手戸沢 奥秩父大洞川

手戸沢にはこんなチョウ(ガ?)がいました

2012年6月5日
高橋ほか1名



遡行図
 なし




コースタイム
林道8:06−手戸沢出合8:26−8m滝10:09−12m滝11:00−12m滝上13:02〜27−830m涸沢出合14:25−1985mピーク15:47−手戸沢17:32−手戸沢出合18:14〜20−林道19:10

 「あれれー、何だこりゃ。」、そんな感じだった。どうもさっきから変だと思った。最後の大きな滝12mを高巻きして、沢へ降りようと泥斜面を懸垂下降しているときだった。新しい人の足跡を幾つも見つけていた。きょう、誰かが歩いたのだろうか。先行者はいなかったはずだが。沢の先には、また大きな滝が見える。もう、そんな滝は無いはずなのだが、どうしたんだろう。エイト環のロープを外して、泥斜面の上を仰ぐと、見覚えのある斜面だった。そこは、ついさっき高巻きで登ったばかりの斜面だったのである。高巻きして、12m大滝を越えて、その上の沢床に降りているはずが、どうした訳か、登ってきた斜面を降りている自分に気がついた、というわけである。奇妙な感じだが、これは真実だった。

 左岸を上がる大滝の高巻きは、岩壁に阻まれて高みへ追いやられた。その時、下流方向へトラバースしながら、支尾根稜線まで標高差50mほど追い上げられたのだ@。よく考えてみれば、この、到達した位置は大滝からかなり下流へ離れていた。多分その位置が、充分に脳にインプットされなかったのだろう。この支尾根の稜線を登り、もう大滝の位置を越えているだろうと思った位置から、大滝上流をめがけて降りたA。だが、ここはまだ、大滝の位置を越えていなかったという訳である。この前代未聞の事件のお陰で、また苦しい登りの高巻きを強いられたのであったA、B。



    <12m滝の高巻き>


 手戸沢は、出合からすぐ次々に滝が現れる。いかにも滑って下さいというような、テカテカ光っている岩の滝が多く、なかなか油断できない。滝を見るだけで、滑ることをイメージしてしまうのは、岩質の問題ではなく、自身の技術と気持ちの問題だとは思うのだが・・・。手戸沢の核心は、この出合から続く10箇所ほどの滝である。
 腕によって、登れる滝、登れない滝が出る。われわれが大きく高巻いた滝は、核心の上部8m、6m、12mと続く滝のうち、8m、12mである。8m滝では、左の枝沢を20mほど上がり、8m滝落ち口に続く枝尾根へ向けてトラバースして、下降点を探した。下降点は、落ち口上5〜10mぐらいの低い位置にある。そこから5mほど懸垂して降りた。ここは、下降点を見つけられれば容易だ。我々は少し登りすぎたので、枝尾根を下がりながら下降点を探した。

 手戸沢は短い沢だが、遡行には思いのほか時間がかかる。われわれは、12m滝の高巻きで時間をとられてしまい、多くの人が歩いている標高1000mまでは行けなかった。この沢の下山は、沢を下るか左岸の支尾根に上がって稜線を下るしかない。時間切れになったわれわれは、標高830mで左岸の涸沢出合の窪から取り付き、その後、右手の枝尾根へ移り、ひたすら1085mピークを目指して登った。ここは、傾斜が緩いため取り付きやすい。枝尾根はヒノキの植林帯でヤブがなく、登りやすい。だが、標高差250mの苦しい登りだった。暖かくなってきたせいだろう。休憩するとヌカカのような虫の群れが寄ってきてうるさかった。早めに、肌に防虫剤を使ったせいだろうか、刺されなかった。もしかしたら、ヌカカでないのかもしれない。1085mピークの稜線は、ヤブがなくおおむね下降しやすい。
 手戸沢は、水はそう多くないし、全体として狭くて暗い感じのする沢である。核心部の上流は、ややひらけたゴーロになる。岩には緑の苔が生え、奥秩父の雰囲気が濃い。だが、そう特筆すべき渓相はみられない。滝が多く、それぞれに美しいので、滝登りや高巻きのトレーニングには、なかなか良い所だとは思うが、渓の美しさを求めて入る谷ではない。入渓者は少ないのだろう。高巻きの踏み跡は無い。
 



出合から滝が続く 出合6m滝 いかにも滑り
そうだ

2つめの4m滝 なかなか雰囲気のある滝だ


二段10m上段 水流右が登られているよう
だが
敬遠 右を小さく巻いた
傾斜のゆるい8m滝 左隅を登った 平らな岩は滑る


上段は水流左が登りやすいが滑る
5m+5m滝 美しい緑の中に滝が続く 下段は快適に登れる


3m滝 難しそうに見えたが左から登れた 落ち口左は滑るので右へ渉る
手前3m滝 奥8m滝 8m滝は左が登れそうにも見えるが落ち口が滑りそう ここは右岸の枝沢を使って巻いてみた ガイドにある左岸の巻きよりも良いだろう 下降点は落ち口上5〜10m 

高巻き途中から次の6m滝 8m滝落ち口へ下降する


8m滝落ち口上のナメ 良く滑る
6m滝 なかなか立派な滝だ どこからでも登れる

12m滝 右壁を登っているようだが難しそう ここ
は、左岸の泥壁のザレを上がる 結局50m上の
尾根へ乗った 下降地点を間違えて、苦労した

核心部の滝の連続が過ぎると、苔岩のゴーロ
になる。



小滝が続いたあとに出る3m滝 この先で左岸から涸沢が入る ここから1085ピークを目指して標高差250mを上る 涸れ沢の出合いはガレで埋まっていて分かりにくい 地形図参照

ノリウツギ 稜線への登りで白い花がまぶしい 稜線はおおむね歩きやすい ヤブはない



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