笠科川ワル沢井戸沢1 尾瀬
2013.10.14

Yo、H、N、O、Ya、高橋
SSC

青空にナナカマド


  笠科川ワル沢井戸沢2






遡行図  




参考情報
「山で会えたら」2013.08.25 
笠科川ワル沢 井戸沢

コースタイム
10月14
笠科川入渓7:46−タル沢出合8:05−ワル沢出合9:29−ワル沢二俣9:50−1660m二俣10:40−境界尾根11:20−井戸沢1650二俣12:17〜35−1570二俣12:48−8mナメ滝13:35〜45−井戸沢橋14:23

概要
 今度遡行した渓は、笠科川−タル沢−ワル沢−ワル沢右俣−井戸沢(下降)と次々に沢の名前を変える。入渓後しばらくの笠科川は、穏やかな沢で特に悪いところのない癒し系の沢だ。タル沢は、沢幅も広く背中から陽が射し明るい。小滝やナメの中に、7m滝、二段5m滝、二つのゴルジュなど変化が現れる。このタル沢が今度の遡行のハイライトだろう。第二ゴルジュの通過は心配したほどのことはなかった。水が少なかったお陰かも知れない。タル沢はあまり急がず、ゆっくりと歩き沢を楽しむのが良いだろう。
 ワル沢に入ると沢幅が狭くなる。登るのに楽しいトイ状滝が現れるが、今回は水量が少なかったので迫力に欠けていた。この先の4mナメ滝が唯一登攀的?な沢で細かいホールドを拾う面白さを味わった。ワル沢右俣ヘ入ると、沢幅はさらに狭くなり大方はナメの様相になる。そのため歩きやすい。このナメも標高1650m付近から消え、ゴーロの沢になる。今回は、間違えて早めに左岸の支流に入って境界尾根へ上がってしまったが、この境界尾根を越えるルートも工夫すると面白いだろう。ヤブは濃くない。
 井戸沢は中流部から上流部にかけて、休みなくナメと滝が続く渓だ。下降するよりも遡行したほうが楽しいと思う。
 今度の遡行下降は、全体に初級の沢といって良いだろう。難しい場面はなく、距離は短く、行動時間も短い。日の短い秋でも日帰りできる。きつめの沢を歩き慣れている人には、少し物足りないかもしれない。

前夜そして朝
 津奈木橋を渡り、鳩待峠へゆく道を右に分け、二つ目の橋が井戸沢橋である。この橋の手前左に駐車場がある。三台は停められる。車道をそのまま走れば坤六峠だ。道の両側の樹木は秋の装いを見せている。今日はこの辺りに泊り場を求めて、明日、笠科川、タル沢、ワル沢右俣を遡行して、井戸沢との境界尾根を越えて井戸沢を下る計画だ。
 地形図のみの情報で、泊まれそうな河川敷を探すのも楽しい。当然穏やかな地形の辺りにねらいを定めることになる。井戸沢出合付近は、6人のメンバーの一夜の宿を準備するのに十分な広さがあった。
 いつになく大勢が集まったので、二班に分けて鍋を作ることにした。我々は、考えた末に、麺つゆ、鶏がらスープ、鰹だしをベースにしたちゃんこ鍋にした。鶏肉、鰯のすり身に、白菜、ネギ、マイタケ、しらたき、油揚げなどを加えると伝統的な味の鍋になる。鍋が小さめだったので少々苦労したが、味は申し分なかった。
 今日は風が強かった。一日中吹き、夕刻も強い。建付けの悪い自分のツエルトは、時々支柱が倒れたりした。前回遡行した割引沢ミクラ沢の時も強い風で、夜の宴が台無しになった。あわや今日もと思ったが、夜七時を過ぎると穏やかになり、焚き火を囲むのに絶好の夜になった。南には大きな月が尾瀬の森を照らしている。酒も入り、興に乗じて薪がいつまでもくべられる。互いに持ち寄ったご馳走が回され、豊かな宴になる。
 Nさんの手になるナスや豆腐のニンニク炒めは、上品な薄味だった。旨い!Oさんから回された鮎の甘露煮も、骨まで軟らかく美味かった。Yaさんはキュウリとミョウガの浅漬を出した。奥さんの手によるものらしい。日本の味と言えるような、素朴で見事な味だった。新鮮な野菜の味がのどを鳴らした。結局、歳を経てくると、自分が幼い時に食べたものが最も旨いと感じる。
 最近の自分は、食べる量が少ないので、ひとの食べるものにまで気が回らず、何も準備してこなかった。ただ少しずつ、皆の差し入れに舌鼓を打った。薪がくべられ、月は中天に懸かる。満天に瞬く星が、あすの好天を約束していた。気温も下がっているようだった。ツエルトにきらめく埃が付いていた。結局自分が狭いツエルトに潜り込んだのは、夜10時を回っていた。久々に焚き火を堪能した。

