金峰山、国師ヶ岳、北奥千丈岳

小岩鏡コイワカガミ 金峰山山頂付近砂礫地

2012年6月26日
Tさん、高橋








コースタイム
6月26日 大弛峠09:37−金峰山頂上12:00〜38−大弛峠14:32
6月27日 大弛峠07:10−国師ヶ岳08:15〜36−北奥千丈岳08:48〜09:08−大弛峠10:00

プロローグ
 変な原理主義者からは、「こんなの登山とは言えないナー」と言った声が聞こえてきそうな登山だった。「沢も所詮遊びですから・・・」というinoさんの激励に一番感じるところがあった。しょせん遊びですから。楽しくなければダメ。

 さすがに梅雨の時期だ。しっかり雨が降って、最近では、台風までやってきた。お陰で、足尾の小中川弓ノ手沢も中止になった。もう、しばらくどこへも行ってないなー、という時にTさんから誘いがあった。金峰山だ。日帰りという計画を変更して、大弛峠(おおだるみとうげ)で一泊、次の日に国師ヶ岳と北奥千丈岳を歩くことになった。大弛峠まで車で入れるので、金峰山までは、片道二時間半ぐらいだ。国師ヶ岳と北奥千丈岳も一時間少しで頂上へ立てる。登山とは言えないかもしれないなー。
 梅雨空の中、天候を見ながら決行の日を待った。今年は、しっかりした梅雨だ。少しも晴れ間を見せようとしない。計画して一週間目の6月26、27日にその日はやってきた。26日はくもり時々晴れ、27日はくもり、そんな天気予報だったが、直前で天気予報がやや好転した。晴れ時々くもり、次の日はくもり、それでも、梅雨空が続いた中では、結構ましな予報だった。7月7、8日は、南アルプスの小仙丈沢の予定がある。標高差1000mの沢登りである。それまでにどこへも山へ行かなければ、この標高差に足腰が持つという保証はない。6月はもう、天候のせいで三週間も沢から遠ざかっている。そんな時のTさんからの誘いだった。

予想外の晴天に展開する山々
 あまり期待できない天気予報だったが、小仙丈沢のためのトレーニングのつもりで出掛けた。だが、なかなか今回は幸運だった。初日の金峰山は晴れ、次の日に登った国師ヶ岳と北奥千丈岳は、視界360度の快晴の登山だった。いずれの山も、花崗岩の奇岩が見られる、展望に優れた味わいのある山である。とりわけ、早朝に登った国師ヶ岳の眺望は素晴らしかった。風もない暖かな山頂だった。Tさんも私も、この幸運な登山に喜び、登山者の居ない山頂の空気をゆったりと吸った。恐らく、10年に一度あるかないかの、心休まる登山だろう。
 西には昨日登った金峰山の五丈岩が、その右手には八ヶ岳がその背を比べていた。真南には富士山が青い山肌を見せ、その右手には、白い残雪を抱いた南アルプスの主峰が鮮やかにその全容を見せていた。右手から、甲斐駒ケ岳、仙丈岳、少し離れて北岳そして残雪の多い間ノ岳、さらに農鳥岳からゆるやかに南へ下る稜線の先には塩見岳がちょこんと頂きだけを覗かせている。間ノ岳の残雪が多いのは、荒川の支流が深い谷を刻んでいるからだろう。以前、遡行を検討していた細沢や北沢もそこに雪渓を抱えているのだろう。
 平日にもかかわらず、金峰山の山頂には大勢の人がやすんでいた。若い人の多いのにも驚いた。登山が若い人にも浸透しているというのは、本当なのかも知れない。一方、北奥千丈岳の下山途中で、75歳を越えていると思われる高齢の登山者を見た。まるで、自身のこの先の姿を見たような思いだった。とは言っても、そう遠い未来ではない。沢を歩けるだけ歩いて、そのあとは、尾根歩きに転向しようというのが、今の自分の「戦略」である。

ミツバオウレン (金峰山) ハクサンシャクナゲ (金峰山)

コイワカガミ (金峰山) ミネズオウ (金峰山)


夕餉と温泉
 初日の金峰山を降りて、大弛小屋の前にテントを張った。まだ、三時ごろだった。特にやることもなくなり、早々に宴会モードに入った。Tさんの買ってきた牛肉を焼いた。これがなかなか旨かった。ほんのりとした薄味の付いた肉を食べながら、ビールを呑んだ。樹間から陽射しがこぼれる、のどかな午後の時間だった。これが、至福の時というのだろう。だが、標高2500mのテン場だ。日が傾くにつれて、冷気が漂うようになった。寒さに勝てず、明るいうちにテントの中へ避難した。沢のいいところは、火を焚いて暖をとれることだろう。晩秋の寒さにも、火を焚けば寝る時刻まで外にいられる。火のない今日の夕餉は、少しさびしい気もする。だが、こんなゆったりした登山は、癖になるかも知れない。
 帰路、市営の鼓川温泉に寄った。静かで落ち着いた温泉だった。平日の11時頃なので客はおらず、貸切状態だ。青空を仰ぎながらの露天風呂は、のんびり山行の仕上げとしては、上出来だった。すっかり命の洗濯をして互いの帰路についた。これも、癖になりそうだなー。

6月26日 金峰山

駐車場に付く頃には、夏の空が 金峰山への上りで振り返る



目指す金峰山 五丈岩のとんがりが見える
途中の小さな岩場



こんな見晴らしの良い稜線を散歩しながら
2570m付近から金峰山を仰ぐ


金峰山五丈岩 南面からはガスが吹き上げてくる



下山途中から大弛峠を望む 雲が多い
午後4時頃 大弛峠のテン場に陽が差す



6月27日 国師ヶ岳
昨日歩いた金峰山の山々 富士山がくっきりと見える


南アルプスの山々 これだけしっかりと南アルプス北部を見たのは初めて  右手から甲斐駒ケ岳、仙丈岳、北岳、間ノ岳、農鳥岳、塩見岳のピーク



国師ヶ岳から金峰山を望む
朝の8時頃、国師ヶ岳で 右から、北岳、間ノ岳、農鳥岳


八ヶ岳の山々 稜線には雲が掛かっている これから登る北奥千丈岳の頂上


樹間に金峰山 山梨100名山の国師ヶ岳

国師ヶ岳の南面の山々 国師ヶ岳頂上の北側はシラビソが生えている

6月27日 北奥千丈岳

奥秩父の最高峰、北奥千丈岳2601m 岩場になっている 北奥千丈岳から金峰山を望む 右奥が八ヶ岳


北面に岩場が見える 兜岩か 国師ヶ岳を見返す 頂上の岩場が見える



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