愛鷹山 愛鷹連峰
2013.01.27
高橋

愛鷹山の頂上に神社が














コースタイム
水神社前駐車場10:07−愛鷹林道−登山道11:20~35−林道−林道11:57−水場12:33−愛鷹山12:56~13:00−北鞍部13:11−林道・柳沢橋13:59−水神社前駐車場14:51


 愛鷹連峰の愛鷹山(あしたかやま)へ出掛けた。相も変わらず、天気が良いというのがその理由だ。冬だから寒いのは仕方ないが、風が強かったり曇ったりするともう外へ出たくない。そんな訳で、山へ行く日は晴れている。特に今日は快晴、無風だ。この二日間猛烈な強風が吹き荒れたから、とても気持ちがいい。

 愛鷹山は、連峰の最も南に位置する山で1187mという。日本二百名山と聞いている。登路はいくつかあるが、冬でもあるし南面の登山道が良いだろう。遠くから見ると、白いものが見えるので、雪があることを覚悟しなければならない。だが、連峰の他の山に比べれば、この愛鷹山の雪は少ないようだ。南面が暖かい駿河湾に面しているからだろう。下から歩くと、標高差は800mにもなり時間がかかる。水神社まで車で上がり、林道を5kmほど水平に歩いて、柳沢から来る南面の登山道に入ることにした。初めてのルートだ。
 水神社は、地元では水神(すいじん)さんと呼ばれている。人里離れた幽谷に修験道の施設がある。施設の看板に「深峡の流れに、水神竜王尊の姿を霊感した三島宿の僧、日竜上人が草庵を開き修験の行に励む」とある。水神竜王は、太古から富士山麓の神として崇められてきたという。開山は明治初期で比較的新しいが、今では宿坊もある立派な施設だ。

 散歩の途中で見える愛鷹連峰と富士山 鋸岳、呼子岳、越前岳などは位牌岳のうしろに隠れている





 *愛鷹連峰は、黒岳、越前岳、呼子岳、鋸岳、位牌岳、前岳、袴腰岳、大岳、愛鷹山の連山



 愛鷹林道の入口にはゲートがある。道路はみんなの税金で造っておいて、それを使うのは一部の受益者だ。このような例は一部の地方ではない。全国にはびこっている。道路の私物化だ。ゴミの不法投棄を防止するというのが理由のようにも聞くが、道路を一部の者が専有するのであれば、その道路を受益者に買い取ってもらうというのが筋だと思う。なぜ、このような道路の不法占拠が全国で当たり前のようになっているのだろうか。不思議だ。
 愛鷹林道は、植林地の中を巻いているので日当たりが良くない。ときどきは、視界が開け、静かな駿河湾を望むことができるだろうと思っていたが、まともに駿河湾が見えるところが無い。一時間と少しでようやく南面を登る登山道に交差した。標識もあるので見逃すことはないだろう。もう11時半近くになっていたので、日当たりの良いところで昼ごはんにした。前回の位牌岳は、昼ごはんを持たずに登って心細かったが、今日はしっかり持って来た。

沼津の街と伊豆の山、駿河湾がぼんやりと 遠方に前回登った位牌岳への尾根が見える 池ノ平あたり


箱根の山が見える 最高峰が神山
こんな愛鷹林道を歩く 少し寒い

柳沢登山道に交差した


 柳沢から登るこの登山道は、なかなか立派だ。だが、しばらくヒノキ林を歩くので、陽の光が今ひとつ足りない。せっかく南面の登山道を選んで登ったのに、期待はずれだ。背中から日を浴びて歩き、ときどき振り返って駿河湾を望む。そんなことをイメージしてやって来たが残念だ。前回登った位牌岳の登山道にくらべると、視界が開けない。それでも、高度を稼ぎ880m付近になるとようやく人工林が切れて雑木の林になる。日も少し差すようになる。1000m近くなると雪がちらほら見え、次第に雪景色になる。前回の位牌岳登山の次の日に愛鷹連峰や箱根にたくさん雪が降った。その時の雪だろう。

登山道 ヒノキ林 880mを過ぎると人工林が終わる


標高1000m近くで雪が
日当たりの悪いところは結構の積雪

 平沼からの登山道と合流するところの水場は、雪に覆われていた。冬は水も涸れるのだろう。途中、富士山と南アルプスの眺望に優れた箇所を過ぎると、少しで愛鷹明神奥宮となる。愛鷹山も信仰の山のようだ。奥宮の裏が一等三角点のある愛鷹山(あしたかやま)の頂上だ。すっかり雪に覆われた頂上には5人ほどの先客が有った。ここも富士山、南アルプスの眺めが良い。北に、雪を抱いた愛鷹連峰の連なりも見える。
 ところで、地元では愛鷹連峰全体をさして愛鷹山(あしたかやま)という。その北端に越前岳がある。この越前岳のピークを日本二百名山の「愛鷹山」と称してい登っている者もあるようだ。越前岳(愛鷹山)という珍妙な記述もまかり通っている。車で乗り付けて、二時間弱で頂上に達するので「便利」なのだろう。だが、越前岳は愛鷹連峰の最高峰ではあるが、このピークが愛鷹山であるわけではない。愛鷹連峰は、9つの峰を持つ連山である。その南端のピークが愛鷹山だ。


右手の小沢に水場 雪に埋もれている
左から登山道が合流 しめ縄がある


展望台地 富士山と南アルプスの展望
北には富士山 薄く雲が掛かっている


北西には南アルプ 望遠で良く撮れる
頂上手前の愛鷹明神奥宮

祠が二段続きである 愛鷹山頂上からの愛鷹連峰(手前)と富士山

南アルプスの北から南まで、ほぼ全容が望める


 愛鷹山からは北斜面をコルまで降り、水神社へ向かう登山道を下る予定だった。アイゼンを持って来ていないので、雪が付いた急斜面は怖い。だが、このルートは短時間で水神社に戻れるので捨てがたい。笹をつかんで滑りそうな斜面を何とか降りた。コルに降り立ったときには安堵した。ここからは傾斜もゆるむのでそう苦労もないだろうと思う。だが、窪状のルートのために雪がなかなか消えず結構苦労した50分ほどで、林道にたどり着いた。ここから林道を少し歩けば、車を置いた水神社の前に出るはずだ。
 ところが、近道を考え、あまり踏まれていない踏み跡に入る。と、じきに道が分からなくなった。地形を「把握」していたので「迷ったら戻れ」の鉄則もそっちのけで、ガンガン降りて、ガンガントラバースした。だが、行けども行けども考えていた地形の通りにはいかなかった。まずいなと思いながらも行動した。もう、来た通りに戻ることはできないだろう。山中には縦横に薄い踏み跡がある。獣道だろう。ヤブのないのが幸いした。考えていた三倍も四倍も急斜面を巻いて、ようやく目指す支尾根に出た。この支尾根を下れば愛鷹林道の入口に出るはずだ。鹿の踏み跡を辿って林道へ出た時にはホッとした。この山域でも、帰らぬ人がいるらしい。戻った駐車場に、探し人のお願いが掲示してあった。


下の鞍部まで急斜面を降りる
日陰はしっかりと雪


ここからも南アルプスがよく見える
鞍部へ降り立って安堵 美しい雪景色だ

鞍部から東へ降りヒノキの林を下る 林道の柳沢橋に到着 水神社はもう近い



Home