2012.11.19 2012年・SSCの山行を振り返って


 清遊沢の会(seiyu sawa club)の今年の山行は、10月の行事で全てが終了しました。6〜7月は、天候が悪く中止にした企画が続きましたが、その他の月には天候に恵まれ、厳しくも楽しい遡行ができました。実施した遡行は、以下の5つの企画です。

 水晶沢、雷木沢4/29~30)は、シーズン初めにしては厳しい遡行でしたが、今年の山行の覚悟ができたような遡行でした。参加者3名という寂しいスタートでしたが、赤々と炎を上げた焚き火を思い出します。
 小田倉沢5/19~20)は、新人の米田さんの参加した賑やかな遡行になりました。泙川(たにがわ)の支流小田倉沢は、美しくも変化のある渓でした。ロープが有ったとはいえ、大ゼン20mを緊張して登ったことを覚えています。季節が少し早かったために、一箇所雪渓の処理に苦労しました。津室沢の下降では、大滝45mを右岸から巻きました。3ピッチというめったにない長い下降でした。
 ヘイズル沢(8/16~17)は、万端準備をしていた南八幡平の小和瀬川と葛根田川の遡行を雨天予報のため、変更して取り組みました。ヘイズル沢は、ゴルジュありナメ滝あり、難しい滝ありの変化に富んだ秀渓でした。特に1180mの二俣までは、花崗岩の美しい渓相でした。難しい滝の登攀、高巻きなどメンバーの総合力で遡行を成し遂げました。二日目の20m滝は、結果として難しい登攀ではありませんでしたが、高度感のため緊張したクライミングになりました。焚き火での羽蟻の来襲、稜線での激しい雷雨も忘れることの出来ない思い出です。
 米子沢9/01は、うわさ通りの美しい沢でした。ひとつひとつ思い出していくと、なかなか難しい滝やゴルジュがありましたが、当グループの実力でなんとかクリアできました。ゴルジュを越えた先のナメは、本来は楽しんで歩くところなのでしょうが、遡行距離の長さのために疲労を抱えての歩行になりました。結局、次の日の割引沢の遡行を断念せざるを得ませんでした。まだ、体力の残っていた本多さんには、申し訳ない思いでした。巻機山麓キャンプ場の泊りも、良い思い出になっています。
 今シーズンの最後になった大行沢樋ノ沢10/06~07)は、基本はナメの沢、癒やしの沢でした。ですが、京淵沢梯子滝の前の急峻な下降や大行沢本流の巨岩帯、大滝12mでは、予測以上の厳しい遡行になりました。この山行には、新人の加藤さんが参加され、その強靭さを目の当たりにしました。樋ノ沢避難小屋は、他の登山客がなく、我々が専有しました。豊富な薪のお陰で、今年最後の焚き火を心置きなくすることができました。二日目の樋ノ沢は、小さいながらもナメの美しい沢でした。奥まで、魚影の濃いのには驚きました。

 今思い出せば、どれひとつとして余裕を持って登れた谷はありません。どの谷も自分達の持てる体力と技術を、全て出し切ることによって完遂できています。逆に言えば、実力ぎりぎりの谷を歩いて来たとも言えます。リスクをともなう山行を事前の調査によって把握して、よく対処できてきたと考えています。さらに言えば、自分達には対処できない谷は選択して来なかったということでもあります。
 かえりみれば、しょせんどの谷も我々の誰もが、単独では遡行できなかったと思います。沢を歩きたいという思いを結集させることによって、それが可能になったのだといえます。これからも、沢への思いを結束することによって、自分達にとって未知の渓を歩きたいものだと思います。

     *中止、変更になった沢 6/15小中川弓ノ手沢、7/21豆焼沢、8/16南八幡平



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