 翌朝、寒くて目が何度か覚めた。まだ暗い四時過ぎに起きた。宴のあとがまだ温かい。熾を集め息を吹く。暗がりに赤い熾火が広がってゆく。細枝をくべ、息を吹き、炎が立ち上がるのを待った。ようやく小さな炎が上がり、私の頬を照らした。独りで、炎のゆらめきに心を任せるのも良い。いつまでそうしていただろう。
 昨日のちゃんこ鍋の残りに、鮭おにぎりを一個加え、時間の掛かる朝食を皆よりも一時間も早く始めた。今、食べることは全てに渡って遅い。寒くて偶然起きたとはいえ、これは良いことだった。笠科川の河原が白み始める五時過ぎ、ようやく皆が起きてきた。


前夜 井戸沢出合付近に泊り場が求められる 静かに夜が明ける テントには白い霜が輝いていた


坤六峠へ至る車道を10分ぐらい歩く ブナの美しい林
名峰 笠ヶ岳が朝日を浴びている 気温は低い だが絶好の天気


遡行下降ルート




笠科川

かさね橋から笠科川へ入渓 穏やかな流れ


5m滝 左右どちらからでも簡単
同滝 Yaさんが上がる 今年ウェアもヘルメットも新調したらしい


タル沢
笠科川の支流タル沢へ 体調管理を万全にして参加のYoさん


7m滝 朝日が当たる
同7m滝を登る リードするHさん Hさんは馬力がある

小滝が続く良い雰囲気の渓相 久々の本格的な遡行に喜ぶNさん 背中から朝の光が差すので明るい


時々スラブが出てくる 思いのほか滑らない
穏やかな渓相が続く 癒し系の沢

二段5m滝 Oさんと戯れに右のい白い岩を登ってみる V級


             

ゲイジュツの秋
同二段5m滝を登るOさん 肝心な所でいつも助けてくれる


タル沢第二ゴルジュ
 今回の遡行の第一の関門は、タル沢第二ゴルジュだ。web情報によれば、ここは、右岸をヘつることによって突破する例が多い。一箇所バランスの取りにくい所があるようだが、メンバーの5人とも無事通過しているので、そう難しくないのだろう。私は、試みに左岸をヘつることにした。左岸の高みのヤブには、人の入った形跡があるので高巻けるのかも知れない。ここは高みのヤブへ入るのではなく、左岸の岩をへつり、行けるところまで行った。幸い深い淵を越え沢床が現れるところまで進むことができた。ここに捨て縄をセットして、補助ロープで3〜4mほど懸垂して沢床に降りた。あとは、そのまま遡行して、ゴルジュ出口の4m滝の落水を交わして左手を上がった。水量が多い時には、水をかぶるのだろう。今日は快適だ。


第1ゴルジュ上の小滝 ここは快適に通過
第二ゴルジュ 右岸に先陣を切るYoさん ここは左岸を進むこともできる 途中から3〜4mほどの懸垂になる


明るい沢 ナメを歩く 気持ちが弾ける
第二ゴルジュ出口の4m滝 水が少ないのだろう 左から回り込み簡単に上がれる

くの字滝のスラブで休憩 温かくて明るい絶好の休み場 くの字滝は、ゆるやかなので難しくない この上すぐ引上悪沢とワル沢の二俣




ワル沢
1530m二俣を右のワル沢へ入る





















トイ状滝を登る高橋 難しくはない
トイ状ノ滝 突っ張りをまじえて越えることになる

1570m二俣手前 4mナメ滝 同4mナメ滝の右を上がるYaさん ホールドは細かい

1570m二俣 右のワル沢右俣へ入る



ワル沢右俣

ワル沢右俣に入るとすぐ4m滝


ナメの岩はこんな感じ まだ落ち葉は少ない
ナメまたナメ 高度を稼ぐ


Oさんが笠ヶ岳が見えると教えてくれた パチリ
水は少ないが流れている


詰め どうも方角が違うな 予定ルートを外したことが分かった
ナメの中に4m滝が現れた ひたすら歩く


  笠科川ワル沢井戸沢2


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