西谷・石楠花沢 荒川水系大血川
2013.5.18
SSC  2名(MH、TY)



コ一スタイム
林道ゲ─ト入口9:35─ワレイワ沢出合10:15─奥ノ二俣12:30─二又13:48−長沢山尾根14:35─石楠花沢左俣源頭部15:10ゲ─ト入口17:50


 残雪の巻機山テント泊を計画していたが、週末の天候が思わしくないとの予報が出た事から急遽、奥秩父荒川水系大血川西谷石楠花沢の右俣を遡行し左俣を下降ル─トにする日帰り山行を本多さんが計画し実施をした。
 この沢は、東京奥多摩町の直ぐ裏側に位置しており、長沢山に突きあげる急峻な沢で、濃い緑の樹林に包まれ山深い自然の姿が強烈な沢だった。

 国道140号線を秩父湖方面に向い太陽寺入口バス停の所を左折して、大血川沿いの舗装された林道を進むと渓流観光釣り場がある。ここを過ぎて高度を上げていくと、道路が大きくカ─ブをしている右側に、しっかりした鎖で通行止めしているゲ─トが確認する事が出来る。ここが沢に入る入口になる。
 このゲ─トから上方に道幅の広いところを見つけて路肩に車を止め、沢装備を着装して出発する。ゲ─ト入口でよく見ると鎖は簡単に緩める事が出来て、林道の広い駐車スペ─スの所まで車を進入する事が出来る。

 ゲ─トを入り林道を歩いて行くと、下山してくる女性を含む3名のメンバ─と会う。挨拶を交わして更に入渓地点に向うが、後にこの3名とは、石楠花沢左俣下降時に途中の左岸崩落地点で、懸垂降下で沢床に下りている所で再会するのである。大血川に架かる人が一人通れる取水パイプと一緒になっている鉄橋を渡り、貯水場を抜けるとタカノス谷出合である。堰堤の右側の壁をよじ登った所から入渓し、しばらくゴ─ロの続く岩に神経を集中しながら足場を確保し進む。右側から出合うワレイワ沢を見ながら、更に石楠花沢二股を目指し進む。水は冷たく奇麗で苔むした岩に奥秩父の深山を一層感じる。

入渓して直ぐゴ─ロの続く沢床に若葉の緑が映える



水量が少ないが立派な小滝。心癒される

ゴルジュの中水量が少ない為、真ん中を登る


 地図で二股を確認後、右俣に進む。最初に現れた滝は、水量も多くなく右側から上がる事が出来た。しかしこの滝の上にあがった所で、往く手を阻む大滝(多段大滝30M)が現れる。ここは右側の岩場から木を頼りに急騰を高巻が、途中ザイルで確保してもらう場面もあり、かなり厳しいトラバ─スを強いられたが、何とか踏み跡をたどりながら滝上に出る事が出来た。
 しばらくゴ─ロを進むと洞窟の様な形の滝が出てくる。ここは人が潜れる位の穴から滝になって水が流れ落ちている。水量も少なかった事から、ここは、頭から潜り込み滝上に出た。
 ここからしばらく、ゴ─ロや小滝をいくつか越えていくと、右側に大きな岩が目に飛び込む。かなりの大きな岩である。この岩を過ぎて滝が連続して出てくるが、水量も少なくホ─ルドもしっかり確保出来た事から右側から登る事が出来た。

若葉が鮮やかに映える。左右から落ちる小滝


 8Mの滝の所からは、さらに奥にも厳しい滝がある事から、ここは右岸を高巻きして進む事にした。取り付いたもの傾斜がかなりきつく、ここでもお助けヒモの世話になりながら、踏み跡らしき斜面を慎重にトラバ─スをして、直登不能な8Mの滝の上部に下りる事が出来た。
 ここで地図を確認すると、この地点の標高は、1245Mあり、左から枝沢も入っている事から奥ノ二俣まで登った事が確認出来た。

