2011.08.27 天候不順と合宿




 8月の末に計画した北アルプス、黒部川赤木沢は、いつか歩いてみたいと思っていた沢だが、天候不安定で中止にした。先週8月2021日の奥秩父滝川豆焼沢に続いての中止だ。今年、五度目の中止である。まったく中止が多い。
 今年は、梅雨入りが早く、夏になっても天候が安定しない日が多い。おかげで、今年の沢歩きは不作である。梅雨入りが5月というのは、記憶にある限り初めてではないかと思う。お陰で、52829日の足尾山塊・泙川小田倉沢の遡行が中止になった。安定しない天候のために、7月9、10日の鬼怒川魚沢、7月3031日の南ア大武川を次々に中止にした。振り返ってみると、結果的に月一度の遡行になってしまった。近年に無い希薄な密度だ。もっとも、南ア大武川は、次の週に執念の遡行を果たした。このお盆の遡行の天候はベストであった。簡単に諦めてはいけないということか。
 この沢のシーズンの最盛期に、今年の沢の「反省」をしてもしょうがないのだが、今年の沢の遡行は少ない。5月連休の神ノ川の広河原での楽しいキャンプ、入川ヒダナ沢の小難しい滝の登攀、6月の小雨の中の南ア・笹ノ沢の遡行、7月の入川大荒川谷の晴天の滝登り、そしてピカピカの南ア大武川の遡行、そんな所ぐらいしか歩いていないのだ。だから、ひとつひとつ鮮明に記憶がある。沢の遡行は、たくさん歩けば良いとうものではないだろう。次々に歩いて、次々にその記憶が失われて行く。そういう沢歩きは、忙しないだけで残るものが無い。入魂の沢歩きを考え、歩く回数をひかえている。体力が衰えると、こんな屁理屈を付けて、自分を正当化しようとする。人間は、放おっておくと必ず自身を正当化するように思考を組み立てる、といわれている。だから、いつも自分が正しいという訳だ。
 計画が少ないと、中止になった時のショックも大きい。「何もすることなく、ボーッとしている。」と別のところで書いた。このままでいくと、あと三つぐらいの遡行で今年は終わってしまいそうである。それも良しかも知れない。

 今年、同好会のさわねでは、合宿なるものを計画した。中央アルプスの空木岳を太田切本谷と中田切川大荒井沢から詰めようという計画だ。玉石混交のさわねの平均値で見れば、ちょっと背伸びした計画であったかも知れない。案の定、その無理がたたってか、グループ分けに少し支障が出たりした。が、何とか参加者の尽力によって隊を編成することができそうだ。今年、成功させたい遡行である。
 この大荒井沢の大滝100mは、なかなか素晴らしい滝のようだが、自分たちに登れる滝ではない。この滝の大高巻がこの沢の核心といわれる程である。だが、この高巻の時間も人によって様々だ。30分から三時間までの記録が残っている。高巻きは、岩登りとは違うので登攀技術とは関係ないように見えるが、記録を見る限りでは、滝登りの熟達者の方が、少ない時間で高巻きしているようである。とすれば、万年初心者の自分は、三時間ぐらいの高巻きを覚悟しなければならないのかも知れない。
 高巻きは、様々な場面で経験してきているが、今までそう難しい高巻きの経験はない。前回、大武川の六町ノ滝で標高差250mの高巻きは大きな方だ。二時間掛かったたが、窪を巻いたので難しいところはなかった。昨年の夏、中ア・細尾沢の大滝40mを右岸の急なブッシュから高巻いたときは、途中岩壁の張り出しもあり、壁を抜けるのに苦労した。ここには1時間ほどの時間がかかった。昨年の5月の丹沢神ノ川エビラ沢の連瀑帯30mを超えるのにもやはり1時間ほどかかっている。途中、太い曲り根に腰掛けて急斜面の途中でガクさんと休憩したのを覚えている。これらの経験からすると、大荒井沢の大滝100mは、やはり二時間ほどは覚悟すべきだろう。この滝の高巻きを、30分で終えるという強者は、相当なものだ。高巻きの途中で息が切れて休んだりしないのだろうか。心臓が相当強いのだろう。うらやましい限りである。



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