金山沢〜曲沢(その2) 奥秩父滝川

2012年5月5〜6日
さわね3名、高橋


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金山沢のハイライト
 快適なテン場だった。テン場の標高が低かったため。きょうは、早めに立つことにした。朝方起きた時は、ぱらつく雨があったが、出発の7時頃には、青い空が現れていた。うーん、これは昨日に続いて幸運な展開だなー、そう思った。

テン場の上はこんな流れに 水量は相変わらず多い ゴーロで歩きにくい所が多い

 5m、5mの滝「金山沢の滝」を過ぎると、小屋跡に出る。右岸には平坦地、左岸には石積みの高台に50坪ほどのかなり広い平坦地がある。ここには、滝川右岸道に入るテープの目印もある。ほとんど歩く人は無いと思うが、篤志家がつけたテープだろう。高橋は、この左岸の高台が小屋跡と判断した。右岸の土地は、低すぎるため、大雨の度に流されるだろう。石垣のある左岸の高台は、沢から5mほど高い。

奥が「金山沢の滝」5m+5m 小屋跡は近い

右岸の「小屋跡」で休憩 対岸の左岸にも石垣によって造成された平坦地がある 諸説あるようだが、こちらが小屋跡ではないか
ピンクテープの右岸道の印 右岸の「小屋跡」のすぐそばにある その横には、釣り人に向けた看板がある 


 ここからしばらくは、目立つ滝もない、歩きにくいゴーロになる。だが、岸辺に雪渓がちらほら見えるようになった1150mを過ぎた辺りからは、小滝やナメが現れ始める。この渓相は、1350m付近まで、標高差200mに渡って延々と続く。金山沢のハイライトである。滝はどれも登れるが、水量が多いので濡れる。ここだけは、水の温い夏に歩けばもっと楽しいだろうと思った。越えても越えても、ナメとナメ滝が現れる。明るい晴れの天気の下で、我々の遡行モードは全開になった。心も、マックスに弾けていゆく。

 この楽しい思いをした後には、予想外の展開が待っていた。突然風が吹き始め、雨が降り始めたのである。1420mの二俣の少し手前だ。そのうち、雨が雹に変わって雷鳴が轟いた。この天候の急変には、驚いた。つい先ほどまで、陽の照り返しで煌めく滝を登っていたのだから。まずいと思った。このまま雨では、右岸道の通過に心配があった。おとといまで三日雨が降り続いていたのだから、泥斜面の滝川右岸道の踏み跡は、なおさら柔らかく不安定になるだろう。

小屋跡の上を行く ナメ滝が始まる トップを玉さんに交代


スダレ状滝5m どこからでも登れる 1220m付近
逆さくの字滝6m 左へ移れば登れるのだが

4mナメ滝 沢の曲折部 明るい沢をどんどん歩く ナメと小滝が延々と続く 爽快だ

スダレ状4m滝 ナメ小滝の連続を夢中になって歩く

クライマックスに青苔の滝5mが現れる 水量はまだまだ多い


4mスダレ状滝 ここは滑りやすい
まだまだ続くナメの世界


末広がりのナメ滝5mが現れると、ようやく金山沢のハイライトが終わる
二段5m滝


左俣へ入ると水量は減る 曲沢へ向かうルートは近い
金山沢の詰め
 突然の嵐も1420mの二俣に着く頃には止んでいた。森の中も明るくなった。先ほどの心配がなくなって、内心ほっとした。二俣で早めの昼食にして、左俣へ入った。1520mで右岸の窪に入る予定だ。だが、この窪の位置確認で手間取った。1570m付近まで沢を上がってしまった。ここにも窪があるが、いかにも急で登れそうに無い。1520m付近にあった窪まで引き返した。よく見ると、この取り付きに右手から踏み跡がある。踏み跡は左へ斜上して、すぐ左の尾根に入っている。この尾根をブッシュ頼りに登る。踏み跡は無い。しばらく登ると岩場になる。そのまま岩場の段々を登り続けると、岩壁で前進不能になる。ここで、右の窪へトラバースして、1670mの鞍部を目指してジグザグに登る。急な斜面だが、危険なところは無い。ようやく鞍部にたどり着いたのは、窪を登り始めて1時間ぐらいだった。岩場が出る辺りから、少々ルーファイが求められる。

