2013.08.01 沢の写真 カメラのこと

オリンパス TG-2 Tough

















 遡行中に沢の景観は次々に変る。両岸切り立つ河原のゆるやかな流れ、小滝の連瀑に煌めく水の乱舞、通過困難な大滝の咆哮と飛沫、底の知れない大釜の碧い深み、沢の両岸を覆う深い緑、鳥のさえずり、梢の風のささやき、などなど。
 遡行の目的は、沢を歩くことにあるが、その遡行中に次々に現れる美しい景観を写真に収めたいという心理もまた理解できる。遡行は一回性のもの、写真を撮る意味がないとして、写真撮影に否定的な人もいる。だが、次々に現れる自然の美しさを前にして、それを撮影しない勇気は、半端な心構えで出来るものではない。
南アルプス尾白川 渓相は明るく写真は撮りやすい
 渓谷で遡行しながら写真を撮る人の誰もが経験することだろうが、遡行中の撮影は難しい。遡行は目的地までの時間の計画がある。たいがい計画通りにいかず、遅れるものだ。そのため、休憩時間でない限り、いくら美しい景観が現れたとはいえ、ゆっくり写真を撮る時間がないのが普通である。遡行中の写真は、歩きならがカメラを取り出し、一瞬止まって撮影することはしょっちゅうである。写真を撮ることを目的にした遡行でない限りは、三脚を取り出して構図を決めることなど難しい。激しい運動をしている途中で撮るので、手ブレも起こりやすい。
 遡行中の核心部といわれる通過の難しい箇所に差し掛かると、その核心部の通過のために全神経が注がれ、写真を撮る余力が失われることも度々である。例えば、核心部の高巻きの途中で写真を撮る者は、よほど怖いもの知らずか熟達者に限られる。すっぽりと核心部の写真が欠けるのはままあることだ。
 渓谷の写真で難しいのは、たいがいの場合、渓谷が暗いからである。両岸迫り緑が覆いかぶさる滝の写真などは特に難しい。短時間で写真を撮る必要に迫られるために、デジカメのオートフォーカスで撮ることが多い。そうなると、暗い場面では、シャッタースピードが遅く設定されて、手ブレが起きてしまう。仮にブレを抑えても、撮られた写真はかなり暗い。こういう経験をした人は多いだろう。もう少し明るく鮮明に撮れないのだろうか。
南アルプス尾白川 噴水滝上の連瀑 
スラブで形成された雄壮な沢だ

 私は、オリンパスのタフ(Tough)を使っている。タフを使っている理由は、防水で耐衝撃性があることだ。タフを使う前は、防水機能のないカメラを使っていたが、注意していてもすぐに水でやられ動かなくなる。最初は一年に一度カメラを買い換えていたが、これではしょうがないと考え、タフにしたという訳だ。それからは、一度ヤブに絡め取られた以外は、現在のカメラを長く使っている。このタフでも他のカメラと同じように、渓谷の暗い場面での撮影は苦労する。限度以上暗くなると、露出補正しないと撮れなくなる。
 このタフの最新型、オリンパスTG-2 Toughは、F2.0という明るいレンズが使われいる。私は、まだこのカメラを使っていないが、このF2.0という値からすると、暗い場面の多い沢の写真を撮るのにかなり有利だと想像する。今までは、F3.9ぐらいなので、かなり明るいレンズということになる。TG-2はGPS機能を内蔵し、行動中の移動軌跡を記録できるようなので、これらの機能に興味のある人にとっても魅力のあるカメラだろう。Tough TG-2の前の型にTG-1がある。この機種もF2.0でまだカメラ屋で売られているが、TG-2と価格は変わらないようだ。ここは、新型のTG-2が良いと思う。今日現在の価格は、価格com.比較で32,300円と少し高めだ。
 このカメラのメーカーのキャッチフレーズはこうだ。

    暗所の動きのある被写体でもブレない明るいF2.0レンズ
 TG-2は、光軸折り曲げ式ズームレンズとしては最も明るいF2.0を実現。大偏肉両面非球面レンズをはじめとする、高度な光学技術を用いたレンズを贅沢に使用。他に類をみない高級タフカメラです。

 防水カメラでF2.0のカメラは、ペンタックスでも出している(PENTAX WG-3 GPS)。値段はこちらの方が少し安いようだ。オリンパスに比べて斬新なデザインだ。カメラやレンズというものは奥が深い。カメラのスペックを良く比較して、自分の使用目的にあったカメラを選ぶべきだろう。

ペンタックス WG-3 GPS

 なお、沢の写真で綺麗な滝が出てきた時などは、ついその滝の美しさに魅せられて、滝本体だけを画面いっぱいに撮影しがちになるが、こういう写真はあとで後悔する。滝の美しさは、その滝の置かれた背景や周囲の景観の中にあってこそ美しいのである。渓谷の写真は、ポイントの周辺や背景を同時に切り取ることが肝要である。また、つい写真撮影を急ぐと、横長の構図で撮影することが多くなってしまうが、渓谷は奥行きのある被写体である。縦長の構図にすると深い味わいのある写真が撮れることがある。ブログやHPに掲載するときにも、二者が混じっていた方が変化のあるページ作りができることも覚えておきたい。写真の奥深さは改めて言うまでもない。これらは、私のささやかな経験による、とりあえずの結論にすぎない。



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