水晶沢、雷木沢 丹沢山塊モロクボ沢

ミヤマキケマン(深山黄華鬘) 有毒とある

2012年4月29〜30日
SSC2名、高橋



遡行図
雷木沢




*雷木沢 4月30日
  (→水晶沢の記録へ)

F1からF3

 雷木沢は、モロクボ沢の大きな支流だ。白石キャンプ場跡に架かるやまびこ橋のすぐ上流左岸に出合う。出合いから雷木沢の左岸を歩くと、すぐ先で、早くもナメやナメ滝が現れ、嫌が上にもこの先の期待を抱かせる。どうやら大きな滝が有るようだ。樹間に落水の白い筋がかすかに見える。4mほどのナメ滝を越え、沢が右に曲がった先で、F1がその姿をあらわす。


最初の滝4m 奥に大きな滝が
12mF1 最初に現れる大きな滝 左岸右岸とも簡単には巻けない


右岸の急斜面 浮き石が多いので注意 
ブッシュ伝いに落ち口上を目指す

 高さは、12mほどだろうが、圧倒的な存在感がある。ネットの写真で見てはいたが、想像を超えていた。複雑な岩の摂理を伝って、曲折して水が落ちる。腕に自信があるものならば、この滝の登攀をこなす者もいるだろう。だが、我々には難しい。滝の両岸ともベースは岩壁である。岩の割れ目に生えたブッシュがまばらに伸びている。斜面の単純な右岸を高巻くことにした。傾斜はかなりある。ブッシュ伝いに行かなければ登れない。岩屑が多く落石にも神経を使う。ジグザグに登りながら落ち口方向を目指す。乗っ越せるのは、落ち口上あたりしか無い。この辺りには、薄い踏み跡ができていた。比較的簡単に落ち口上を乗っ越し、難なく沢へ降りることができた。

 F1落ち口の乗っ越で前方を見ると、再び巨大な滝が壁のように立ちはだかっている。F2・15m滝である。正面から見たためだろう。まるで垂壁のように見えた。左寄りを水が落ち、右手には古い倒木が掛っている。見ただけで水流沿いは登れないと判断した。調査によれば、倒木の掛かる右手を登る者があるようだが、決して簡単ではない。滝の右岸には傾斜のゆるいルンゼがあり、わずかに水が流れている。ここを落ち口高さまで登れば、バンド伝いにトラバースできそうだ。このルートを登った記録は無かったような気がする。慎重にトラバースをこなし、F2の上に出ることができた。F2は、10m+5mの二段滝だ。F1の下から、ここまで、約1時間だった。途中休むところもなかったので、ここでゆっくりと休んだ。この先は、4mほどのトイ状滝が二つ続く。傾斜が緩いので、安心して越えられるだろう。

F1落ち口上乗っ越から正面に現れる15mF2


 F2の先を5分も歩けば、天を突くような大滝が現れる。F3・25mだ。幾つか写真を見たことはあるが、実際に間近で見れば、驚くほどに大きく存在感がある。F1、F2は、どこか曲のある変わった形の滝だが、F3は、これぞ滝の本道というような姿で我々を迎えてくれた。水量がもう少し多ければ、さらに迫力が出るだろう。この滝も、もちろん直登出来るはずもなく、巻き道を探す。滝すぐ左手の急な泥ルンゼを上がる、という手もあるのかも知れない。だが、上部の突破に苦労するだろう。左岸の尾根に上がり、大きく高巻いて落ち口へという手もあるかも知れない。ここは、事前調査によれば、右岸の斜面を上がるのが良いらしい。落ち口のトラバースも難しくないようである。滝を少し戻って、右岸の斜面に取り付いてみると、怖いところは無い。F1の右岸のようにそう急斜面でもないし、露岩も浮き石もない。F1の緊張した高巻きに比べれば、簡単だった。ここは、落ち口上のトラバースでも、緊張する場面はない。F3の上にある小ルンゼの上部をトラバースして、沢へ戻ることができた。そのすぐ先には、心休まる4m滝がある。高巻きに要した時間は、20分足らずだった。


途中から大滝が見える
25mF3 両岸には若葉が開き始めている。写真で滝の大きを表すことは難しい右岸を巻いたが比較的容易。


F3の先
 雷木沢の核心は、F1からF3までだろう。F3上の4m滝からは穏やかな渓相が続く。沢は岩床が基盤になっていて、ナメやナメ小滝が多い。だが、ゴロタが被っているところも多い。豪雨によって荒れたようにも見える。両岸の樹木は、淡い緑の美しい葉を付けたばかりだ。特徴的な滝としては、標高850m付近で右岸から二つの枝沢が入った先にある、トイ状滝3mとナメ滝8mが繋がった滝、また、900m付近にある10mスラブ滝や1000m付近にある黒岩の5m滝がある。トイ状滝3m+ナメ滝8mは、下部のトイ状滝は水流沿いを登り、ナメ滝8mは、右端のクラックから上がり、傾斜の緩くなった上部を水流沿いに登ることができる。黒岩の5m滝は、水流左の岩溝を登ることができる。ホールド豊富だ。

F3上の4m滝 840m付近のナメ 落ち着いた渓相になる


850m付近の3m滝 3m滝の上には、幅40cmの黒い岩の帯が


3mトイ状滝+8mナメ滝 トイ状滝は水流沿いを、8mナメ滝は、右端のクラックを登って落ち口へトラバース 難しくない 10m滝 上部のホールドが細かく直登できない。右岸のクラックを辿り落ち口へ小さく巻いた 写真で見るより傾斜がある


ナメ小滝 970m付近


5m滝 岩が濡れていて黒い 左の岩溝を登った  5m滝を登る ホールド豊富


詰め
 雷木沢は、850m付近の枝沢以外は、支流らしい支流はない。高度計がないと現在地を確認するのは難しい。詰めにも支流は出てこないので本流をそのまま登る。今日は、雷木沢右岸尾根を下降する予定だ。本流の遡行が厳しくなった標高1170m辺りから左の枝尾根に上がり、目的の尾根1220m付近に上がった。

1120m付近 左へ入り5m滝を登る 遡行終了点まであと30分




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