曲沢への下降と雨

 1670m鞍部から、北斜面を曲沢へ下らなければならない。幸いヤブはない。すっかり鹿に喰われてしまったのだろうか。ハシリドコロだけは、急な斜面に春を謳歌しているのだった。だが、またしても空は暗くなり、急に雨が落ちてきた。またカッパを着て斜面をジグザグに下る。30分ほど下ると水の流れる沢に出る。雨はそう強くないが、相変わらず降っている。物言わずにぐんぐん下がった。心配したこの雨も、曲沢1120mの二俣に着く頃には上がっていた。標高を下がっているにもかかわらず、気温は下がっていた。寒気が入り込んでいるのだろう。

 曲沢は、大きな滝はないが、水量の豊富な豪快な沢である。比較的水の少ない小沢を想定していたので驚いた。大きなゴロタ滝が続くところでは、ルート判断が求められるが、危険なところはなかった。1120mの二俣では、植林地の間伐があり、ピンクのテープがいくつも下がっている。何か、土木工事を思わせる雰囲気である。まさか、この山中に堰堤でもあるまいとは思うが心配だ。このピンクテープは、赤い番号札といっしょに滝川の右岸道にも続いていたので、この右岸道を工事するような感じもする。

1670m鞍部からの下降 ヤブがない

曲沢の下降 雨が降っている 水量はかなり多い 滝はないが歩きにくい

滝川右岸道を歩く頃には晴れてくる
滝川右岸道
 小屋跡の手前で、踏み跡は容易に見つかった。標高1120m二俣の下を100m(水平距離)下がると、左岸に踏み跡が現れる。踏み跡を辿ると右岸に渡り、そのまま斜面を上がると、じきに平坦地が現れる。廃材が重ねてあるのでここが小屋跡なのだろう。この小屋跡のすぐ先で上と下へ向かう踏み跡になる。ここは、踏み跡の濃い左に下がると、すぐに沢へ降り着く。ここが右岸道の徒渉点だろう。両岸に目印のテープがある。「釣り人のみなさんへ」という看板がここにあるとの情報だったが、見当たらない。右岸道を沢沿いに降りると少し下にその看板があった。この辺りの踏み跡はしっかりしている。踏み跡は次第に沢を離れて行く。途中、崩壊部があり慎重を要する箇所もあるが、踏み跡が不明になるところは無い(詳細は資料編を参照)。
 沢小屋沢の徒渉点では、枝沢を混じえて3本の沢を渡る。この辺りにも、ピンクテープの目印が続き、よく見てゆけば踏み跡を失うことはないだろう。沢小屋沢からじきにテープの目印のある降り口が現れるが、これは、古い吊り橋へ降りる踏み跡だろう。この橋は壊れていて渡れないらしい。この分岐から約20分で、国道下の吊り橋へ降りる踏み跡が左に分かれる。この分岐の少し手前には、崩壊部があって、二箇所にロープが固定されてある。


 フィナーレ
 国道下の吊り橋への下降地点には、目立つピンクテープが付いている。要所で現在地を確認すれば、下降地点を探すのは、難しくはないだろう。下降斜面でもピンクリボンが吊り橋まで導いてくれた。心配していた程ではなかった。吊り橋からの最後の登りはつらい。170mほどの急登である。トロッコ道へ出たら右へ回り、すぐの窪の付近から上がり、上部の登りに入る。長い車道を歩いて出会いの丘に着いたのは、すでに8時を過ぎていた。あー疲れた。



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