 小休止の後、さらにガレの続く苔むした岩に注意しながら小滝を越え進むと沢も涸れだし、見上げると長沢背稜が確認できる所まで高度を上げてきている。
 ここでガレの急斜面を長沢山への登山道に突きあげていくのを止めて、左側の長沢山から西谷の方向に伸びている尾根に左トラバ─スで上がる事を決断する。取り付いてみると傾斜はきついものの足場はしっかりしており、踏ん張れるので、ガレを登るよりましだった。

突きあげると長沢背稜へ


 稜線に上がったと思いホットしたところ、この尾根は小さな枝尾根で、その先見える尾根が石楠花沢左俣の右岸になる尾根であることを地図により確認した。
 位置を確認する事が出来たので、ここで遅い昼食タイムを取り、ゆっくりとコ─ヒを飲みながら大休止をする。振り向くとブナの木に熊のつめ跡が鋭く残っており、急に二人で警笛を取り出し鳴らしてみた。

 下降ル─トの左俣は、長沢山(1738M)から、西谷方向に伸びている尾根の左側の沢で、この尾根を挟む様に石楠花沢右俣・左俣と呼ばれている
 尾根から沢床までは、急斜面の落ち葉の上を滑らない様に注意しながらジグザグに下りた。ガレの沢床から徐々にゴ─ロとなり水の流れも見られる様になり、所どころで小さな滝も出てきた。下りは何故か急ぎ足になるので慎重に足の置き場を確認しながら高度を下げていく。
 過去に不用意に浮き石に乗っかり、右足を挫いたことがあるので下りだけは神経を集中して下りる。
 左俣最大の難所の滝が連続して現れる。最初の滝は問題なく下りる事が出来たが、あとは左岸を高巻して滝下まで降下する事を決断する。
 左岸の踏み跡をたどり進むと、急に斜面が崩落して垂直になっている個所に出る。ここで先に述べた3人グル─プに再会をするのである。
 グル─プは、垂直の斜面のトラバ─スを避けて、手前にある立木を利用して懸垂降下で滝の下に下りる準備をしていた。
 我々の位置から、7~8メ─トル下方にいるので落石の心配があり、我々も身動き出来ない状態になってしまった。落石が当たらなかったが3回位、ラ─クと叫んだ。

 3人が降下しOKが出るまで30分位は時間を費やしてしまったが、我々もここから沢床に下りる事にして、立木の所まで慎重に下りて下を見るとザイルなしでも何とか下りられると判断し、滝の真下に下りる事が出来た。

 途中休憩中のメン─バと話をしたところ、彼らは、鉄砲沢を遡行し下りに石楠花沢左俣を下降ル─トにしたと話していた。我々と朝にすれ違ったのは、鉄砲沢の入渓地点を間違えた事から、一旦ゲ─ト入口まで戻ったのだとも話していた。

 滝が有っても問題なく下降は出来たので、あとは明るいうちにゲ─トまで戻れる様に急いで高度を下げた。
 右岸の大崩壊地にさしかかった時、沢は落石してきた石にうずまり一面岩だらけで水の流れが全く見えない涸れ沢の様相をしていた。
 いつまた落石が起るか不安であり、この場所に立ち止まって見ている事は危険であると判断し急いでこの危険個所を通過した。

 大崩壊地を過ぎ、また沢らしい奇麗な滝が現れる。ここから右岸に渡り巻ながら降下して行くと二俣に出た。ここからはゴ─ロの沢床をさらに進み、入渓地点の堰堤が目に飛び込んできた。無事に下山する事が出来た喜びが自然と口から出る。「チヨットきつかった反面、充実感のあった沢だったね。」とHさん。宗像さんが言った「なかなか手強い沢だ」の一節を思い出した。
 体力はまだまだですが気力で遡行出来た事、Hさんの適切なル─ト判断と素晴らしい地図読みで無事に「石楠花沢右俣」を遡行出来た事に感謝します。ありがとう。
                              TY



Home