2013.06.16 『岳人』7月号 特集「沢へ、登る!!」 


 『岳人』7月号(2013年)で久々沢登りの特集をやっています。『岳人』では、この数年、特集を組むこともなく、沢登りは忘れられた存在でした。我々、沢の愛好家は、山岳誌に特集を組んでもらえることに、満足しなければならないのかも知れませんが、この特集はどのような読者を対象に組まれたのか、曖昧な感じがします。この特集は、我々にとって、つまり沢登りをまだまだ学ばなければならない者にとって、「帯に短し、たすきに長し」といった感じです。いくつか、遡行ガイドも載っていますが、どれも新鮮味に欠けるガイドです。遡行の対象となる沢は、数多あるはずなのに、いつも同じようなガイドが出てくるのは、どういうことなのでしょう。編集の力が弱い、編集に力が入っていない、掘り起こしが足りない、そう感じてしまいます。「沢登りの季節」がやってきたから、特集でも出しておこう。悪く言えば、そんな編集部の「いい加減さ」が伝わってきます。
 これらは、沢登り人口が減り、かつて沢登りの主導的な立場に居た方々の「引退」という時代に入ったことと、無関係ではないでしょう。つまりは、沢登りを愛好している側の問題もあるものとは推察します。ですが、最近の『岳人』の記事の魅力の無さは、今、編集部が登山の現場を正確に捉えていないためではないでしょうか。編集部が、登山する者とのコネクションを持っていない。そのために、魅力のある記事を掘り起こすことができない。そういうことではないかと感じています。
 『岳人』の編集スタッフでもある服部文祥氏の「超・登山論」など、どのような登山愛好家が読むのでしょうか。とても疑問です。現在の登山の動向とはかけ離れた、このようなひとりよがり2013年の特大記事にして連載している編集部の感性を私は疑います。うちわの論理、仲間ボメの論理では、魅力のある山岳誌に変わることはできないと考えるべきでしょう。

 話は変わりますが、「童人トマの風」と代表の手島亨さんの著作、『沢登り』(2013.06.15)が刊行されました。沢登りの技術とルートガイドが掲載されているようです。内容はまだ確認していませんが、沢登りの本が刊行されるのはそれだけで嬉しい気持ちです。ルートガイドに、ひとつでも二つでも新しい発見があれば良しとして、求めることにしました。内容を確認した上で、感じる所があれば、また感想をしたためたいと思います。



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