一ノ沢 丹沢山塊中川川用木沢
2013.11.03

高橋

水の涸れた沢にイワシャジンがひっそりと咲いていた








遡行図




参考情報
「一ノ沢」、「源太ワナバ沢」の沢名は、「AYコーナー山ブログ」手沢の項を参考にしました。「源太ワナバ沢」を「一ノ沢」とする情報もあり、混乱しています。


コースタイム
用木沢出合8:50−一ノ沢出合9:23−二段30m滝9:3210:35900mスラブ5m滝11:25431000m二俣12:13−稜線登山道13:27−犬越路避難小屋13:3755−一ノ沢出合14:14−用木沢出合14:33

ルート図



プロローグ
 先週歩いた源太ワナバ沢の東隣の沢、一ノ沢を歩いた。一ノ沢も用木沢の右岸支流のひとつである。源太ワナバ沢遡行の帰り、犬越路から登山道を下山した時に一ノ沢出合からその奥を覗くと大きな滝が見えた。期待できそうな沢なので、いつか歩きたいと思った。が、その心を抑えきれず、次の週に来てしまったという訳である。
 一ノ沢は、源太ワナバ沢に比べると標高差はあまり変わらないが、水平距離は半分に過ぎない。つまり、源太ワナバ沢の緩傾斜に比べれば、相当な傾斜になっていることが分かる。ということは、もしかしたら、滝の多い沢かもしれない。だが、登れる滝だと良いのだが。
 源太ワナバ沢本流と同様、一ノ沢のweb情報は見当たらない。「丹沢の谷110ルート」にも掲載されていない。そういう訳だから、そう期待するほうがおかしいというものだろう。だが、先週の現地情報によれば、大きな滝があるのは間違いない。やっぱり行って見る他ないだろう。11月はしばらく沢を歩けそうにないので、そんな事情も尻を押した。


用木沢の清流 一の沢出合手前 登山道の脇にブナの大木がある


一ノ沢遡行
 一ノ沢は滝の沢である。まず出合から4mのナメ滝になる。登山道が橋で一ノ沢を渡るところで、穏やかなナメ滝を見せる。一ノ沢出合から
10分ほど釜の底のようなゴーロを歩くと二段の大滝に当たる。かなり大きな滝だ。この滝は、15m、15mの二段30m滝だ。残念ながら水量は少ない。先週の豊富な水量は、台風による降雨のせいだったようだ。
 二段30m滝の下段は何とか登れるかもしれないが、上段は急なスラブになっていて、登るのは難しい。高巻きも時間がかかりそうなので、この滝の前で引き返したくなる。もしかしたら、web情報が少ないのはそのためかも知れない。軽い気持ちでこの沢に入ると、この大滝で追い返されてしまうだろう。
 この滝は、左岸を少し戻ったザレを登り、途中から大滝落ち口方向へトラバース気味に左岸斜面を登り、枝尾根を越えて本流へ15mほど急斜面を下降した。下降時にはロープを出した。ここの高巻きでルートを探すのに手間取り、1時間ほどの時間を費やした。全く情報のない大滝の高巻きは、やはり一筋縄ではいかない。だが、ルートさえ分かってしまえばそう難しいところは無い。


一の沢出合の4m滝 登山道がまたぐ
同左4m滝 登れる


高巻き途中 左下に本流が見えてきた 急斜面をロープを頼りに降りる
二段30m滝 水は少ないが、かなり威圧的な滝だ。登れないので左岸のザレを上がり、落ち口方向へトラバース気味に上がる。枝尾根を越えて本流へ戻る


 この二段30m滝の上を少し歩くと、再びスラブの滝8mとなり、ここからは険しい滝が連続する。ただ、ここも水量が少ないため滝の見栄えが今ひとつである。だが、水があろうがなかろうが、登るのは一緒なので緊張する。スラブ8m滝、二段5m滝、トイ状4m滝、5m滝と連続する。スラブ8m滝はとても登れないので、手前に左から落ちる滝を登って高巻き、5m滝は、右岸のザレ窪を上がって、木の根の伸びた弱点から枝尾根に上がり、枝尾根を下りながら本流へ戻るルートを探す。本流の先には傾斜の強い5m滝が待ち構えているので、直登できなければ枝尾根にもどり、さらに右岸を高巻く他はない。運良くこの5m滝は、水流左の乾いた岩を登れた。だが、岩が浮いているところがあるので、ホールドを確認しながら慎重に登った。この先は、ゴーロをまたいで5m涸れ滝、その先に、二段4m滝、スラブ5m滝が連続する。スラブ5m滝は右岸を巻いたが、いずれも問題になる箇所はない。



同左 水が少ないので見栄えがしない 見たよりも傾斜は急だ この先は、二段5m、凹状4m滝、5m滝と続く
8mスラブ滝 とても登れない 左の流れから登り高巻く


大文字草が陽の光を浴びていた
8mスラブ滝の高巻き 本流に多段の滝が見える


5m滝 水は少ない ホールドが細かく自分には登れない 左のザレ窪を上がり高巻いた
多段の滝 凹状4m滝の先に落ち口が見える


5m涸れ滝
5m滝 水流左を登った 岩が脆いので要注意だ


登ってきた沢を振り返ると紅葉が
ガレを登る


水は少ないがしっかりと流れている
二段4m滝 上にも滝が見える

二段4m滝上部 岩のきれいな滝だ 二段4m滝に続くスラブ5m滝 手掛かりがなく登れない


 二段30m大滝からこの標高900m付近のスラブ5m滝まで、休む間もなく滝が続く。登れる滝もあるが高巻きを要する滝も多い。登攀に自信があるか、高巻きを厭わない馬力が無いと苦労するだろう。この先には、950m付近に傾斜のゆるい3m滝が二つ連続する。上段の3m滝は落ち口付近のホールドが細かい。ここの景観には何故かいやされる。
 標高950mから先は、水のないゴーロ歩きやガレの登りに終始する。途中から右岸尾根に上がり、源太ワナバ沢との境界尾根を一ノ沢出合まで下る方法も検討に値するだろう。きょうは、一ノ沢を調査するのが目的だから、最後まで詰める。



上の3m滝 落ち口のホールドが細かい このU字の景色が何とも言えない
傾斜のゆるい3m+3m滝


詰め
 標高950m付近からも滝を期待したが、ほぼゴーロとガレの登りに終始した。1000m付近で二俣になる。左俣には三段10mほどの滝が見える。水がわずかに流れている。右俣には涸れ滝5mが見える。ここは、間違えて右俣に入ってしまったが、すぐ幅の狭いガレルンゼになる。すぐ枝尾根を越えて本流三段10m滝の上へ戻った。
 標高1100m付近で二俣になる。本流筋と見える左俣へ入ったが、右俣でも良いだろう。稜線は近い。1150mの小さな二俣で右へ入り、すぐ右の枝尾根に上がって、そのまま稜線を目指した。枝尾根は、枯れ笹が少し生えうるさいが、ヤブこぎすることもなく稜線に出た。



1000m二俣の左俣 三段10m滝が見える 水が少し流れる こちらが本流のようだ
1000m二俣の右俣 間違えてこちらに入ったが、トラバースして本流三段10m滝上に戻った

こんな長いガレを詰める 振り返ると左岸に紅葉が

詰めの途中で 気になる紅葉



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