢公園橋9:51−東沢出合10:07−石棚沢出合10:34−780m二俣11:19−930m二俣12:38−980m三俣13:14−1120m稜線登山道13:58−板小屋沢ノ頭14:07−板小屋沢14:50−箒沢公園橋15:15

ルート図




プロローグ
 今週は、久々に平日に山へ出掛けた。週末は前から予定の用事で動けない。天気も良いので、例によって近くの西丹沢へ出掛けた。近くと言っても自宅から西丹沢自然教室までは50kmほどである。東名高速も使って約1時間半の道のりだ。近いといえば近い。遠いといえば遠い。そんな距離だと思うが、このぐらいの所に、丹沢の山々があるのを幸せに思う。
 西丹沢中川川東沢の支流、石棚沢へ向かった。前日に偶然web情報を見たためである。この時期、出掛けるのはどこでも良い。沢の風に吹かれ、水と戯れることができればどこでも良いのだ。いくら温かい丹沢とは言っても、11月も末、沢のシーズンもそろそろ終りだ。web情報、「雲のような日々 石棚沢」によれば、石棚沢の下流域はゴーロだが、中流域には水流が現れてなかなか楽しい遡行になるという。東沢は、丹沢自然教室の近くで中川川左岸へ入る大きな沢だ。東沢本流・本棚沢は檜洞丸に突き上げる。石棚沢は、標高630m付近で東沢の左岸に出合う大きな枝沢だ。地形図には、950m付近まで水線が入っている。

石棚沢概要
 石棚沢は、涸れ沢だった。中流域に現れるという水流も、今回は現れなかった。ただ、スラブ滝の色模様から水の流れている形跡があるので、流れのある時期もあるのだろう。780m二俣までには多数堰堤があるが、その一部が崩壊しているものも多い。水が出た時は、想像以上の水量になると思われる。
 標高800mを過ぎた辺りから、谷が深くなり始め小滝が現れる。その先は、予期していない立派なゴルジュになった。小滝が現れゴルジュを抜けるまでが、この沢のハイライトだろう。涸れ滝だが、滝の数を合わせると15ほどにもなる。大きな滝はない。5〜6mがせいぜいだ。そのハイライトの距離は、わずか400mほどである。渋い沢だ。長いゴーロを歩き、この400mのためにこの沢を歩こうとする者は少ないだろう。水がないので12月初旬まで登れるというのが魅力かもしれない。ただ、北面の沢であるため、全般に陽が当たらないのが欠点だ。
 今回は、930m二俣から左岸の枝沢を使ってショートカットしたが、時間があれば本流を詰めて、石棚沢の全容をつかみたいとも思う。標高1100mから等高線が密になる箇所には、大きな滝があるような気がしてならない。この場合は、長いゴーロを再び辿るのも面倒なので、今回の詰めと下山路を逆に辿り、930mの二俣からスタートするのも一案だろう。それにしてもアプローチは長い。

石棚沢出合まで

 石棚沢出合まで東沢を歩く。西丹沢自然教室を左に見て舗道の橋を渡ると右手にキャンプ場がある。このキャンプ場の右手を東沢に沿って歩く。河原が重機で均された広い道路だ。東沢は河原の広い大きな沢だが水量はそう多くない。下流中流部は堰堤が連続する。しばらく、東沢の右岸道を歩く。車一台が走れるほどの立派な道だ。これは、東沢沿いの登山道で、丹沢の高峰檜洞丸へ至る。最近は、北側の山腹にある登山道が利用され、この道はあまり使われてはいないようだ。だが、標識はしっかりしている。標高600m付近で登山道は左岸に渡る。この登山道は、石棚沢出合の直前で再び右岸へ渡る。


