赤木沢2 黒部川
ハクサンイチゲ(白山一花) 赤木岳稜線付近

2012年8月2〜5日
タケさん、高橋




遡行図

  赤木沢1  赤木沢3

赤木沢遡行
 赤木沢の特徴の一つは、出合から源頭に至るまで、ほとんど遡行に退屈することがない、ということだろう。序盤、中盤では、大きな滝が次々に現れ、しかも、どの滝もダイナミックである。釜は深いものが多く、水の碧さが際立っている。登れる滝も多く、大概は摂理により段状の滝になっている。滝と滝の間は、砂利や岩の渓床が形成され、ときどきに深く碧い渕を湛えている。

 大滝を越えた先の終盤は、2237mの二俣を右へ入った。地形図を見る限りでは、間隔の広い等高線を消化試合するような、退屈な遡行を予測したが、この終盤がなかなか味わい深い。4m滝で出合うこの右俣に入ると沢幅が縮まり、両岸から緑が被るようになる。それまで、強い陽射しの只中を歩いてきた者にとっては、ありがたい木陰だ。だが、滝は相変わらず続き、源頭近くまで、変化のある小滝が遡行者を迎えてくれる。退屈する間がないのだ。
 2400mにして、ようやく水が涸れ、一部ガレを越えると沢形が失せて、草原となる。特有の啼き声を上げて雷鳥が走り、登山者を誘う。稜線直下には大きな雪渓が待っている。対面には赤木平や雲ノ平が、その向こうには薬師岳、赤牛岳、水晶岳、祖父岳のアルプスの峰々を拝むことができる。渓の景観が刻々と変わり、雪渓を越えて稜線へ至るまで、全く退屈することがない。めずらしい沢だと思う。



出合から大滝まで(8月4日)


玉砂利の清流
最初の滝 10m どこからでも登れそうだが、左の乾いた岩のバンドから


12m滝 右が登れるが釜が深い あきらめて右を巻いた 大きな滝は、どれも右を巻いた 空が蒼い
二つ目の滝 5m、15m 上段は右を巻いた

小ゴルジュ トイ状滝6m 流れの左が登れる 花崗岩の渓床 水は淡い緑色


花崗岩のナメに水が流れ、水が溜まり 心が洗われる
玉砂利の沢床をゆったりと歩く


幅広5m滝 前方にはナメ滝が見える
緩やかな段々20m滝 飛沫を浴びながら水流沿いを登る


大滝上の10m滝 なかなかに美しい 巻き道からこの滝の落ち口にトラバースする 幅広のバンドなので、難しくない
このどん詰まりに大滝25mが隠されている 5m幅広、前衛の滝がわずかに見える 高巻きは、前衛の滝手前右の窪を上がった 落ち口高さにトラバースの踏み跡がある 難しいところは無い



こんな小さな滝にも風格が 2237m二俣前



2237m二俣から稜線まで(8月4日)

2237m二俣の4m滝が見える 2237m二俣を右へ入ると小滝が続く 木陰も現れてゆっくり休みたくなる

振り返ると谷もだいぶ浅くなってきた 両岸の緑が眩しい 黒苔の滝 4m、5m


両岸の花々が眼に入ってくる
長いトイ状滝上部 いつまでも滝登りが

釜に入って体を冷やすタケさん

赤木平の向こうに薬師岳が見える 右手は赤牛岳だろうか 右手、鷲羽岳の方角 左手のピークは祖父岳か


雷鳥の親鳥 小さなひな鳥も二羽歩いていた 稜線直下
登ってきた赤木沢を振り返る

雲が多くなった稜線直下の最後の登り 主稜線の2610mピーク ここでやっと遡行が終了

 稜線へ上がって休んでいると、赤木沢を単独で登っていたTさんが2610mピークの方から現われた。中俣乗越を詰めたようだ。互いに、同じ日に同じ時刻に赤木沢を遡行した仲間だ。Tさんは太郎平、われわれは折立と今日の目的地が違う。再び会うことはないだろうが、互いに励まし合いながら黒部川の源流を遡行した記憶は、いつまでも心に残ることだろう。互いの健闘を讃え合って別れた。



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