小田倉沢〜津室沢 その2

  小田倉沢〜津室沢1

5月20日

テン場から奥ノ二俣、1465m鞍部
 いつものように、明るくなる時刻に起きた。思ったより寒くない。暖かい日に当たったことに感謝だ。今日も天気が良い。陽が上がると、萌黄色の若葉がキラキラ輝いた。1420m奥ノ二俣の遡行終了点までは、歩きにくいゴーロになる。できるだけ、段丘に逃げて速度を上げる。ほどなく右岸の段丘に人の住んだ跡が出てくる。かなり広い面積だ。奥ノ二俣の少し手前、沢の両岸に目印のテープがある。旧山道の徒渉点なのだろう。われわれは、現在地確認のために、奥ノ二俣まで歩いた。ここは、明確な二俣と確認できる。水量は、左右変わらない。ここからは、少し戻り北西を目指し1465m鞍部を狙う。方角を見定めて登るが、私のリードが悪く、手前のやや高い尾根に上がってしまう。少し尾根を下がって鞍部を確認。ここから津室沢の下降になる。この辺りはヤブがないので上りも下りも楽だ。。

テン場に朝靄が 今日も明るい 朝日を透かす若葉 石垣 奥ノ二俣付近 人の痕跡が


津室沢源頭 1465m鞍部から ヤブはない
逆光のゴーロを歩く


1465m鞍部から大滝45m高巻き
 鞍部から伸びる旧山道の踏み跡を探す。下り方向の左右真ん中に3つほど有った踏み跡のうち、左手の北西へ伸びる踏み跡に入る。これは、1170mの左岸にある集落跡につながる踏み跡だろう。だが、この踏み跡は標高差で100mほど下ると見失ってしまった。そのあとは獣道を下り、左岸の涸れ沢を下って1220mで本流に合流した。1165mで右岸から水量の多い支沢を入れる。
 1060m辺りで4mナメ滝、ついで10mぐらいの大きな滝になる。ここは、小さく左を巻いた。心持ち怖いトラバースがあるが、問題はない。その先で6mほど、急降下。補助ロープを出した。

 1020m辺りで、大滝45mになる。落ち口には立派な支点がある。この立派な支点を見ると、勢い懸垂で降りたくなってしまう。大高巻というと、どうしても敬遠したくなる。疲れている場合は特にそうだ。だが、先の見えないここを、どうやって降りるのだろう。作戦のない突っ込みは危うい。トップを引いたYさんも直感的に難しいと思ったのだろう。上部の5mナメ滝を降りる途中で、引き返してきた。自分は、大高巻きを覚悟していたので、懸垂の要領を調査して来なかった。あとでよく見ると、45mロープ一杯で左の潅木に逃げらるようだ。だが、ここでは、残置ロープでつかんで、滝中央へ振られるのを防ぎながら懸垂するという、二本の手をフルに使う「高等技術」を駆使しなければならないようだ。いずれにしろ、30mロープでは、長さが足りない。
 結局ここは、予定通り巻くことにした。大滝の落ち口を20mほど上流へ戻って、簡単なところから右岸の斜面に取り付く。広い窪があるところだ。下部には水が少し流れている。この窪を標高差20〜30mほど登ってから、左手(下流側)の枝尾根に上がる。この枝尾根から、さらに左手の枝尾根に伸びる薄い踏み跡を見つけ、そこをトラバースして、左手の枝尾根に移った。この枝尾根の下へ伸びる先が、大滝の落ち口ぐらいだろうと思う。この枝尾根をさらに10mほど上がった地点で、懸垂下降を開始した。高巻きを始めてからこの位置まで20分ほどだ。支点にできる太い潅木がある。斜面の傾斜もゆるい。あとはひたすら、大きな窪を5人が順番に懸垂下降した。大滝落ち口の標高が1020m、この懸垂位置が1080m、大滝下が990mなので、90mの下降をしたことになる。このうち、半分の45mほどを30mロープで3ピッチ下降した。後の半分は、傾斜が緩くなった斜面をロープ無しで下降した。高巻き成功。
 下から見るこの津室沢大滝は、見事だった。二段に見えるが、最上部の滝を入れると三段だ。通常45mと言われいるが、高度計の計測では、1020−990=30mということになり、どうやら45mは無い、というのが私の見立てだ。だが、この記録でも、45m滝という表記にしておく。



10m滝落ち口に咲く石楠花

10m高巻き 一部ロープを出して降りた
10m滝 1060m付近 左岸を巻いて降りられる

大滝45mの落ち口に咲くミツバツツジ


急な窪を大滝の高巻き懸垂3ピッチ
大滝45m 1060m付近 上部は懸垂下降も結構難しいだろう


大滝下から三段25m滝、津室沢出合い

 大滝下からナメが現れるようになる。ナメの黒い苔は恐ろしく良く滑るので、油断できない。津室沢出合い上の三段25m以外に下降の難しいところは無い。
 三段滝25mの落ち口には、懸垂下降の支点がある。コンクリートに埋められたボルトだ。そのおかげで、この滝でも懸垂下降の魅力に誘われたが、二段目の高さが良くわからないのでやめた。ここには、落ち口のすぐ手前、右岸に巻き道がある。残置ロープが繋がっているのですぐ分かる。ここは、高巻きに時間がそう掛からないので、巻いたほうが早いだろう。ここも、巻くつもりだったので懸垂の調査はしていなかった。web情報によれば、懸垂下降は45mロープでぎりぎり、とあった。確かに、巻き道の途中で見た滝はかなり大きい。30mロープでは、ここも足りない。ここの判断も結果正解だ。この滝の高巻きで、途中からワイヤーロープの下がる枝尾根を降り、右の斜面へ下り泙川へ直接降りた。だが、これはルートを外したようだ。web情報によれば、一段目の滝下に巻き道がつながっているようである。



黒い苔は曲者 良く滑る
廊下になると三段25m滝は近い


三段25m滝落ち口 右岸側に懸垂の支点がある
高巻きの途中で三段25m滝を見る 大きい


三重泉沢の堰堤を越え、を少しだけ遡行して最初の右岸の急なガレを上がると、林道に出る林道から撮影。
泙川の大きなナメに降りる 泙川の左岸に津室沢の出合い


小田倉沢〜津室沢1

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