滑沢左俣遡行右俣下降
  伊豆天城本谷川 
2011年11月13日
高橋



 11月とはいえ、天気の良い暖かい日が続くと、無性に沢へ出かけたくなる。家にいると落ち着かない。前回に続いて、今日は、伊豆天城の滑沢の源流部を歩いた。数日前から晴れの天気予報だったので、迷わず実行だ。15日火曜日には、小松さんとの西丹沢下棚沢の遡行があるので足慣らしに良いだろう。思い立ったらいつでも実行できるというのが、単独行の良さだ。今年の夏は、週末に天候が悪く幾つもの計画が中止になった。それを取り返そうという訳ではないが、秋の天候は結構恵まれている。
 前回は、滑沢を太郎杉の先の8m滝まで歩いた。今日は、その先林道終点、標高600mまで車で入り、滑沢の源流部を歩くことにした。地形図で見ると滑沢は、標高600mで右俣と左俣二手に分かれる。現地を見て水量の多い方へ入ろうと考えた。前回の河原小屋沢三ノ沢の例もある。現地を見てみないと、「沢登り」が出来るかどうか分からない。沢登りは、やはり水が無いと気分が出ない。水の力は大きいと思う。水が有るのと無いのとでは、沢の景観が全く違う。
 現地に立つと、左俣の水量が少し多い。こちらの沢を歩くことにした。地形図では、稜線まで登山道、点線の記載がある。稜線には、仁科峠と天城峠を結ぶ伊豆山稜線歩道が通っている。だが、あらかじめ言っておく。この選択は間違えた。この左俣は、失敗だった。入渓点標高600mから800m付近までワサビ田が続き、モノレールの有る人の手の加えられた沢を歩かされることになった。ひとの手の加わったワサビ田が無くなるのは、標高800m以上である。この左俣は、沢歩きには適さない。標高760mの分岐で、水流は右俣に変わる。800mで4m、3mの初めての滝になる。沢を歩いていると、滝というのは嬉しいものだ。良かれ悪しかれ滝というのは自然の産物だからであろう。滝の上にもワサビ田跡の石垣はあるが、現在は耕作されていない。やっと人の手のかからない領域に入る。なぜか、心が安らかになる。標高810mの二俣では、両俣に水がある。右俣がワサビ田跡の石垣が続いていたので左俣へ入った。かつてワサビ田は、稜線近くまで達していたのだろう。崩れた石垣が、稜線直下まで続いた。水は標高860mまであった。斜面が急になった先、標高900mで登山道にぶつかった。

モノレールが沢沿いに伸びる ワサビ田が続く 標高690m付近 小滝のナメが続く



810m二俣 右俣はワサビ田跡が
780m付近4m滝 この上に3m滝 3m滝


ワサビ田跡の石垣が苔に被われ 小さなナメ 860mまで水がある 880m付近 登山道は近い





 左俣があまりに期待はずれだったので、急に右俣を下降する気持ちが沸き起きてくる。登山道を北(右)へ入り1013mピークの先の東へ伸びる長尾根を過ぎてから、東に急斜面を見ながら北を目指す。東へ降りれば右俣を降りられるはずである。ここまでは、地形図を眺めて作戦が立てられる。だが、現地で地形を読みながら歩くのはまるで違う。地形図は俯瞰的に凹凸を眺めることが出来るのだが、現地へ入ると、地上から現在地を確認しなくてはならない。地形が緩傾斜の場合には、現在地を特定するのが思いの外難しい。東側に急斜面を見ながら北方向へ尾根を歩き、適当な所で東の斜面を降りれば良いのだが、最後まで現在地を特定できなかった。そのひとつの理由は、稜線を歩かずその直下をトラバースしたことだろう。尾根の分岐や張り出しを確認できなくなってしまった。北へ向かう稜線を目指すところを、危うく東向きの斜面へ降りそうになってしまった。結局下降を始めた地点がどこだか分からなくなり、急峻なルンゼを降りることになった。左俣の地形とは全く異なっていた。左俣は穏やかな詰めだったが、右俣の稜線直下は、思いがけなく急峻な岩床であった。
 右俣は、ワサビ田跡がところどころに見られたが、現在は耕作されていない。沢床が岩であるために、ワサビ田が築きにくいというのが理由だろうか。石垣の跡は見られるが、左俣の状況とは全く違う。耕作されたワサビ田は全く見られなかった。また、右俣は、スラブの露出が多く見られ、滑沢の下流部のスラブの沢床に共通するのは、この右俣だろう。今日は、左俣を遡行してしまったが、滑沢の本流は、その形態からこの右俣とするのが正しいと思われる。またいつか、この右俣の幾つかの沢を詳しく歩いてみたいと思う。

1013mピークへ登る
登山道を離れて稜線を歩く 美しいブナ林
だだ広い地形 ここは何処かな
しばらく北へ向かう


右俣の急峻なルンゼを降りる  ここは沢屋でないと降りられないだろう ちょっと危うい急なルンゼを降りると少しひらける
源頭の水源 900m付近 岩の間から水が湧いている


水が流れ沢らしくなった沢を降りる  770m付近のナメ 三段ナメ滝下段 左写真の下


760m付近 5m滝 倒木が架かる 二俣上 ナメ滝 ゴーロを降りる


穏やかなゴーロを降りる 小さなナメ滝


石床の沢の景観を楽しみながら降りる 小さなナメ滝にもおもむきがある


スラブのナメ スラブ三段滝 630m付近 SX4の待つ入渓点に到着




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