2012.11.20 来年の沢について


 6月、7月はいつも雨がちで、沢の計画も中止になることが多いが、2012年もそうだった。小中川弓ノ手沢、豆焼沢、小和瀬川・葛根田川が続けて悪天予報によって中止になった。明るい好天の時に歩きたい。天気のことを心配しながら歩くのは楽しくない。そういう理由によるのだが、つまるところ、実力がないので、なるべく条件の良い時に歩きたい、ということに尽きる。実力なんてものは、そう簡単に変わるものではないので、来年も同じ考えでいく事になるだろう。
 小和瀬川・葛根田川は、8月のお盆に計画を立てたが、天は味方してくれなかった。最終日に乳頭温泉の湯治場、黒湯温泉を予約していたが、この宿のキャンセルは本当に残念だった。一ヶ月も前に予約していた「こまち」の特急券も解約した。だがその代わり、東北に比べて天気が安定すると予測された関東へ転進した。楢俣川ヘイズル沢は、素晴らしい沢だった。これで南八幡平中止の借りを返してもらった気がした。

 さて、来年の沢のことだが、まずこの小和瀬川・葛根田川をいつか訪れたい。今年は、お盆に計画したが、雪の多くないこの地域は、6月から歩けそうなので、その頃が良いだろう。関東に比べて、東北北部は梅雨の時期が少なく晴れの確率は高い。アブの発生時期の前なのでこれも好都合だろう。
 この小和瀬川・葛根田川の前、5月には、先日歩いた足尾・松木川の支流、丹平治沢などはどうだろうか。遡行できそうな松木川の支流の中では、アプローチが短いのが利点だ。出合から連瀑帯が見え期待できそうな谷だ。大きな滝もあるが、手頃な滝も連続するけっこう面白い谷のようである。下山路をどこに取るかだが、大平山(松木山)から南東に派生する松木尾根が良いだろう。藪山の人達が結構歩いているようだ。場合によっては、大ナギ沢下降という手もあるだろうが、体力の十分でない我々にとっては向いていない。
 更にその前の5月には、奥秩父大血川の西谷ワレイワ沢はどうだろうか。難しいところのない明るい穏やかな沢で、シーズン初めの谷としては、おあつらえ向きだと思う。日帰りも可能な沢だが、ゆったりと歩いて一泊して春の沢を満喫したい。
 6月には、一之瀬川大常木谷を歩いてみたい。この沢は、泳ぎのある沢なので温かい時、水に浸かっても良い時期に行ってみたい。けっこう小難しそうな滝もあるが、大滝(千苦ノ滝)の高巻きを注意すれば、楽しめる沢だと思う。ここも沢の中で一泊したい。
 7月には、今年流れた滝川豆焼沢に行ってみたい。この沢は、あらためて説明するまでもないだろう。水には濡れる沢なので、温かい時に行きたい。場合によっては、6月の遡行でも良いだろう。いずれ、6月、7月は天候次第だ。序盤をカットしてトオノ滝手前から入渓すれば、ゆったりした遡行が楽しめるだろう。大滝を高巻いたとしても、その先に工夫の必要なルートがあるようだ。沢の中で盛大に焚き火を楽しみたい。
 泙川の三俣沢大岩沢は、アプローチの長い泙川の遡行をやめて、日光側から挑みたい。三右衛門沢を遡行して国境稜線に上がり、三左衛門沢やスルノ沢を下降して三俣沢へ入るのが良いだろう。三俣沢に野営して次の日に、大岩沢を遡行する。その後は、国境稜線を歩きネギト沢を下降するのが良いと思うが、地元の山崎さん達に相談して進めたい。これらのルートは、日光の九輪草と紅葉のラッシュを外さなければならないので、意外に季節は限られてくる。九輪草の狂騒が収まる7月が狙いと思っているがどうだろうか。

 さて、お盆の時は、どこが良いだろうか。まだ調査が必要だが、南アルプスの大武川赤薙沢袋沢を検討したい。ミツクチ沢出合、袋沢出合手前にゴルジュがあるが、何とか突破できるのではないか。我々の体力では袋沢に一泊で広河原に抜けるのは難しいだろう。二泊すれば余裕だ。沢を遡行して早川尾根の稜線に立ち、南ア北部のパノラマを拝んでみたいものだ。
 北アルプスの金木戸川打込谷を検討してみたい。難関は、金木戸川本流の徒渉のようである。水位次第だが、徒渉で事故があるようなので要注意だ。天候が安定している時だけトライすべきだろう。水量から考えると、8月よりも9月の方が良いか。だだし、9月末には薄氷が張るというから、遅くてもいけない。実施時期の難しい谷だ。渓や水の美しさは、いまさら言うまでもない。難しい箇所もあるだろうが、入渓者が多いので、情報は集められる。アクセス、下山の長さなど検討すべきことがある。
 8月には、桧枝岐川実川の硫黄沢を歩いてみたい。水量が多く登れそうな滝が多い、きれいな谷である。思いの外ダイナミックな沢だ。現地を早朝発てば、日帰りもできるようだが、ゆっくり発って沢に泊まるのが良い。時間的にゆったりした遡行が楽しめるだろう。

 9月には、中央アルプスの正沢川幸ノ川を登ってみたい。やや登攀的な沢だ。高度差1000mを2.7kmで上がる急峻な沢だ。沢全体が滝と言ってもいい。水飛沫を浴びるのは必至なので、寒くならない前のほうが良いだろう。やや難しそうな滝もある。木曽駒高原スキー場をベースに軽荷で登る。場合によっては、七合目の避難小屋に泊まっても良いが、下へ降りて、出来れば焚き火をしたいものだ。
 飯豊連峰、胎内川には、手強い沢が多いようだが、この楢ノ木鴨沢は、そのなかにあってはめずらしく「穏やかな美しさに包まれた沢」と紹介されてある。何気なく、ウェブで沢情報を集めている時に知った。胎内川本流のゴルジュを遡行すれば泳ぎもあるが、このゴルジュをカットするほうが我々の体力には向いているだろう。できるなら、この飯豊の沢を9月ごろに歩いてみたいと思う。静岡からは遠いが。調査を進めたい。
 10月には、吾妻川四万川本谷を歩いてみたいと思うが、季節はどうだろうか。長い沢のようだ。標高差1000mを8kmで登るゆるやかな沢だ。下山は、湯ノ沢林道とあるが、その先はどうなるのだろう。うまくまとめられるのかどうか、調査が必要だ。

 いろいろ目一杯で歩く沢ばかりを選んでみたが、今後の調査でふるい分けられて行くだろう。体調万全でない者も出始めている。完璧を追う沢登りだけでなく、我々の歳に相応しい沢の楽しみ方を発見しなければならない時期に来ているように思う。遡行距離と荷の重さに尽きるのだとは思うが、それはつまるところ沢の選定ということに行き着くのだろう。難しい応用問題だが、答えはあるものと思う。来シーズンの中で、そのようなことも試行してみたい。




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