西丹沢自然教室
東沢左岸道を歩く 天気快晴

石棚沢 出合付近 荒れている 涸れ沢が続く


石棚沢出合から930m二俣まで
 石棚沢出合は涸れ沢であった。石積みの堰堤が780mの二俣まで続く。上流になるに従い一部が崩壊した堰堤が幾つも現れる。水が出た時の水量は想像以上なのだろう。そういう時期をみて歩けば、渓相豊かな石棚沢に出会えるかも知れない。やはり、水のある沢と無い沢では、その美しさが違う。
 標高800mを過ぎた辺りから、涸れ滝が現れる。どれも小さめの滝だが、ホールドの少ないスラブ滝は、それなりに工夫して登攀することになる。面白い。私の靴はフェルトソールだが、アクアステルスの靴では簡単すぎて面白みが奪われるだろう。850mを過ぎるとゴルジュが現れる。両岸切り立ち、沢幅が数mにまで狭まる。思いがけない「立派な」ゴルジュである。ゴルジュには小さな滝が連続する。最狭部の滝やゴルジュ出口の5m滝を越える時には、少々緊張する。水がある時は、最狭部の滝では濡れるので、左岸のバンドを利用することになるのかもしれない。出口の5m滝は、遡行者の力量によってルートが選ばれるだろうが、油断してはいけない。
 この滝の先でゴルジュを抜けるが、沢が大きく左へ曲がるところで3m、4mの滝が現れる。このすぐ先、標高930mで左岸から急傾斜のガレ沢が入る。沢幅はかなりある。ここは二俣だと言っても良い。



石棚沢の遡行はまず堰堤越えから 水は無い
前方に見えるのは石棚山か


堰堤がいくつも現れる 上流部は崩落しているものが多い
780m二俣 左俣の堰堤は崩落 右俣本流は以降堰堤が無い


振り返ると加入道山が見える
標高815m付近 初めての滝3mが現れる


傾斜のゆるい小滝 良い雰囲気だ 水があれば映えるだろう
ハング滝4m 右から上がる 前方右岸には岩棚が


大岩の左がCS3m滝
沢が右へ曲がる所に大岩 かなり大きい

5m滝 水流?沿いを登攀 見た目より傾斜があり緊張した


両岸切り立つゴルジュ 最狭部は数mだろう
沢が右へ折れると予期せぬゴルジュが現れた

最狭部の涸れ滝3m 水量がある時は苦戦するだろう 垂直に近い5m滝 思い思いのラインを探すことになる


沢が左へ曲がるところで3m滝 ここも水があれば
水があればさぞ綺麗だろうと思わせるスラブの窪

4m滝 これを越えると930m二俣


930m二俣 左俣本流 4m、2m滝
930m二俣 右俣のガレ沢


930m二俣から稜線まで
 この二俣からは本流を歩こうと思い、先の4m、2mの滝を越えた。だが、その先はガレのゴーロが続いている。石棚山1351mの北側稜線1401mピークに突き上げるのが本流だろうが、時間も押していたので、このままゴーロを詰めるのをためらった。本流を詰めた場合の距離も標高も、まだかなりある。本流を詰めた場合は、地形図で1150mの辺りがかなりの急傾斜になることが分かる。登攀の難しい岩棚でも現れたら夕刻にならないとも限らない。
 ここは、少し戻って、930mの左岸ガレ沢を詰めることにした。きのう地形図で検討しておいたものだ。この枝沢は急とはいえ、この辺りの詰めのルートとしては、比較的穏やかな傾斜の方だ。ここなら良いだろう。ガレに近いこの枝沢を息を切らせて登ると、980mで三俣になる。一番左が本流筋で谷が深い。一番右の沢は谷が浅く、西丹沢としては珍しく岩には緑の苔がびっしりと付いている。最近はガレ石の崩落がないのだろう。ここを詰めることにした。傾斜が緩めとはいえ、急傾斜であることには変わりがなく、稜線直前にはかなりの傾斜になった。ここをジグザグに辿り、ようやく稜線に辿り着いた。疲れたーー。地形図で目指したコル1100mから少し東側に外れ、標高1120mの登山道だった。
 ここからは、箒沢へ向かう急傾斜の登山道を下り、板子屋沢沿いの左岸道を歩いて下山した。



980m三俣 正面が本流左俣
 
三俣から本流左俣


右俣の枝沢は岩に青い苔が生えている
三俣から 左が中俣 右が右俣 右俣へ入る

目指すコルが見えてきた 急斜面にあえぐ



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