香貫山〜徳倉山 沼津アルプス
2013.02.24
高橋

ホトケノザが盛りだった















 このところの雪で、愛鷹連峰の稜線付近がまた白くなっている。状況からすると30〜40cmほどの積雪量になっているだろう。愛鷹連峰がこんなに長く白く装っているのは珍しい。今年はやはり寒い年だと思う。しばらく愛鷹連峰に脚を向けたので、今日は海の近くを歩くことにした。朝起きて、素晴らしい天気のために急に出かける気持ちになった。いつものことである。
 市役所の駐車場に車を置いて10分ほど歩くと香貫山への登山口がある。ここが、沼津アルプス南行き縦走の入口だ。この縦走を完遂するには、5時間は歩かねばならないので、今日は香貫山(かぬきやま)、横山、徳倉山(とくらやま)、千金岩を経て志下坂峠を島郷(とうごう)へ下るつもりだ。
 香貫山へ登り始めて気がついたが、今日は晴れていて空気が澄んでいる。遠くまで鮮やかに望むことができる。駿河湾の西側に突端がはっきりと見える。御前崎だろう。70kmは離れている。こんなに近くに見えることは、今までなかった。良い日にめぐり会えた。だが風が強い。5m/s以上はあるだろう。海風がこの海沿いの稜線に直接吹いてくる。海面には白波が立っている。天気予報では、強風が吹くのは午後過ぎてからだったはずだが。



遠方の左の突端が御前崎だろう よく見える
香貫山の登り 明るいが風が強い

手前が狩野川(かのがわ) そして沼津の市街


香貫山から徳倉山を望む
狩野川の河口 駿河湾に注ぐ


 沼津アルプスのルートは、至るところで人に会う。愛鷹連峰では人に出会うことは稀だが、このルートは今でも人気のようだ。厳冬の山歩きにはちょうど良いのだろう。雪が降ることはないし、歩けば温かい。汗も出る。若い人も年配の人も歩いている。泊まり装備のザックの者もある。今日は、はじめてトレランで走る者を見た。アップダウンが続くので思ったよりも体力を使う。今日は、3つのピークを超えるので三箇所のアップがある。どれも急な登りだ。特に徳倉山の手前にある「鎖場」は、へこたれそうになる。とは言ってもしょせん小さいな山だ。数ピッチで登り切ってしまう。
 徳倉山の頂上からの展望は良い。相変わらず富士山と駿河湾だが。千本浜とその松原の湾曲がきれいに見える。空気が澄んでいる。千本浜の水がこんなに透明で碧いとは知らなかった。何度もここから駿河湾を見ているが、初めての体験だったように思う。本当に良い日だった。日当たりの良い徳倉山の頂上では、休んでいる人々が居た。ここでお昼にしよう。芝生に座ってのんびりとした。


横山の頂上 親切過ぎる標識 明るい登山道

早咲きの桜 蕾がほころんでいる 徳倉山の手前に祠がある


おなじみの富士山 くっきりと見える その手前は愛鷹連峰
徳倉山の頂上から 湾曲する千本浜 きょうは海の色がきれいだ

木漏れ日で眩しい山道を歩く


 歩くことが、なぜこんなに気持ちが良いのだろう。たぶん、登山の喜びの多くは歩くことの喜びのように思う。景色が見える、展望があるという喜びの前に、歩くことそのことに喜びがある。歩くことの喜びは生理的なもののように思う。野生の動物は、餌を求めるために常に歩いている。言葉の通り、動物は歩くことが生きている証だ。だが、人は分業によって、必ずしも歩かなくても飢えることが無い。歩かなくても生きて行ける。だが、われわれの体内には、歩けることの喜びや幸福感が詰まっているのだろう。歩けば、餌にありつける、明日への展望が拓ける。そういう、じんわりとした喜びが、おそらく歩くことにはある。
 千金岩からの海と鷲津山の眺望は素晴らしい。だが、逆光なので海はまぶしく山肌は暗い。この近くのヤブの中にクライミングの小さなゲレンデがある。たぶん地元の人しか知らないだろう。以前、小さな標識を見て林に入り込むと10mほどの堅い岩があった。きれいに支点が付けられていた。千金岩で海を望みながら休息するのがいつもの行動だが、益々風が強くなって腰を下ろす気持にならない。休まずに急坂を降りて志下坂峠へ降りた。この峠から海側に降りれば、15分で住宅地に出る。ここからバス通りの島郷までは10分だ。エスケープは、ここが最も便利だと思う。



下ってから後ろを振り返ると歩いてきた尾根が
エスケープルートだが下山路もしっかりしている



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