位牌岳 愛鷹あしたか連峰

駿河湾、伊豆半島峰が霞の中に
2013.01.13
高橋












コースタイム
森林公園駐車場10:00−池ノ平10:25−ブナ平分岐12:25−稜線12:35〜40−(下山)−森林公園駐車場14:15


 このところ寒い日が続いている。風が強い日も多い。今日は、あまりに天気が良いので、愛鷹(あしたか)連峰・位牌岳へ向かった。
 愛鷹連峰は、富士山の南に連なる小さな山塊である。歌川広重の東海道五十三次の原宿の版画には、正面の富士山の右手にデフォルメされた峻しい愛鷹連峰が描かれている。この山々は、広重の眼には存在感のある山塊に映ったようだ。「一富士二鷹三茄子」という初夢の縁起は、二鷹が愛鷹連峰を指すという説もあるが、そうだとすれば当時はよく知られた山塊であったのだろう。
 近年では、日本一の富士山がすぐそばに控えているので、どうしてもその存在は薄くなっているようだ。特に最近の富士礼賛の風潮では、そうなるだろう。2012年の富士登山の人口は、30万人と言われている。この数値は、夏の二ヶ月弱のものなので驚きだ。信じがたい数値である。
 愛鷹連峰南端の愛鷹山が日本二百名山に数られているようだが、縦走も簡単ではないので地元の愛好家にしか顧みられない山々のようである。ある意味これは有り難いことである。富士礼賛のお陰で、愛鷹連峰は太古の姿を留めている。愛鷹連峰の最高峰は
1504mの越前岳だ。位牌岳は、南東の長い尾根を持つ第二峰で1457mとある。

 長泉町の森林公園の駐車場に車を止めて、さあ出発という時に、弁当を忘れたことに気がついた。水も持って来ていない。あまりにそそくさと家を出て来て、途中で道を間違えたために、弁当を買ってくるのを忘れた。もう10時近くになっていたので、もどって弁当を調達する気にもならなかった。登山をやめるか、弁当無しで登るかだ。ここで帰るのも癪だ。昼飯なしで登ることにした。水もない。位牌岳の頂上までは、三時間弱だろう。急げば5時間ぐらいで往復できるはずだ。トレーニングでもあるし、飛ばしていくことにした。最近だいぶ腰の調子も良くなってきた。
 位牌岳から南東に伸びる長い尾根をゆったりとした気持ちで登る。この尾根は、天気の良い時は終日陽が当たり暖かい。昨年の暮に一度真っ白になったが、年が明けてからは晴天で雪が付いていない。細尾根を上がるために視界が開けると、眼下には駿河湾がそして北には麗峰富士、そして東面には箱根の山々を拝むことができる。
 途中の池ノ平では駿河湾が一望できる。暖かな気候のためか、海上に霞がかかり沼津アルプスや伊豆の山々が幻想的に見えた。主稜線へ上がる手前、標高1250mからは尾根が開け、ブナの倒木帯と群落帯とが共存する美しい「ブナ平」になる。樹齢はどのぐらいなのだろう。他ではみられないブナの巨木が林立する。茶色の滑らかな樹皮を見せるヒメシャラの大木も所々に見えて、ここが暖かな地方であることを示している。広いブナ平を過ぎるとひと登りで主稜線だ。薄雲が掛かってきたが、相変わらず天気が良い。
 主稜線から北西を見ると真近に白い稜線が見えた。南アルプスだ。最も高く見えるのが北岳、白根三山だろう。その左手に荒川三山、赤石岳、聖岳が見える。北岳を離れて右手に見えるのは北アルプスの山々だろう。これらの白い山々を見て、なぜか感銘した。
 主稜線ヘ上がったら、あとは登ってきた道を下るだけだ。ここから頂上までは10分ほどだが、頂上に特別に用事がある訳ではない。弁当も水もないので長居は無用だ。飛ぶようにして下山した。今日の天気のように満たされた登山だった。

駿河湾、沼津アルプス、伊豆の山々が霞んで見える 池ノ平までは広い歩道を歩く

池ノ平から 左手のピークが愛鷹山 右手が袴腰岳 右手の最高峰が位牌岳 あそこまで歩く

 ブナが現れた 正面は袴腰岳 左手のピークが愛鷹山


富士山が隣の支尾根の先に見える
駿河湾とその先に伊豆半島が見えるが霞んでいる


ブナの古い倒木が目立つ
尾根が広がってきた


ブナの倒木によってできた広場
朽ちた倒木


比較的新しい倒木も
立派なブナが目立つようになる


つるべ落としの滝へ降りる分岐
ブナ林が広がる


日当たりがよく暖かい日だ
ヒメシャラ 少ないが大木がある

主稜線に上がると愛鷹連峰が連なる 尖った呼子岳 その手前右手に鋸岳 遠方北西に白い峰々が見えた 正面白峰三山、左へ荒川三山、聖岳と連なっているはずである 右端の山々は北アルプスだろう 稜線のすぐ先に位牌岳の頂上が見える 10分ほどだ 今日はここで下山



Home